女神と星座の導きによりて
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星2つ 十二宮
「(なんか【聖域】っぽい所にキター!)」
先ほど出会ったばかりの二人に恐らく【テレポート】で、【聖域】と思わしき長い階段で繋がっている白い神殿がある丘?山?に着いた。
ギリシア神話から出てきたかの様な美しさに口を開けてポカーンと建物や、その奥にそびえ立つアテナ神像を見つめていると。
「真名、こちらだ。付いてきてくれるか?」
「へ?えっと、はい!」
いきなり【聖域】に連れてこられるとは一体?っと疑問に思いながら二人の後を付いていく。
神殿(多分、あそこは十二宮)の方へ足が進む。なんていうかとても嫌な予感がしたので聞いてみる事にする。
「あ、あの!」
「ん?なんだい?」
なんだい?じゃねーです。っと言いたい所だが、そこはグッと我慢。
「私は何処に連れていかれるのでしょう?」
「君には是非会ってもらいたい人がいるんだよ、大丈夫。とてもお優しい御方だからね」
「(間違ってなければ今のこの二人の立場は、恐らく黄金聖闘士候補!そしてその二人が敬う言い方で人を指すなら師匠となる人か、【教皇】様のハズ!)」
私、今ものすっごく挙動不審になってると思います。
だって!今の教皇様ってシオン様ですよね!?下手な事するつもりはないけど、すんごく緊張するんですが!?あれですよね。下っ端の平社員がいきなり内容を知らされずにいきなり会社の副社長(社長はアテナ)に会う羽目になる感じですよね!?本当に怖いんですが!?
……あれ、私、聖域関係者じゃないから関係なくないです?でも、これから会いに行く事になってるから、まさか……?
「あ、あの、もしかして、あそこの上にある神殿に行くんですか?」
「ああ、そうだよ。あそこの名は【黄金十二宮】。君は黄道十二宮を知っているかな?」
「はい、十二の星座の事ですよね。」
「お!幼いのに中々博識だな。」
「へ?おさない……?」
アイオロスさんにそう言われ、この世界に来て?から初めて両手を見てみる。すると、自分の手が随分と小さく、周りを見渡せば自分が縮んでいる事に気が付きました。……は?
「なんとぉー!!?」
「うおっ!?」
ええー!?目線が低いと思ったら、まさか縮んでるとかー!!
コ〇ン君的状況!?真実はいつも一つ!?
驚き!桃の木!山椒の木ですよぉー!!
「もれなくSANチェックですー!」
「さん?」
「ちぇっく?何かチェックしないといけない事でもあるのか?」
「落とし物でもしたのか?」っと心配げに見つめてくる二人の視線。
「あ!いえ、何でもないです。はい」
落とし物なんてしてないですよー。っと手の平を振ってみると「そうか」っと言って前へ向き直る時にサガさんが「何かあったら言いなさい」っと輝かんばかりの笑顔で言ってきました。うーわー、笑顔が美しっ!マジっぱないっす、サガさん。一体、貴方いくつですか?
……ん?本当に今、この二人っていくつです!?そして今、原作前なのはわかるけど、時系列はいつ頃!?
「えっと、いきなりですけど、お二人は今いくつなんですか?」
「ん?本当に突然だな」
「わたしは8つになる。アイオロスは7つだな。」
「そう!それにわたしには弟がいるんだ!可愛いぞ!名はアイオリアという」
なんか無理矢理ではありますが、すっごく聞いてほしかったみたいで、誇らしくて嬉しいのか、とても良い笑顔で語るアイオロスさん。すっごく輝いてますねー。
それを見て「仕方ないな」っといった感じに苦笑するサガさん。
きっと可愛くて可愛くて仕方がないのでしょう。わかる。赤ちゃんって可愛いですよね。早くに結婚して子供が産まれた友人の旦那さんはすっごいデレッデレでしたからね。それもわかる!可愛いは正義なのだー。
「そういう真名はいくつなんだ?」
「え”?」
ああ!そーですよね!聞いたら聞き返されますよね!それりゃそうですね!あはははは!
って、笑ってる場合じゃねーです!本当に今って何歳頃の自分なんでしょう!?せめて鏡ー!鏡はありませんかー!?
そう私がオロオロしていると
「3つか、4つに見えるが、はっきり喋っているし意思もある。東洋人は見た目がわたし達より幼いと聞く。もしかしたら6つ,7つ位なのではないかな?」
「あ!はい!5つです!(多分)5つ位ですよ!(恐らく)」
サガさんナイスフォロー!後で改めて鏡があったら見せてもらいましょう!
覚えている限りだときっと5歳だったと思うから。……多分。
「ふふっ、そうか。……っと、着いた。さて、ここからさらに長いぞ。此処が【黄金十二宮】だ」
遠くから見てもすごく神々しいのに間近で見るとさらに輝いて見えます。此処が【十二宮】……。星矢達がアテナの為に上り、黄金聖闘士と死闘を繰り広げる場所。
そんな場所に何故私が、教皇シオン様に会ってどうするのか。
果たしてどうなるのか謎です……。
私が「むむむむむー」っと唸りながら頭を悩ませていると、突然サガさんが抱き上げてきた。
「ふわぁ……!」
「此処からは本当に長い。今日位は楽をしてもいいだろう」
うおおおおおおおおお!!
美しいですな!幼い感じがありつつ(実際8歳の少年だけど!)、美しい顔がこんなにも近いぃぃぃぃ!!
私が思わず「ひゃわぁー」っと悲鳴(?)を上げていると
「もしかしたら慣れないと、いけなくなるかもしれないからな」
アイオロスさんが私からだと聞こえにくかったが辛うじて聞こえた内容。
え?何?慣れって。
「では、行くぞ」
そういうとサガさんとアイオロスさんは階段を上り始めた。
階段を上り始めてから通過していく宮殿の説明をしてくれる。
一番最初が白羊宮、牡羊座の守護する宮、次が金牛宮、牡牛座の守護する宮……。ここまで誰とも会っていない。いや、女官さんには何人か出会っているが、(そういえば居るんだっけ、女官さん)黄金聖闘士には会っていないだけである。……年少組の前の黄金聖闘士はどこにいるんでしょう?
双児宮、双子座の守護する宮を通り過ぎようかという時に視線を感じた。
ふと出口の端っこにある柱に目を向けた瞬間、淡い青の髪が見えた気がした。
あの子はもしかしてカノンさんかな?
そういえば、サガさんの髪の色は青紫っぽいのでアニメカラーなのかな?と思い、ジッと見つめました。
「どうかしたのかな?」
「いいえ、なんでもないです」
サガさんが私の視線に気が付き、首を傾げる。
うあああああああああ!!
あざとい!美少年の首傾げ、あざとい……。
そんな事を頭の片隅に追いやって続いて巨蟹宮、蟹座の守護する宮、獅子宮、獅子座の守護する宮、処女宮、乙女座の守護する宮……次々に進んで行く。
沢山続くので省略しますが、やっとの事で今、最後の宮殿、双魚宮、魚座の守護する宮に着きました。二人とも息切れしないとか、すごいです。サガさんは私を抱えてくれているのに驚きです。……しかし、此処まで来ましたが、黄金聖闘士には会わなかったですね。
やはりというか、なんていうか、アイオリアが産まれている事から、恐らくこれから現れるのだろう。
そんな感じで考え込んでいたら、歩いていたサガさんとアイオロスさんが立ち止まる。一体どうかしたのかと正面を見ると
「魚座の聖衣……」
そう、双魚宮の真ん中を通ていると魚座の聖衣が黄金のオーラを纏い、行く手を阻むかの様に輝いていました。
「勝手にパンドラボックスから出ているとは……。そして聖衣のこの反応。やはり、この子は!」
サガさんはそう言うと私を下ろし、軽く背中を押し、聖衣に近づけさせる。
すると輝きは増して……まるで私と会いたかったと言っている様に感じました。
「おお、この反応はまさしく……」
「ああ、やはり……だな」
後ろに居たアイオロスさんとサガさんに振り返る。
どういう事だろうと思っていると、聖衣の向こうから歩いて来る人が居た。
「この魚座の聖衣の反応。僅かながら黄金の小宇宙を感じる……今代の魚座の黄金聖闘士はそなたかな?」
「ふぇ……?」
仮面を付け、豪奢なのだが上品さを感じる服装。そして、優しい穏やかさを感じる中で、威厳のある輝きを放っている。もしかしてこの人が……。
「私は、この先にある【教皇宮】にて【教皇】を務める者だ」
……そう、【教皇シオン】様の登場である。
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