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レーヴァティン

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第百二話 王国への包囲網その五

「王都に向かうけれどな」
「途中で敵の軍勢が来たら」
「会戦で倒すな、ただな」
 久志はこうも言った。
「王弟は軍人としては優秀なんだよな」
「うん、戦術家で戦略眼もね」
「持ってるか、だったらな」
 久志は確かな声で話した。
「会戦を挑まなくてな」
「それでだよね」
「王都を守ってな」
 そうしてというのだ。
「俺達八万の軍勢を引き付けて」
「そこからだね」
「周りの兵を動かして王都を囲む俺達を攻めてくるな」
「そうしてくるだろうね」
「籠城ってのは頭のいい奴は援軍が来るからするっていうな」
「さもないともうね」
 籠城をしてもとだ、淳二も話した。
「兵糧攻めされて餓えてね」
「終わりだな」
「実際にそうなった例多いし」
 孤城となって、というのだ。
「大坂城だって陥ちたね」
「ああ、大坂の陣でな」
「どんな堅城も一つになったら」
「どうにもならないな」
「つまりここで籠城をするのは」
 王都、そこにというのだ。
「もうね」
「相手もちゃんと考えてるか」
「そう、絶対に周りのお城からね」
「兵を出してくるか」
「南や東から攻められても」
 久志達がそう攻めてきてもというのだ。
「それでもね」
「そうか、じゃあな」
「それならだね」
「ああ、対策を考えておくか」
「具体的にね」
「じゃあ王都には向かってもな」
 それでもとだ、久志は淳二に笑って話した。
「ここはな」
「その兵がいる街を攻め落としていくね」
「そうしていくか」
 こう言うのだった。
「籠城してくるならその勝因を潰せばいいよな」
「そうすればね」
 それでとだ、淳二も応えて話した。
「相手もだよ」
「勝てないと思うな」
「そうなったらどうか」
「王弟は軍事的才能はあるんだよね」
 淳二は久志にこのことから答えた。
「戦術も戦略もね」
「戦略も理解出来るだろ」
「戦場じゃなくて戦争全体を観られるよ、それでも今回は意固地になったみたいだけれどね」
 それで久志達との戦いを選んだというのだ。
「王様は勝てないから、ってなってたけれど」
「ならその意固地になってるのをへし折ってやるさ」
「そういうことだね」
「まずは王都まで進んでな」
 八万の軍勢を率いてというのだ。
「王都を包囲してな」
「それからだね」
「今回の戦いだよ、王都が幹なら」 
 久志は国を木にも例えた、それも大樹に。そうして語るのだrた、
「他の街や村は江田だよ」
「その枝をだね」
「全部取り除いてやるさ」
「そうすればもう幹もどうしようもなくなるからね」
「幹を取り除いていくぜ」
「そうしていこうね」
「攻城戦ならな」
 久志は笑みを浮かべて語った、そこには絶対の自信があった。 
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