ソードアート・オンライン ー合わさる剣は2つの世界を一つにしてー「ある科学者とある剣士の物語」
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四話「デスゲームの一大祭り」
バカでかいファンファーレの音がなったかと思えば二人の試合を勝手に見世物にして料金を取るわ、ホットドックとジンジャーエールを売り歩く人たち、そしてしまいには賭け試合が横行、それに乗っかってさっきからベットと予想屋の情報を照らし合わせているレイ、人が死ぬ、そんな確率のない純粋な決闘。俺たちはこのデスゲームの一大イベントを素直に楽しんでいた。
「あ、あのレイさん。今回の賭け、いったいいくら使うつもりで」
「ざっと四百万コル」
「ちょっとおー、内のギルドの総資産の何%?」
「大丈夫よ、私のお金だから」
「ええー、レイってそんなにお金持ってたの?」
「うん、手っ取り早くね、21層の酒場でポーカーが流行ってて、あ、わたし、ポーカーの地区大会、優勝者だから。フィル・ゴードンはわたしの人生の師ね」
「そうなの、フィル・ゴードンって誰」
「ポーカー必勝法の本を出してる人よ」
「なんでポーカー?」
「海外で簡単に友達が作れるってお父さんから言われてね」
「へえ、じゃあ英語は喋れるの?」
「もちろんよ、これでも英語、フランス語、イギリス語ぐらいは話せるのよ」
「で、どっちに入れるの」
「うーん、第一層の時キリトさんには助けられてるし二刀流で単独ボス撃破なんておまけまでついてるけどやっぱりヒースクリフね、神聖剣は神がかりすぎてるし。ジンは?」
「おれ?じゃあキリトかな、剣術家としてこの前、クラディールって奴と試合してたんだけど武器破壊であっけなかった。あいつの反応速度なら盾に隠れた剣を躱して懐に飛び込むくらいできるだろうね、その一瞬が勝負だね」
「ふーん、ならあなたの剣術とわたしの勝負感で勝負ね、負けた方は食事一回奢ること」
「えー、まあいいよ一回奢るくらい」
「お客さん決まりましたかね?」
「ええ、ヒースクリフに四百万コル」
「ひえええ」
「キリト5万コル」
「こっちも」
「レイさん、本当によろしいんで」
「ええ、もとではかかってないの」
「おい、キリトのレートあげとけ」
試合開始の鐘がなる。
キリトとヒースクリフが剣を構えた。キリトが二刀流でヒースクリフを盾の上から殴る。ものすごい連撃にヒースクリフは全く攻撃できない。
そうだ、相手に攻撃の暇を与えない。肝心なのはヒースクリフが攻撃に転ずるその瞬間がチャンス。
しかし、ヒースクリフの盾はまるで崩れない。
ふむ、まあ盾の上から殴るだけじゃ簡単には崩れないよな。
二人は一旦離れる、そして再度ぶつかる、キリトがソードスキルを発動している。
噂の50連撃は確かに強かった。しかしヒースクリフの動きはまるでソードスキルがわかっているようだった。
連撃がどんどん早くなっていく耐えかねたヒースクリフがついに動いた僅かなモーションで突きを繰り出した。
それを躱しキリトが懐に入る。その瞬間キリトの剣が確かにヒースクリフの頭部を捉えた。勝負は決したそう思った瞬間、ヒースクリフの盾がありえない動きをしてキリトの攻撃を防いだ。ジンはあまりの早さに、客席から立ち上がったほどだ。
そしてヒースクリフの一撃で方はついた。
「やったわ、うふふ、ジンにかった400万コルの16倍よ、わたしたち大金持ちね!ざっと6億4千万コルよ。笑いが止まらないわ」
「違う」
「え?」
「あの時、キリトの剣は確かにヒースクリフを捉えていた。あの時点勝負は決していた。なのにキリトの動きがとまったかのようにヒースクリフの盾が動いたんだ」
「そう、つまりヒースクリフは予想以上の強さだったてことよね」
「いや、俺の見る限りヒースクリフの体は完全に崩されていた。あの状況で盾を向けるなんて相当の達人かなにか違う力かどちらかだ」
「あなたみたいにソードアート・オンラインの制作スタッフとかかしら」
「そうだな、俺のようなベータ・テスターはたしかに何人かいた皆一流の剣術家だ。そうかたしかにあいつらなら」
「その剣術家って何人いるの」
「三人だ、示現流の使い手緒方豪三郎 柳生新陰流 武田健吾 北辰一刀流 岡田哲也 どれもすごい達人だ」
「ふうん、ならそのどれかじゃない」
「うーん、かもしれない。一度ヒースクリフとは話をしてみなければな」
「で、忘れてないでしょうね」
「あーはいはい、奢るよ」
「やったーじゃあね26層にね」
そのあとキリトが血盟騎士団に入ったと聞かされた。俺は内心良かったと思っているソロ攻略には限界があるからだ。
ページ上へ戻る