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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二百八話

 
前書き
唐突な弾視点。 

 
食後、ローテーションで入浴だ。

「だん!ふろはいろうぜ!」

「おっと…。そうだな」

俺よりも50センチほど小さい子供が、腰に抱きついていた。

「五反田ぁ。子守りたのむぞー」

「任せとけ」

「こどもじゃねーし!」

こいつは俺達と同じノリのつもりなんだろうが、身長のせいで大人ぶってる子供にしか見えねぇんだよなぁ…

今のだって、肩を組む代わりだろうし。

あ、そうだ忘れてた…

スマホを取りだし、あるグループを開く。

『これより護衛対象と入浴する』

直ぐに返信が来た。

『アルファ了解。隊長はぜろ』

『ベータ了解。隊長消えろ』

『ガンマ了解。隊長そこ代われ』

『お前らが鼻血噴かない自信があるならいいぞ』

『むり』

『愛が溢れちまう』

『隊長の愛が溢れないのが不思議』

要するに、一夏の親衛隊のグループだ。

こっちは男子だけで、近衛隊は箒ちゃんが仕切る女子グループだ。

「どーしたんだだん?」

「ああ、蘭からだ」

『では行ってくる』

『行ってらっしゃい隊長』

スマホをポケットに入れて、風呂場へ。

脱衣場につくと、一夏は恥じる事なく服を脱いだ。

うん…前々から思ってたけど…

「デカイな…お前の」

「んゆぅ?」

マジでデカイ。起ってないのに…

身長との比率なら世界一位じゃね? ってくらいデカイ。

あと義肢がエロい。

痛ましいじゃなくてエロい。

こいつの神秘性をあげていると言ってもいい。

あと胸がエロい。

男なのに。

言及はしないがエロい。

静まれ俺の息子っ‼

「どーした?」

「いやなんでもねぇよ」

風呂場へ行き、体を流す。

風呂椅子に座り、体と髪を洗う。

あぁ…うん…一夏の髪…綺麗だな…
だが男だ。

肌、白いなぁ…

だが男だ。

顔、可愛いよな…

だが男だ。

あぁ…くそっ…

「どうしたんだよ?さっきからへんだぞおまえ?」

一夏がこっちを向いて、コテンと首を傾げる。

「いや…なんでもないよ…」

そう言えば、吸血鬼になったって言ってたな。

チャームってヤツかな…

丁寧に髪を洗ってる一夏の姿にすげぇドキドキする。

一夏を見つめていると、何時の間にやら髪を洗い終えていたらしい。

「べつにまっててくれなくてもよかったんだぞ?
つーかさむくないのか?」

「寒くねーよ」

むしろ熱い。心臓は早鐘を打っている。
きっと顔は赤いだろう。

湯船に浸かると隣にぴったり一夏がくっついていた。

ただし、身長のせいか、一段高くなっている所に座っていた。

「そや!」

一夏が俺の腹をつついていた。

「なんだよ」

「んやー。いいからだしてるよなぁおまえ。
せもたかいし…なんでおまえかのじょいないの?」

彼女かぁ…

目の前の男を見る。

艶のある黒髪。

艶かしい鎖骨のライン。

白い肌。

ぷるんとしたピンクの唇。

つぶらな瞳。

その上家事万能。

腕っぷしも強いうえ、頭もいい。

こんなヤツが近くに居たならば。

そこいらの女子なんて、霞んで見えてしまう。

「彼女が居ないんじゃなくて、作ってないの」

「なんでー?」

お前といる時間が減ってしまうからだ、なんて言えないよな…

「こう、ドキッとする女子が居ないんだよ」

「へー」

すると一夏がニヤっと笑った。

そのしたり顔のような笑みも、顔立ちの幼さ故に、邪悪さを演出できていない。

"童貞"ではないと仄めかしてはいたが、この顔を見るとどうも信用できない。

「じゃぁ、おれはどうだ?」

「はぁ?」

「みとめるのはしゃくだが、おれはせけんいっぱんでいう『かわいい』かおだちらしいぞ」

こいつは何を言っている?誘ってるのか?

いや落ち着け俺。どうせいつもの悪ふざけだ。

オナホの内側にデスソース塗ったくって渡すような悪戯小僧だぞ。

「ほれほれー。どうなんだー?」

今度は足の指で頬をつつかれる。

足の早い草食動物のような、無駄な肉の一切ない足だ。

身長の割には長く、産毛もはえていない、本当に男かと疑いたくなるような脚。

「え?なんでだまってんの?ずぼし?」

「だとしたら?」

「ふぇ?」

思わず一夏の肩を掴んで、押し倒してしまった。

「なぁ、誘ってんのかよお前」

あぁ、俺は何をしているんだろうか。

「お、おいだん。じょうだんきついぜ」

「冗談でこんな事するかよ」

やめろ。放せよ俺。

「お前さ、さっきあんなこと言ってたけど、自分の容姿自覚してねぇだろ」

一夏は賢いヤツだ。本当に自覚しているなら、あんなセリフは吐くまい。

「一夏。俺が彼女できねぇのお前のせいだぞ」

「ふぇー?」

可愛いなオイ。

「お前みたいな完璧な美少女が近くに居たら、女子連中が霞んで見える」

唯一並ぶのは箒ちゃんくらいだろうか。

でも箒ちゃんは、一夏のものだから。

「なぁ、一夏」

「なんだ?」

「嫌なら、殴るなり蹴るなりしてくれ」

どうか拒絶してくれ。

矛盾した気持ちで、一夏にキスを『した』。

「なんで、嫌がらないんだ?」

唇を放して、一夏に尋ねる。

「んー?おまえなら、いいかなって」

一夏は、ニパッと笑っていた。

「いいわけ…ないだろうが…
お前、あのとき御手洗のこと嫌がってたじゃん」

「そりゃ、あいつのことよくしらないもん。
でも、おまえは、『五反田弾』は、おれのいやがることをむりやりするやつじゃないだろ?」

あぁ…お前は、俺をそんなにも信用してくれてたのか…

それを、こんなケダモノのように踏みにじってしまった…

一夏の細い手が、俺の頬を撫でる。

「おまえこそいいのかよ?おれはてんせいしゃだ。
なかみはさんじゅっさいだぞ?」

「中身が三十なら前世は十六。社会に出てないなら、子供でいいだろ」

それに、お前が30でもこの気持ちは変わらねぇ。

「だん」

一夏の手が、俺の顔を引き寄せた。

咄嗟の事で驚いていると、口の中にヌルリとした物が入ってきた。

目の前に、一夏の瞳がある。

どんな宝石よりも美しく、穢れを寄せ付けない輝きを放つ瞳。

キスをされていると気づいた時には、口の中を蹂躙されていた。

息が出来ない。

体が動かない。

永遠のような、一瞬のような時間。

それが過ぎ去り、一夏が唇を放した。

「やられっぱなしはしょうにあわない」

今まで見たことのない、一夏の顔だった。

その顔を見ていると、奥底から何かが込み上げてくる。

「ん?」

と一夏が声をあげた。

「だん。あたってる」

当たってる………?

「!?」

「うぶいなー。おまえ。きすだけだぞ?」

ヤバい!超はずかしい!

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

咄嗟に飛び退き、脱衣場へ走った。

途中転んだような気がしたが、とにかく走った。

パンツを履いて、旅館の甚平を着て、荷物を持って、脱衣場から出る。

がらららら!と引戸を閉めて、戸によりかかる。

「はぁ…はぁ…」

恥ずかしい…!

「五反田」

「!?」

声をかけられ、顔をあげると箒ちゃんがいた。

「一夏の唇はどうだった?」

「なんで知ってんの!?」

「式神が教えてくれた」

マジかよ…嘘だろおい…

「五反田。一夏が嫌がっていないなら、私は何も言わない。
いや、むしろお前にも一夏を繋ぎ止める鎖になってほしい」

鎖…? 一夏を繋ぎ止める…?

いや、まて、その前に…

「箒ちゃんは、いいのか?」

「ああ、いいとも。
一夏が好きなら、落とそうとしても構わん。
話はそれだけだ」

箒ちゃんが俺の襟を掴んで放り投げた。

「ぎゃぱっ!?」

「ああ、大切な事をいい忘れていた」

なんだろうか。

「一夏の後ろの処女は既に私が貰っている。
すまんな五反田」

へぇ…後ろの………………処女?

「待って箒ちゃん!詳しく!」

「断る」

箒ちゃんは脱衣場のドアを開けて中へ入っていった。

「いや…そこ男湯」




部屋に戻ると、皆が布団を敷いている最中だった。

「あれ?織斑は?」

「一夏ならまだ風呂だよ」

自分の分と一夏の分を敷く。

「くく…やっぱお前って織斑の兄ちゃんだな」

「何がだよ」

「言われなくたって織斑の分敷いてるじゃん。
それもちゃっかり自分の布団の隣にさ」

言われて気づいたが、無意識だったな…

「ブラコン」

「やめてくれ。あんな出来すぎた弟を持った覚えねぇよ」

ふと先の一夏の貌が思い出された。

っと…いかんいかん。

全ての布団を敷き終えると、男子会が始まった。

「では!好きな女子ランキングを開催する!」

「わー。どんどんぱふぱふー」

ノリいいなこいつら。

「これからルーズリーフ回すから好きな女子の名前書いてけ。被ったら正の字な」

とルーズリーフが回され、俺の番になった。

トップ3が一夏、箒ちゃん、鈴なのはご愛嬌だろうか。

居なくなったとはいえ、鈴の人気すごいな。

ていうか案の定一夏がトップかよ。

ヤベェなこの学校。

まぁ、俺も一夏に一票なんだけどな。

そして言い出しっぺの元にルーズリーフが戻った。

「おー。案の定織斑が一位か」

「納得だな。アイツ警戒心ないからなぁ。
体育終わりとかさぁ!」

「ギルティ」

「ギルティ」

「「「「「ギルティ!」」」」」

「Oh! No!」

「姫侍に報告な」

「やめてくださいしんでしまいます!」

姫侍ってのは箒ちゃんのあだ名だ。

ついでに一夏は姫巫女。

例の巫女神楽が何処かから漏れたらしい。

「でぇ。二位はその姫侍で三位が鈴姫(すずひめ)か」

「だれだー? 姫巫女の恋人と愛人に票入れた命知らずはー?」

「はははは。だれだろうなー」

「貴様かっ!?」

「そういう貴様は里の者かっ!?」

「貴様山だなっ!?」

「「覚悟ぉ!」」

めんどくさ…

「他所でやれ!」

茸筍紛争を起こそうとしたアホどもを拳で沈めた。

「五反田。お前この結果どう思うよ?」

「ん?」

結果についてか?

「親衛隊が忙しくなりそうだ」

「そういう五反田は?」

「無論一夏に入れたぞ」

「「「「「ギルティ!」」」」」

「残念。俺が処刑人のトップだ」

「「「「「ちくしょうめ!」」」」」

正確には俺と箒ちゃんが、だな。

そういえば箒ちゃんが脱衣場に入っていったって事は混浴って事だろ?

で、あの二人の事だし今頃にゃんにゃんしてるのか…

そう言えばアルファ、ベータ、ガンマはどうなったんだろうか。

スマホを取りだしラインを開くと…

『こちらアルファ!救援もy』

『こちらベータ姫侍が!』

『こちらガンマ!狐耳のロリが!』

あら…殺られちまったようだな。

時刻表示から察するにアルファから順にやられたか。

しかも狐耳のロリって事は稲荷ちゃんか…

「どうした五反田?」

「ん?ちょっと部下がやられただけだ。
だがアイツらも本望だろう」

「ふぁ!?親衛隊がやられたのか!?」

「相手は誰だ!?御手洗じゃないよな!? アイツいまオーストラリアだぞ!?」

「姫侍だ」

「「「「「納得」」」」」

「くっ…おかしいヤツを亡くした…」

惜しいヤツね。

「俺が脱衣場から出ると同時に箒ちゃんが入っていったからな。今頃混浴中だぜ」

「あ!風呂場に忘れ物!」

「俺も俺も!」

ほとんどの奴…というか俺とルーズリーフを持っているヤツ以外全員が風呂場へ向かった。

「五反田」

「どうした?」

「何人戻って来れるか賭けようぜ」

はぁ?そんなの0人にきまってるだろうが。

「ゼロ」

「ゼロ」

「やめだ。賭けになんねぇ」

なる訳ないだろ。

どうせ鬼門遁甲とか認識阻害術式とかで不可侵領域作ってるだろうしな。

途中で先生に見つかるのがオチだろ。

「五反田…寝るか」

「そうだな」

布団に入って、電気を消す。




少しして、スッと引戸が開けられた。

教員の見回りかな? と思ったら足音が近づいてくる。

「なんだ。一夏か」

「みゅー…あー…。だーん…」

一夏はこっちへ歩いてきて…俺の布団に入った。

「は?」

何故かベビードールを着ている。

裾から出ている尻尾が可愛い。

「だんー…きいてくれよぉー…ほーきがにゃー…まじでにゃー…さきゅばすなんだにゃー…もうげんかい…ねる…」

えーと…つまりアレか?さっきまで箒ちゃんに文字通り搾られてたのか?

一夏にギュッと抱きつかれる。

尻尾が手にシュルリと巻き付く。

「マジかよ…」

うわ…なんかすげぇいい匂いするんだけど。

まじかよコイツ男だろ…?

結局、俺が眠りについたのは空が白んだ頃だった。

なおクラスの奴らは方向感覚を狂わされ、女子部屋のある方角へ向かわされた挙げ句教員に見つかったらしい。

一晩中正座だったとか。

「みぁー…だんー…」

「起きたか?一夏?」

「あー…だんだー…」

寝ぼけてるし…

「おきろー。おそっちまうぞ?」

お?目が覚めたかな?

「やれるものならやってみろへたれ」

その言葉は俺の心臓を抉るのに十分な物だった。
 
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