女神と星座の導きによりて
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星31 一時の別れ
「じゃぁ、この手紙を沙織さんに渡せば良いんだな?」
「はい、よろしくお願いします。星矢」
魔鈴との別れが済んだ後、星矢と会う約束をしていました。
手紙の内容は”私は聖域で無事な事”、”聖域に戦いを挑むなら私を気にしないで本気で来る事”を書きました。
銀河戦争を止めないのかって?アレは元々悪と闘う聖闘士の養成と、聖域に潜む邪悪をあぶりだす為の物(主に悪サガの事)ですからね。
「そんじゃぁ、俺は行くけど、本当に来ると思うか?」
「来るんじゃないですかねぇ?」
うげーっと唸っている星矢。
それは何故か。私がシャイナさんが来るかもしれないって伝えてあるからですよ?
まぁ、かもしれない?ですから、可能性の話ですから。
そう言いますけど、星矢は確信があるみたいで
「姉貴がそこまで言うって事は来る方が可能性は高いね。絶対」
「おおう、言い切りますね」
「だって!”あの”シャイナさんだぜ!絶対来るだろ!」
”あの”とまで言われているシャイナさん……。私が星矢に会う前まで何してたんですか?
ちょっと戦慄しましたけど気を取り直して星矢に言いました。
「まぁ、足止め位はしますよ。足止め位は」
「その言い回しされると不安になるんだけど」
あ、ちょっとジト目で見つめてきました。
仕方ないですねぇ。
「本当にしますよ。足止め」
「お!そんじゃぁ、信じるぜ。姉貴」
じゃぁな!っと言って駆け出す星矢。
ただ、私は言っていません。シャイナさん”を”足止めするとは。
「そろそろ出て来ても良いんですよ?兵士の皆さん」
恐らく保険みたいな感じでシャイナさんに報告されていたのか兵士の方々、ひぃ、ふぅ、みぃ……十人位ですかね?それ位の人数が出てきました。
「ふん、高々女官の身で何が出来る」
ふむ、甘く見られてますね。
「では、こういう事が出来ますっよ!」
私は音速の速さで五人程一気に一人一人、拳一つで吹っ飛ばしました。
「はい。後、半分」
「な、何ぃ!?」
「貴様!今、何をした!」
聞くのではなく、一応は自分で見極める事を覚えなさい。
全く、修行が足りていません。
「仕方ないですね。特別ですよ!」
擬似!
「ペガサス流星拳!」
『うわあああああ!?』
ペガサス流星拳を撃たれた事に驚きながら残りの半分の兵士さん達は倒れました。
「な、何故……貴様がその技を……!?」
「ふっ、笑止!」
これ、一回は言ってみたかったんですよね。
「そんなのは簡単です。何故なら……ペガサス流星拳は私が教えたからです!」
まさにバーン!っと音が鳴っているんじゃないかって感じですね。今。
そうなんですよ、ペガサス流星拳は私が教えました。
いやー、ついっというか、なんというか、星矢って決定的必殺技を持っていなかったんで、教えてしまったと言いますか……。
いいじゃないですか!早い段階で覚えられたおかげで、星矢の成長加減は早まりましたから!小宇宙コントロール的に!
「殺した訳ではないのですから、次に目覚める時は自分の足で帰りなさい。では、おやすみなさい、兵士の皆さん」
私はそう言うとまだ意識があった兵士さんの首に手刀を当てました。
ぶっちゃけ、当身をしたがけですけどね。
しかし、……ふう。最近?小宇宙を燃やさず戦うのに慣れてきましたね。
ある意味暗殺者とか向いてるのでは?なんて自惚れてみたり。
聖闘士の方々は小宇宙の燃焼具合で弱いか強いか決めてる所もありますから敵を欺くなら味方からとはよく言ったものです。
あれ、一応味方なんですよね?一応は(自信がない)
まぁ、それは良いんです。置いておいて下さい。
多分目覚めたらこの事は覚えているでしょうけど、そうやたらめたらに話さないでしょう。きっと。
だって、”ただの女官に負けたー”だなんて周りに言えます?
曲りなりに兵士ですよ?(原作では雑兵ともいう)
星矢みたいななりたてでも聖闘士。負けても仕方ないってなりますが、一応女官として通っている私に負けたとなると……ね?
要は話せないだろうから放置!これが一番です。
さて、今頃は星矢はシャイナさんに勝てたでしょうか?
一応原作よりも強くなったと思いますが、まだまだ詰めが甘いというか、フェミニストだからシャイナさんを説得でもしようとするかもしれませんね。
今の星矢なら白銀聖闘士に負けるのは、まずないハズです。……多分。
あの子、後少しでセブンセンシズに目覚めるかも?なんて思ていましたが結局そこは間に合わなかったです……。
今目覚めていれば、強くて原作開始的な感じになったんですけど。
仕方ないですねぇ……。
でも、いきなり強くなってもまだまだ少年の身体。
これからも成長する訳ですから、無理に作っちゃうと壊しかねないんで、これからも試練を与えていきますか。
瞬に紫龍、氷河もですね。
え?一輝ですか?彼はもう自分でなんとか出来そうなんで、(不死鳥座の時点で)大丈夫と信じていますよ。
で、今、めっちゃヤバい状況になってきているんですけど……。
「今の戦い、見させてもらった」
な、何故今、此処にいらっしゃるんですかね?
「やはり、君は唯の女官ではないようだな」
あ、アイオリアぁー!!
此処でアイオリアにエンカウントとかマジですかー!?
っていうか、”やはり”とか言われているから、なんか前から疑われていた感半端ないんですけどー!!
せ、背中に冷や汗が……、や、ヤバいです……。
でも、もしかしたら何か正体バレの良い布石になるかも?
「さてはて、どこから見ていたのです?」
とりあえず、さぁ!言いなさい!どこからどこまで見てました!?ハリー!ハリー!!
「君が星矢と別れた時から見ていた」
結構前から居たぁー!
「星矢にはお別れの挨拶をしなくても良かったんですか?」
「恐らく見送られるのが気恥ずかしかったのもあるのではないかな?なんの連絡もなしに行ってしまったから、そうだと思う」
「そうですか」
やっと冷や汗が引きました。とにかく、なんとか切り抜けないとですね。
「で、アイオリア様?私に何か言いたい事があるのではないですか?」
この際はっきりしましょうね!
「……君は何者だ?」
「教皇宮の女官見習い……いえ、今では普通の女官ですね。それ以外にないのでは?」
さて、どう来ます?
「さっきの音速の拳。説明してはくれないのかな?」
「ただ、気まぐれに習わせられただけですよ。アフロディーテ様に」
ディーテ!名前をお借りします!
「魚座のアフロディーテに……?音速で動けたという事は、君は聖闘士の弟子か、或いは……どこかのスパイか何かではないか?アテナがお望みになったというのも噂でしかないからな」
おおう!そこを突かれましたか!でも、まだまだです!
「スパイはないですね」
「ん?」
「他の黄金聖闘士様方からも聞いてみてください。私の身はそれで証明されます。そうですね……」
また、ここはお名前をお借りしますよ!
「シャカ様とか」
シャカ!君に決めた!
「しゃ、シャカだと!?」
おおー、驚いてます驚いてます。
まぁ、シャカですからね。仕方ないですね。
ちょっと、いえ、かなり嫌でしょうけど、証人位にはなってもらいますよ?シャカ。
「はい、シャカ様でしたら、私の身を証明してくださるでしょう。それに、私は絶対にアテナを裏切る行為は致しません。この命に代えてでも」
「!!」
ええ、産んだ訳ではありませんが、沙織は周りの人々に支えられながらも、私が育てました。例え、女神であっても”私の”大事な子です。
裏切る訳もなければ、敵のスパイだったとしても、その相手を裏切って沙織の味方になってみせます!それ位の覚悟位、とっくにしています!
「アイオリア様、私を信じろとは言いません。でも、どうか、今は引いては下さいませんか?いつか、女神の御前ではっきりするでしょう。私が何が目的で、何者であるか」
「……女神の御前だと?」
さて、そろそろ行きますか。一応、戦意喪失してくれているみたいですし。
「では、アイオリア様、ご機嫌よう」
「!」
此処で光速を出したらモロバレなんで、あえて追いつきそうな音速で走ります。
でも、きっとアイオリアは攻撃したり、追ったりしないでしょう。
女神の名を出した私に、忠誠心篤き誇り高い獅子は訳アリであろうとも、自分から後ろを向いた女一人に、その獅子の咆哮を向けたりしないでしょうから。
後書き
星矢と一時的な別れとアイオリアとの邂逅?ですね。
さて、沙織さんとアイオロスは手紙を読んでどんな決断をするのか?
どういう展開になるんでしょうね!
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