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レーヴァティン

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第百三話 夜襲破りその八

「けれどね」
「夜の装填は難しい」
「だから慎重に行ってですね」
「そのことで無理はしない」
「そういうことですね」
「そうよ、無理はね」
 こうした時はだ、清音はまた話した。
「本当に禁物だから」
「だからこそですね」
「ここは無理をせず」
「そのうえで」
「撃っていくのよ、いいわね」
 兵達にこう言ってだった、清音も慎重な迎撃を行っていた。鉄砲も使うがそれよりも弓矢にパイクそれに術だった。
 そうしたもので敵軍を迎撃していた、進太も自身が率いている騎兵隊に車懸かりで間合いを取って攻めていてだった。
 それでだ、兵達に言っていた。
「迂闊に飛び込まず銃もでござる」
「装填は慎重に」
「そうして今の様に攻めることですね」
「今敵に切り込むと」
 騎兵隊の武器である衝撃力を活かしてというのだ、騎兵戦術のセオリーであり戦の勝敗を決する切り札でもある。
「味方の攻撃に巻き込まれることもでござる」
「有り得ますね」
「だからですね」
「今はですね」
「迂闊に切り込まず」
「この様に車懸かりで攻める」
「そうでござる、銃が撃てないなら」
 その時はというと。
「ボウガンでござる」
「それを使って」
「そしてですね」
「間合いを取って攻める」
「そうしていきますね」
「そうでござる、ではでござる」
 進太は自身もボウガンを出して敵がいる方に向けて構えた、そのうえで兵達に対してさらに言うのだった。
「これも使ってでござる」
「戦うことですね」
「今は」
「そうでござる」
 こう言ってだ、そしてだった。
 騎兵隊も攻撃を続けた、やがて明け方になると。
 王都から出て来た軍勢もローマ軍を外側から攻めようとしてきた軍勢も退いていった、久志は王都から来た軍勢はあえて追わずにだった。
 外側を攻めてきた兵達を追撃させてさらに討ち取って捕虜にもしてだった。こう言った。
「攻め取れる砦はな」
「攻め取っていく」
「そうしますか」
「ああ、流石に今日は休むけれどな」 
 今日はというのだ。
「一晩中戦ったからな」
「だからですね」
「ここは休んで」
「そしてですね」
「そのうえで」
「明日な、進太と清音にそれぞれ兵を率いてもらって」
 そうしてというのだ。
「砦を攻め取っていってな」
「使者もですね」
「そちらも送りますね」
「そうしますね」
「すっかり座右の銘になってるけれどな」
 少し自嘲気味に笑ってだ、久志はこうも言った。
「戦わずして勝つが最善だからな」
「だからですね」
「使者も送って」
「そうしてですね」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「どんどん砦も降していくな」
「これまで通りね」
「そうもしていきますか」
「今回の勝利もありますし」
「それでは」
「あとな」
 さらにとだ、久志は話した。 
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