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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第二幕その九

「最高なのにね」
「それがないとなると」
「本当に先生イギリスに戻る?」
「イギリスにもお刺身ないけれど」
「そうなる?」
「いや、この場合イギリスに戻っても意味ないよ」
 お刺身が食べられなくなってもというのです。
「だからそうした理由では戻らないよ」
「そうなるのね」
「まあとにかくそこは先生と泉鏡花さんは違うわね」
「生ものを食べるし」
「極端な潔癖症でもないから」
「だからね、あと今日の晩御飯は何かな」
「湯豆腐です」
 トミーが台所から言ってきました。
「安くていい湯豆腐が沢山手に入りまして」
「だからなんだ」
「はい、それとホッケの開きです」
 こちらもあるというのです。
「そしてもやしをごま油で味付けしました」
「いいね、じゃあ今日はね」
「飲まれますか」
「そうさせてもらおうかな」 
 笑顔で言う先生でした。
「今日は」
「湯豆腐のお話をしたらね」
「湯豆腐が出て来たね」
 オシツオサレツが二つの頭で言ってきました。
「まさに言えば何とやら」
「そういうことだね」
「もう寒いし丁度いいわね」
 ポリネシアは湯豆腐の温かさから述べました。
「冬だしね」
「日本の冬も冷えるからね」 
 チーチーはその日本の冬のことをお話しました。
「イギリスよりはましにしても」
「欧州の寒さはまた凄いからね」
 ジップはイギリスの寒さを思い出しています。
「何かとね」
「イギリスでもスコットランドなんかもう」
 ホワイティはあの地域のことに言及します。
「とんでもないからね」
「その寒さと比べたらましでも」
 ダブダブも欧州の冬の寒さを思い出しました。
「日本の冬も寒いから」
「その寒さには熱いもので」
 トートーは楽しそうに言います。
「湯豆腐はいいものだね」
「昆布でだしを取ったお湯で煮るだけなのに」
 ジップは湯豆腐の具体的なお料理の仕方を述べます。
「物凄く美味しいよね」
「シンプルイズベストだね」
 ガブガブは湯豆腐をこう評価しました。
「まさに」
「そうだね、後はポン酢かお醤油で味付けして食べる」
 老馬はどうして食べるのかを言います。
「それだけだけれど美味しいんだよね」
「さて、じゃあね」
「今日は湯豆腐ね」
 チープサイドの家族もとても楽しみにしています。
「ホッケともやしもあるし」
「楽しみね」
「さて、お酒は何がいいかな」
 先生もすっかり乗り気です、湯豆腐と聞いて。
「今晩は」
「ここは熱燗だよね」
「泉鏡花さんに倣って」
「湯豆腐だし」
「それなら」
「そうだね、日本酒で」 
 先生も動物の皆に応えて言いました。
「熱燗がいいね」
「わかりました」
 トミーも応えてきました。
「今日は熱燗ですね」
「それにしてくれるかな」
「そうさせてもらいますね」
「別に沸騰するまでじゃなくていいから」
「そこまで熱くしたら」
 それこそと言うトミーでした。 
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