ある晴れた日に
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407部分:雉鳩が消えたその七
雉鳩が消えたその七
「三日後にこの浴衣着られるのが」
「だよなあ。うちもだよ」
春華もここで話にまた加わってきた。
「浴衣って着るの結構大変だけれどな」
「そうそう。それに下着の線が出ないようにするの大変だし」
「あれどうしてる?」
こうした話にもなるのだった。
「浴衣で一番問題だけれど」
「私今まではかなかったわよ」
こう言ったのは奈々瀬だった。
「それでやってきたけれど」
「えっ、ショーツはかないの?」
未晴がそれを聞いて驚いた顔を見せてきた。
「それだと冷えない?」
「冷えるけれどそれでも」
顔を曇らせながらも言葉を返す奈々瀬だった。
「下着の線が見えるよりましじゃない」
「ああ、あれやり方があるんだよ」
だがここで春華がその奈々瀬に言ってきた。
「ちゃんと浴衣に合わせた下着があるんだよ」
「あるの」
「トランクスみたいなのな」
それだというのである。
「あるからな。それはけばいいんだよ
「そうだったの。あるの」
「あるよ。じゃあ三日後それはいたらいいからな」
さりげなく奈々瀬にその下着を勧めるのだった。
「冷えないし丁度いいぜ」
「わかったわ。それじゃあ」
「ティーバックはく人もいるみたいだけれど」
咲はティーバックに関してはどうもあまり納得しない顔をしていた。
「どうなのかしら。あれって」
「ちょっとねえ。ティーバックはねえ」
「派手っていうか何かやり過ぎよね」
「そうよね」
凛と静華だけでなく未晴もまたティーバックについては批判的なようである。
「私もあれはちょっと」
「うちもだよ」
「私は絶対に駄目」
春華も同じだったし奈々瀬はとりわけ強い拒否反応を示した。
「あんなのはく位なら最初からはかないわよ」
「それが一番やばいじゃない」
咲ははかないとまで言う奈々瀬にこう返した。
「咲もあれは嫌だけれど」
「そういえばうちのクラスって」
「そうよね」
「ティーバックいないわよね」
「一人もね」
六人でこんな話もするのだった。
「やっぱりね。いないわよね」
「まだ高校生だし」
「あんなのはくひとの気持ちがわからないわ」
未晴もまた強い拒否反応を見せていた。
「とてもね」
「じゃあ未晴あれなのね」
咲がまたしても未晴に言ってきた。
「音橋とのデートの時は勝負下着ティーバックじゃないのね」
「えっ、デートって」
こう言われると口篭ってしまった未晴だった。
「それに勝負下着って」
「やっぱりデートするからには」
「そうだよな」
静華と春華も言うのだった。
「それは当然よね」
「どんな下着はいてんだよ、あいつとのデートの時は」
「普通だけれど」
顔を少し赤らめさせながらの返答だった。
「それは。普通よ」
「普通っていうと」
凛は未晴の言葉を聞いてから述べた。
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