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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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別世界より②

<ラインハット>

ラインハット謁見の間に、特使として訪れたティミーが傅いている。
「おいティミー!そんな他人行儀に畏まるなよ!」
「いえ、そう言うわけには参りません。私はグランバニアの特使として参りましたので…」
相変わらずバカ真面目である。

「アンタそんなんだから彼女が出来ないのよ!もう少し柔らかくなりなさいよ。男が堅いのは一部分だけでいいのよ!」
《この女のこう言う所が嫌いだ!公式の場という事を理解してるのか!?》
イラつきポピーを睨むティミー。
楽しそうに微笑むポピー。
この二人は双子の兄妹である!これでも…

「まぁまぁ…それでティミー君、どのような用件でいらしたのです?」
国王のデールが場をまとめる。



「相変わらずトラブルに巻き込まれる男だな…」
ヘンリーが笑いながら感想を述べる。

「ヘンリー様!笑い事ではございません!我が国は現在、国内に敵が多数存在します。ラインハットのご助力が無ければ、我がグランバニアは窮地に陥ります」
「貴族から税金を取るからだ。貴族ってのは気位だけは高いからな」
ヘンリーの笑いは止まらない。

「ぶっ殺しちゃえばよかったのよ!挙兵した時に…」
ポピーが笑顔で物騒な事を言う。
「まぁ…そう言うわけにもいかなかったのだろう…」
さすがに引くヘンリー…

「(ゴホン)分かりました。我がラインハットは可能な限りグランバニアをご支援致します」
デールの力強い言葉に、ひとまずは安堵するティミー…
そして表情を切り替え、もう一つの難題に立ち向かう覚悟を決める!
「さて…ラインハットのご協力を得た所で、ポピーに頼みがあるのだが!」
ティミーの言葉にポピーの瞳が輝く!

「何?何??何???愛しのお兄様が私にお願いって?『童貞捨てたいから(あな)かせ』とか言っちゃう!?やだ、ちょ~楽しみ!!」
イライラするティミー、ワクワクするポピー。

拳を握り締め、怒りを我慢しつつ話を続ける。
「父さんを助け出すのに、協力をしてほしいんだ!」
少しキレ気味のティミー。

「あ゛!?何言ってんの?わざわざ改まって言う事?言われなくても協力するつもりよ私!この後サンタローズへ行くんでしょ!?そしてマーサお祖母様と一緒にグランバニアに戻るんでしょ!?私はそのつもりよ」
完全にキレるポピー。
「あ…あぁ、よろしくお願いしたい…」

「あのねぇティミー…アンタだけのお父さんじゃないのよ。私にとっても大切なお父さんなのよ!」
「うん。ごめんね…じゃぁ、早速サンタローズへ行こう!」
少し自分の妹を侮っていた事に、反省する…
「ちょっと待って!着替えてくるから!…あ!私の着替え…見たい?」

「本気でどうでもいいから、早くしてくれ!」
やはりポピーはポピーだ…
ティミーはもう一人のトラブルメーカーと共に、サンタローズへと向かう…胃に穴が空く思いをしながら。


<サンタローズ>

「あらティミー君、いらっしゃい。残念ながらリュリュは出かけてるわよ」
ティミーとポピーはサンタローズに着くなり、シスター・フレアに出会いリュリュ不在を聞かされる。
「残念ねぇ~ティミー!もう帰る?」
《コイツ、弟だったら絶対殴ってるのに!》

「今日はマーサ様に用がありまして…ご在宅ですか?」
「えぇ、マーサ様なら…」
ティミーはシスター・フレアと別れ、サンチョ夫妻と共に暮らす祖母の元へ赴く。

「ティミー様、ポピー様!お久しぶりです。………ティミー様…リュリュちゃんならご不在ですよ?」
サンチョがティミーの来村を不思議そうにしている。
「何で僕がサンタローズへ来ると、リュリュ目当てと思われるの!?」
「事実だからでしょ!」
ティミーの憤慨に爆笑しながら答えるポピー…

「あら?ティミー、ポピー…いらっしゃい。………でもリュリュちゃんは今村に居ないのよ…」
そこに2階から下りてきたマーサも、リュリュ不在を伝える。
「………いえ、今日はマーサ様に用がありまして…」
腹を抱えて笑うポピーを横目に、マーサに話しかけるティミー。

「まぁ、私に…何かしら…リュカの行動なら止められませんよ」
実の母親にこんな事を言わせるとは…
「実は…」



「あの子は飽きの来ない人生をおくってますね…」
これまでの状況を聞いたマーサは呆れるばかり…

「それで私の異界へのゲートを開ける力が必要と…しかし、私の力は魔界の門を開ける力…今回役に立つかどうか…」
困り顔で答えるマーサ。

「父さんが言ってました!『行動する前に諦めるのは愚か者だ』と…ともかくグランバニアへ来て頂けませんか?あの不思議な本を調べれば、何か分かるかもしれません」
「行動する前に諦めるのは愚か者ですか…良い言葉ですね」
「お祖母様。お父さんは女性を口説く時に、その言葉をよく使ってましたわ。『口説くだけ口説いて断られたら、諦めればいい。行動する前に諦めるのは愚か者だ』って♥」
「なるほど…あの子らしいですね…」

「因みにティミーは、行動する前に諦めるのは愚か者よ。口説こうともしない!」
ポピーの言葉に辟易しているティミーが答える。
「リュリュは妹だ!口説く気は無い!当たり前だろ!」
「あらあら…別にリュリュの事ではないのですが…やっぱり忘れられないんでしょ?」

「こら、ポピー!ティミーが可哀想でしょ!あんまりからかわないの!」
「は~い。ところでリュリュは何処へ行ったの?」
ティミーも行方が気になる様で、マーサの答えを待っている。

「確か…リュカに教わって、ルラフェンって町に行ったみたい…何か特殊な魔法を憶える為だって…」
「特殊な魔法…?何かしらね!?」
「父さんは色んな事知ってるなぁ…ルラフェンかぁ…どんな所だろ?」
「………さぁ、こうしてても始まらないわよ!グランバニアへ行きましょう。困った息子を連れ戻す為に!」
ティミーはポピーとマーサを連れ、ポピーのルーラでグランバニアへと戻る。
リュリュに会えなかった事を、非常に残念に思いながら…



 
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