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愛しき君へ

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第二章

「だから二人程強い冒険者を雇ってだ」
「そしてやな」
「一緒に冒険に出て欲しい」
「ほなな」
「それで貴方が留守の間この探偵社はどうされるのですか?」
 ここでヴォネガットが探偵に尋ねた。
「私達と冒険の出るのはええとして」
「そのことは助手のマルカーノ君とブーマー君がしてくれるからな」
「大丈夫ですか」
「これでもアナポリス一の探偵社だ」
 探偵は胸を張って自分達の仕事のことも話した。
「ガードマンやモンスター退治も受け持っている」
「戦闘もしてるんやな」
「全て合法の仕事だ、私は犯罪は嫌いだ」
「裏はしてへんか」
「裏の仕事は儲かるかも知れないが厄介だ」
 関わりを持つと、というのだ。
「だから携わらない」
「最初から避けてるんやな」
「そうだ、それでだが」
「島にやな」
「一緒に来てもらいたい、いいだろうか」
「ほなな」
 ホーソーンが頷いてだった、そのうえで。
 彼とヴォネガットは探偵と共に島に冒険に出ることにした、そしてアナポリスから船ですぐにだった。
 その島に来た、島には小さな村がありホーソーンはその村に入ってヴォネガットと探偵に話をした。
「この村には宿屋や道具屋、神殿もあるし」
「はい、拠点にええですね」
「ここから洞窟や塔に行ってな」
 そうしてとだ、ホーソーンはヴォネガットに応えて話した。
「そうして一つずつ踏破してな」
「そうしてですね」
「踏破していこうな」
「それがいいな」
 探偵はホーソーンの提案に頷いて賛成の意を述べた。
「冒険には拠点があるといいしな」
「それでな」
「ここを拠点にして薬の素を集めていくか」
「そうしよな」
「ではな。だが流石は冒険者だ」
 探偵はホーソーン達の素性には気付かないまま彼を素直に褒めた。
「色々知っているな」
「まあな、今実際に冒険しているしな」
「仕事だけあってだな」
「そう思ってくれたらええ、ほなな」
「うむ、この街を拠点にしてな」
「やっていこうな」
 こう言ってだった、ホーソーン達は村を拠点として島にある三つのダンジョンの探索と求めるものを手に入れることにした。まずは洞窟に向かったが。
 洞窟の中はローパーやスライムといったモンスターが多くいた、それも強力な種類ばかりがだ。
 その彼等を倒しつつだ、ホーソーンは言った。
「これは確かに冒険者一人やと無理や」
「はい、レベル三十程でも」
 そのレベルの冒険者でもとだ、今度はヴォネガットが言った。
「どうも」
「難しいよな」
「職業にもよりますが」
「レベル二十六位だと三人か」
「それ位で行くところでしょうね」
「そんなところやな」
「戦力バランスのいいパーティーで」
「私の職業は義賊だ」
 探偵は自らの職業を話した。
「だから戦闘も出来る、レベルは二十九だ」
「三十位って今言うたけどな」
「ギリギリ足りないな」
「そこそこ以上の強さやが」
「それでもだな」
「確かにこのレベルのダンジョンを一人では行けんな」
「事前に調べてわかったからだ」
 それ故にとだ、探偵も答えた。 
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