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レーヴァティン

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第百四話 半島統一その十

 南の王国の優れた者達を登用してだ、さらにだった。
 北の諸都市の人材も探しはじめた、それでだった。
 久志はあらためてだ、仲間達にこう言った。
「とにかく優れた人材をな」
「出来るだけ多くだな」
「登用してな」
 そうしてというのだ。
「文武の人材を揃えるか」
「そして北からもだな」
 正はその久志に応えた。
「人材を入れていくな」
「ああ、どんどんな」
「ではな」
「さて」
 久志はさらに言った。
「ここで大事なのはな」
「適材適所だ」
「それだよ」
 こう正に告げた。
「本当にな」
「ではだな」
「一人一人な」
 まさにというのだ。
「選んでいくか、あとな」
「あと。何だ」
「いや、科挙とかあっただろ」
 久志は正に中国であった官吏採用試験の話をした。
「あれと武挙な」
「武官の試験もか」
「両方共入れるか」
「そうだな、科挙も武挙もいい」
 両方共とだ、正も賛成の意を述べた。
「優れた人材が集まるしだ」
「それにだよな」
「そうだ、科挙が元々出来た理由だが」
「優れた人材を登用するだけじゃなかったな」
「貴族の専横を抑える意味もあった」
 これも狙いであったのだ。
「それまでは中国でも豪族から中央に出て来た貴族が強かった」
「そうだよな」
 後漢の頃から六朝即ち魏晋そして南朝の四代の王朝がそうであった、貴族達の力が強く皇帝の権限は弱かったのだ。これに九品官人法も拍車をかけた。
「それは」
「実際にこの制度が確立するとだ」
「貴族が弱くなっていったな」
 これは特に宋代以降だ、科挙に殿試という最終段階皇帝自らが行うそれまで導入されてそうなったのだ。
「そうだったな」
「そうだ、そう考えるとだ」
「科挙と武挙はいいか」
「文武の人材の採用試験の導入はな」
「じゃあそれ入れるか」
「そうするといい」
「じゃあ導入するな、それでな」
 久志はさらに話した。
「さしあたってはな」
「北部の諸都市やシチリア等島々からもだな」
「それこそ半島全体からな」
「優れた人材を集めるか」
「これはっていう奴をどんどんな」
 それこそというのだった。
「身分に関わらずな」
「そうしていくか」
「ああ、じゃあな」
 それでとだ、久志は言ってだった。
 南の王国からだけでなくヴェネツィアやミラノ等北部の諸都市やシチリア等島々からこれはという人材をローマに呼んでだった。
 そうしてそのうえで彼等と直接会って登用していった、するとだった。
 重要なポストは全て埋まった、ここで彼は仲間達に言った。
「お前等が宰相格、元帥でな」
「集めた人材がでござるな」
「大臣、将軍でな」
「そしてその下の者達でござるな」
「結局頭だけだとな」
 進太に言うのだった、十三人で夕食を食べながら。 
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