英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~
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第12話
~リィン少佐の部屋~
「貴方が…………」
「…………お初にお目にかかります。この身の名前はユリーシャと申します。天使階級は第七位――――”権天使”になります。」
「メンフィル帝国軍リフィア皇女親衛隊所属、リィン・シュバルツァー少佐です。初めまして、ユリーシャさん。自分に用があるとの事ですが、一体どのような要件で自分を訊ねたのでしょうか?」
ユリーシャが自己紹介をした後リィンも自己紹介をして要件を訊ねた。
「それを答える前にもう一度確認しておきたいのですが…………リィン様は二日前の戦い――――他国より侵略してきた”エレボニア帝国”という国の空の部隊を相手に獅子奮迅の活躍で撃破し、更には艦内での戦闘では敵軍の”総大将”を討ち取った事に加えてその侵攻してきたエレボニア帝国という国の内戦の終結の鍵となった事で”英雄”と称されるようになった方ですね?」
「え、ええ。自分には過ぎた称号だと思っていますが…………それが何か?」
ユリーシャの質問にリィンは戸惑いの表情で答えた。
「本日この身はこの身が唯一行う事ができる”英雄”に対する”天使としての役目”を果たす為にリィン様を訊ねました。」
「へ…………”英雄に対する天使としての役目”…………?」
そしてユリーシャの答えにリィンが呆けたその時、何とユリーシャは甲冑や服を脱いで生まれたままの姿になった!
「ちょっ、ユリーシャさん!?突然何を!?」
「壊れた天使であるこの身が唯一行う事ができる”英雄に対する天使としての役目”――――この身を”英雄”である貴方に抱かれる事で、”英雄”である貴方に一時の癒しを感じてもらう為です。――――どうか遠慮なく、私を犯してください。」
「い、いやいやいや!?もっと自分の身を大切にしてください…………!(メサイア、ベルフェゴール、アイドス!一応聞いておくが天使族の女性はみんな、さっきユリーシャさんが言った”役目”があるのか!?)」
(私も天使族の女性は一人しか存じていませんが…………その方はかなり特殊な方で一般的な天使族の方ではありませんから、ユリーシャさんが仰った事は世間一般で言う天使族の役目ではないと私は思うのですが…………)
(うふふ、私は天使族の女性は自分にとっての”主”となる人物や”英雄”にその身を捧げるって話は聞いた事があるから、ユリーシャの言っている事は間違ってはいないわよ?―――そうよね、アイドス♪)
(そこでどうして私に話を振るのかわからないけど…………今、彼女は自分の事を”壊れた天使”と言った事が気になるから、まずはそれを聞いてみてはどうかしら?)
自分に抱かれようとするユリーシャにリィンは必死にユリーシャに思いとどまるように答えながらメサイア達に念話で訊ね、訊ねられたメサイアは困惑の表情で答え、からかいの表情を浮かべたベルフェゴールに話を振られたアイドスは困った表情を浮かべてリィンに提案した。
「(そ、そうだな。)えっと………ユリーシャさん、先程ご自分の事を”壊れた天使”と仰いましたよね?会った事もない男である自分に気高き天使族である貴女が”娼婦”のような事をする事を申し出た理由はその件が関係していると思っているのですが…………まずは一端服を着て、その件について教えてくれませんか?何か御力になれるかもしれません。」
「…………わかりました。」
リィンの提案を聞いたユリーシャは脱いだ服や甲冑を着て自分の事情を説明した。
――――かつて遺跡に封印されていた自分が封印から目覚め、封印から目覚めたユリーシャは遺跡発掘の商人達に連れられて”グラセスタ”という国の王に献上されたが、王はユリーシャを年に一度闘技場で行われるその国にとっての最大の武闘会の優勝者に与えられる”副賞”にされ、その優勝者にしてその大会の優勝賞金によってその国の奴隷身分を表す”隷士”から自由民を表す”抜闘士”に成り上がったジェダル・シュヴァルカに優勝の”副賞”として引き渡された。
ジェダルに引き渡されたユリーシャは自分を”副賞”扱いした王の行動に不満を抱えながらも、主となったジェダルに仕える事を決めて、ジェダルがジェダルにとっての雇い主である”グラセスタ”の有力貴族の一人――――リリカ・ルシティーネと共に”グラセスタ”の地下深くへと広がる大迷宮――――黒の杭の最奥を目指すという目的の為にジェダル達と共に黒の杭に潜む魔物達を撃退しながら探索する事になった。
引き渡された当初から自分にとっての”主”であるジェダルから厄介者扱いされていたユリーシャだったが、戦闘による活躍でジェダルの役に立つ事で天使としての役目を果たそうとしていたが、何とユリーシャは魔法を頻繁に失敗させてしまい、ジェダル達の足を引っ張り続けた。
何故自分が魔法を失敗するようになったのかわからず、苦悩していたユリーシャはついにジェダルから見限られて”娼婦”として”娼館”に売られた。”娼館”に売られたユリーシャは全てを諦めて毎日男に抱かれていたが、ある日突如謎の空間震が起こり、空間震に巻き込まれたユリーシャが気づくとクロスベルの郊外に倒れており、これから自分はどうすればいいのかわからなかったユリーシャがクロスベルを彷徨っていると、臨時に設置されたモニターで”英雄”であるリィンの事について解説されていた為、その解説を聞いたユリーシャは主からも捨てられ、世界からも追放された自分ができる唯一の天使の役目を果たす為にリィンを訊ねた事を説明した。
「…………そんな事が…………」
(ユリーシャがゼムリア大陸に転移させられた理由は恐らく私の件同様因果を操る事ができる”並行世界のキーア”によるもの…………そして”並行世界のキーア”がユリーシャをこの世界に転移させたのは恐らく私のようにユリーシャを救う為でしょうね…………)
ユリーシャの事情を聞き終えたリィンは辛そうな表情でユリーシャを見つめ、アイドスは静かな表情で考え込んでいた。
「ですから、どうかこの身を遠慮なく犯してください…………!それだけが”壊れた天使”であるこの身ができる”天使の役目”なのです…………!」
「ユリーシャさん…………(アイドス、何とかユリーシャさんが”娼婦”になってしまった原因――――再び魔法が使えるようにする方法を知らないか?御伽話等で天使は”神”と主従関係である事はよくある話だから、”女神”であるアイドスなら何か知っていると思うんだが…………)
自分を犯すように嘆願するユリーシャを辛そうな表情で見つめていたリィンはアイドスにある事を訊ねた。
(そうね…………結論から言えば、ユリーシャが再び魔法が使えるようになる手段を私は知っているわ。)
(ほ、本当か!?一体どんな方法だ!?)
(ここではその手段を取るのは難しいから、そうね…………このクロスベルに”星見の塔”という遺跡があるから、まずはその遺跡の屋上に行ってくれないかしら?そこでならユリーシャが魔法を使えるようになる手段が使えると思うわ。”星見の塔”への行き方は私が指示するわ。)
「(”星見の塔”だな?わかった。)―――ユリーシャさん、魔法の件ですが…………自分の知り合いから聞いた話になるのですがユリーシャさんのように魔法が失敗する天使族の方が再び魔法を使えるようになる手段を知っていて、その手段を自分も聞いた事があるのですが、まずはそれを試してみませんか?」
「え………人間族であるリィン様が天使族であるこの身が再び魔法を使える手段を…………?失礼を承知で申し上げますが、正直な所信じられないのですが…………」
アイドスの助言を聞いてそれを実行する為に申し出たリィンの申し出に一瞬呆けたユリーシャは戸惑いの表情で指摘した。
「ハハ、とりあえず騙されたと思って、これから自分と一緒にある場所に同行してくれませんか?もし失敗すれば、ユリーシャさんの希望通り、ユリーシャさんを抱きます。」
「…………わかりました。無駄とは思いますが、リィン様がそこまで言うのでしたら同行致しましょう。」
その後ユリーシャと共に自分の拠点である戦艦を出たリィンはアイドスの言う通りにまずはクロスベルに向かい、その後バスでウルスラ間道にあるバス停まで行き、そこからは徒歩で”星見の塔”へ向かって”星見の塔”に到着してからはユリーシャと共に時折襲い掛かる魔物やゴーレムを撃退しながら屋上に到着し、屋上に到着する頃には夜になって夜空に星々が輝いていた。
同日、PM6:45―――
~星見の塔・屋上~
「……………うん、ちょうど星々が輝く夜になっていて何よりね。」
「あ、あの…………貴女様は一体…………貴女様から感じるこの懐かしい”神気”…………まさか貴女様はこの身の世界の…………!」
屋上に到着すると太刀から現れたアイドスは周囲を見回し、アイドスの登場に驚くと同時にアイドスから感じる”神気”でアイドスの正体を察したユリーシャは信じられない表情でアイドスを見つめ
「ええ、私の名はアイドス。かつての天使達の主であった”古神”の一柱――――”慈悲の大女神”よ。そして今はリィンと共に生き続ける事を決めた女の一人よ。」
「!!」
アイドスの正体を知ると目を見開いた。
「それでアイドス。ここでどうやってユリーシャさんが再び魔法を使えるようになるんだ?」
「簡単な話よ。ユリーシャが私に強く祈る事でユリーシャを”慈悲の大女神”である私――――つまり、改めて”古神”に仕える天使として認められることでユリーシャが再び魔法を使えるようになるわ。」
「へ…………だったら、何でその場ですぐにそうせず、わざわざこんな所まで来たんだ?」
ユリーシャの悩みを解決する方法を知ったリィンは戸惑いの表情で訊ねた。
「リィンにも話した通り私は”オリンポスの星女神”の一柱―――つまり、星々の力を行使する女神だから、何らかの儀式をするには星々が輝く夜空の下で、それもできれば星々に近い場所―――高所の方が都合がいいのよ。」
「ああ…………だから契約の時も夜のオルキスタワーの屋上で待っていたのか…………」
「ア、アイドス様…………!本当にこの身がアイドス様に祈りを捧げればこの身は再び、”天使の誇り”を取り戻せるのですか…………!?」
アイドスの答えを聞いたリィンが納得している中ユリーシャは懇願するような表情を浮かべてアイドスを見つめて問いかけた。
「ええ、貴女の想いが本物なら星々は応えてくれるわ。やり方はわかるかしら?」
「はい…………!」
アイドスの言葉に力強く頷いたユリーシャはアイドスの正面で両手と共に翼を広げて星々が輝く夜空に向かって祈りを捧げた。
「慈悲の大女神アイドスよ!声に応えたまえ!この身に力を!我が主を守り、魔に打ち勝つための力を!」
ユリーシャが祈りを強めるとユリーシャの上空から神秘的な光が降り注ぎ、ユリーシャを包み込んだ。
「慈悲神アイドスよ…………!この身の声に応えよ!!」
「…………ええ、貴女に星々の加護を与えましょう。」
そしてユリーシャの身体を一瞬まばゆい光が包んだ。その光が弾けるとユリーシャは目を見開いた。
「…………成功したのか?」
「ええ、ユリーシャは”慈悲の大女神”である私と”契約”したわ。その証拠を今見せるわ。」
リィンの問いかけに頷いたアイドスは自身の神剣を異空間から取り出した後、指に剣の切っ先を当てて軽く切った。するとアイドスの指から血が出始めた。
「ユリーシャ、治癒魔術を私に。」
「…………失礼します。神よ――――慈愛の光。」
アイドスに命じられたユリーシャは身体を震わせながら治癒魔術を発動した。するとユリーシャの治癒魔術によってアイドスの小さな傷はすぐに収まった。
「魔法が…………成功…………した…………?」
「ええ、まだ疑うのだったら今度は適当な場所に攻撃魔法を撃ってみて。」
「わかりました…………!裁きを―――光焔!!」
更にユリーシャが誰もいない場所に向かって魔術を放つと、ユリーシャが放った攻撃魔術は誰もいない場所で問題なく発動した。
「ハハ、治癒魔術も攻撃魔術も問題なく成功したじゃないか。」
「フフ、それだけじゃないわ。”星女神”である私と契約した事で星々の力を借りた魔術も使えるようになっているわ。」
そしてリィンとアイドスが微笑ましそうに呆然としているユリーシャを見つめて会話をしていたその時
「う…………ぁぁ…………あああああぁぁぁぁぁぁ―――ッ!!」
「ユ、ユリーシャさん!?どうしたんですか!?」
虚ろだった目に力強き意志を示す光を取り戻したユリーシャは突如大声で泣き始め、それを見たリィンは慌てたが
「きっと諦めていながらも心の中では望んでいた事である再び魔法が使える事――――”天使の誇り”を取り戻せた事がよっぽど嬉しかったのでしょうね…………」
「あ…………本当に…………よかったですね…………」
「うああああああああぁぁぁぁぁ…………ッ!」
アイドスの推測を聞くとすぐに納得し、ユリーシャに近づいてユリーシャを優しく抱き締め、抱き締められたユリーシャはリィンの胸の中で泣き続けた。
「…………落ち着きましたか?」
「はい…………」
そして少しの間泣き続けたユリーシャはリィンの言葉に頷いた後リィンから離れた。
「アイドス様…………それにリィン様…………此の度はこの身に”天使の誇り”を取り戻させていただき、本当にありがとうございます…………!貴方方の”慈悲”に心からの感謝を。」
「気にしないでください。俺はたまたまユリーシャさんの悩みを解決できる方法を知っているアイドスが仲間にいたお陰で、ユリーシャさんの悩みを解決できただけですから、感謝をするのだったらアイドスだけに感謝してください。」
「いいえ、リィン様がこの身の為に動くと決心してくだされなければ、この身はずっと”娼婦”として、様々な男達に汚され続ける毎日を送るしかありませんでした。ですから貴方様もこの身にとっての恩人です…………!あの…………アイドス様…………」
謙遜するリィンに対して静かに首を横に振って答えたユリーシャは一瞬リィンに視線を向けた後アイドスを懇願するような表情で見つめ
「フフ、それ以上は言わなくてもわかっているわ。―――今、結界を展開したから頑張ってね、ユリーシャ。」
「!ありがとうございます…………!」
微笑みながら答えた後結界を展開してリィンの太刀に戻ったアイドスに感謝の言葉を述べた。
「え、えっとアイドス?何でここで結界を…………って、まさかとは思うが…………」
(うふふ、さすがに2度も経験すればご主人様も”察する”事ができるみたいね♪)
既に2度も似たような展開を経験したリィンは次に何が起こるかを察して表情を引きつらせ、その様子をベルフェゴールは面白そうに見ていた。
「アイドス様のお陰でこの身は”天使の誇り”を取り戻し、新たな力を得ました。アイドス様を信仰する天使の責務を果たすに当たってどうかリィン様をこの身の新たなる我が主になって頂く―――”守護天使”の契約を結び、この身をリィン様のお側にお置き頂きたいのです…………!」
「”守護天使”…………?」
(”守護天使”とは仕える主を守り、間違った道を進もうとした時に正そうとするから、まあ使い魔の天使版のようなものよ。まあ、天使からしたら一生を添い遂げる相手でもあるわ。)
「ええっ!?ちょ、ちょっと待ってください!ユリーシャさんには元々”主”がいるんじゃ…………!?」
ユリーシャが希望した存在の意味がわからなかったリィンはアイドスの説明を聞くと驚きの表情でユリーシャに問いかけた。
「先程も説明しましたように、気がつけばこの身は何らかの原因によって主がいた世界から追放され、この世界にいました。それに主―――ジェダル様に娼館に娼婦として売られた時点で、この身はジェダル様に仕える身として至らない身である証拠ですから、今のこの身に主は存在しません。」
「あ…………本当に俺でいいんですか?」
ユリーシャの説明を聞いてユリーシャの事情を思い出したリィンは気まずそうな表情をした後、主を失って行く当てのないユリーシャと契約する事を決めてユリーシャに確認した。
「はい…………!貴方は、我が新たなる主として相応しい資質を持っています。貴方の行く末を見守り、導いていくのがこの身の幸せとなりましょう。了承していただけますか?」
「…………ああ、俺でよければ喜んで。」
「ありがとうございます…………!それでは早速始めさせて頂きます。ん…………」
リィンの了承を知ったユリーシャは嬉しそうに微笑んだ後、リィンの唇に口づけをして甲冑や服を脱いで生まれたままの姿になった後リィンと”守護天使”の契約を交わし、リィンの”守護天使”となり、また”守護天使”となった事でユリーシャは天使階級第六位――――能天使に昇格した!
PM7:50――――
「…………不思議です。今まで数多くの男達に犯された事で男に抱かれる事は内心嫌悪を感じていましたが、我が主でしたらいつでも、いくらでも犯されてあわよくば主の子を孕みたいという感情が芽生えています。これも”守護天使”の契約を結んだ影響でしょうか…………?」
契約を終えて互いに脱いだ服等を着終えたユリーシャは幸せそうな表情を浮かべてリィンにもたれかかって呟き
「い、いや…………さすがにそれは違うんじゃあ…………えっと………今更だけど、本当に俺でよかったのか?」
ユリーシャの言葉を聞いたリィンは冷や汗をかいた後苦笑しながら指摘した後ユリーシャにある事を訊ねた。
「?どういう意味でしょうか?」
「俺にはアイドスの他にも5人もの女性達と将来を共にする事を決めている。普通に考えれば女性が複数の女性を侍らせている男である俺の新たな伴侶になる事は嫌がると思うんだが…………」
「フフ、”英雄色を好む”という諺がありますよ?現に今までの歴史では”英雄”や”王”達が多くの女性達を侍らせて多くの子孫を残しています。そして我が主は既に”英雄”と呼ばれ、今後の戦いでも更に飛躍するおつもりで、更にはこの身がお仕えし女神たるアイドス様に寵愛を受ける事が許されている特別な人物。そんな主とアイドス様共々一生を添い遂げ、いつか主の子を孕ませてもらえるなんて、天使であるこの身にとってはこの上なく幸福でありますよ。」
「え、え~と…………一応光栄と思うべきなのか…………?」
幸せそうな表情で微笑んだユリーシャの言葉に冷や汗をかいたリィンが苦笑しながら答えたその時
「―――そうですね。天使族の方にそこまで想いを寄せてもらえるなんてある意味光栄と思うべきでしょうね。―――最も”女神”であるアイドス様や”魔神”であるベルフェゴール様に想いを寄せられている兄様にとっては”今更”かもしれませんが。」
「え”。」
エリゼの声が聞こえ、その声を聞いたリィンが表情を引きつらせるとエリゼ、エリス、セレーネ、ステラ、フォルデ、アルティナ、更にロイド、エリィ、ティオ、ランディ、ノエル、ユウナがリィンに近づいてきた。
「エ、エリゼ!?それにエリス達やロイド達まで何でここに…………!?」
「…………兄様が兄様を訊ねたという天使の方と共に艦を出て夕方になっても帰ってきませんでしたから、気になって兄様たちを探していたんです。」
自分達の登場に驚いているリィンにエリスがジト目でリィンとユリーシャを見つめながら答え
「え、えっと………俺達はリィンを探して欲しいというエリゼさん達からの緊急支援要請を受けてエリゼさん達と共に君達の行方を探ってここに来たんだが…………」
「…………どうやらリィンさんもロイドのように女性の天使の方と”そういう関係”を結んだみたいね。」
「しかも幾ら滅多に人がこない場所とはいえ、外で”する”なんて何を考えているんですか…………」
「…………やはりリィン少佐は不埒ですね。」
「ええっ!?ロイド先輩が女性の天使とそういう関係を結んだって………!まさか相手はルファディエル警視ですか!?」
「エ、エリィさん…………何気にロイドさんにまで誘爆していますよ、その発言…………」
ロイドは気まずそうな表情で答え、エリィとティオ、アルティナはジト目でリィンを見つめながら呟き、エリィの話を聞いてある事実に気づいて顔を真っ赤にし始めたユウナを見たノエルは苦笑した。
「こっの兄貴族が…………っ!あんだけ色々なジャンルの綺麗所を侍らせておいて天使――――それも巨乳天使なんていうレア過ぎるジャンルの女の子まで侍らせるとか、マジでロイドクラスのリア充野郎じゃねぇか!?いや、その調子だと下手すればリア充皇帝やセリカの野郎クラスの超リア充野郎になるんじゃねぇのか!?」
「ハハハハハハハッ!いや~、さすが魔神や女神を侍らすリィンだけあって、お堅いイメージがある天使もハーレム要員にするのも楽勝ってか♪」
「お兄様の事ですから、恐らくその天使の方関連でここに来たのでしょうけど…………それならば、どうして私達にも声をかけてくれないのですか…………?」
「フウ………事情はまだ把握していませんが、リィンさん。もし”Ⅶ組”の方達と会う事があっても、ベルフェゴール様達とリィンさんの関係やそうなった経緯は教えない方がいいと思いますよ?」
ランディは悔しそうな表情でリィンを睨み、フォルデは腹を抱えて笑った後からかいの表情を浮かべ、セレーネとステラは疲れた表情で指摘した。
「…………とりあえず。まずはそちらの天使族の方の紹介をして頂きましょうか~?」
「それと、そちらの天使族の方とまで”私達と同じ関係”になった詳細な説明もして頂きますからね~?」
「はい…………」
そしてそれぞれ膨大な威圧を纏って微笑むエリスとエリゼに微笑まれたリィンは疲れた表情で肩を落として答えた。
こうして…………”天使の誇り”を取り戻して天使として復活したユリーシャは新たなる主であるリィンに仕える事になり…………リィンもまた、ベルフェゴール、アイドスに続く心強き仲間を手に入れた―――!
後書き
という訳でリィン側の初めての天使枠であるユリーシャがリィンの使い魔(?)キャラの一人&昇格しました!勿論原作にあったマイナススキルは消滅した上、この物語のオリジナル設定としてサティアやアイドスのように星の力を借りた魔術も扱えるようになった上エニグマまで使えますので原作よりも強さが明らかにブースト化されています♪なお、ユリーシャが過去を話すときのBGMはグラセスタの”知られざる過去の記憶”、ユリーシャが”守護天使”になってからのBGMはグラセスタのOPの歌がないVERだと思ってください♪なお、シルフェニアの18禁版にアイドス、ユリーシャの話を更新しておきましたので、興味がある方はそちらもどうぞ。
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