レーヴァティン
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第百二話 王国への包囲網その一
第百二話 王国への包囲網
久志達は半島南部最大勢力である王国に対しての戦略を着々と進めていっていた、まずは王国と同盟を結んでいる実質的には属国である南部の諸都市をだった。
取り込んでいきその諸都市に防衛という理由で兵を置いていった、そうしつつ久志はローマで仲間達に言った。
「防衛はするけれどな」
「それだけではないことは明白だ」
正が答えた。
「もうな」
「そうだよな」
「兵を諸都市に置いてだ」
「それでな」
「王国を囲む」
「そうしていくからな」
「だからな」
それでというのだ。
「今の俺達はだ」
「ああ、王国をしっかりと囲んでな」
「動けない様にして追い詰める」
「それが俺達の戦略だからな」
「幸いそれは成功している」
「今は、な」
「そしてその今をだ」
正は久志に言葉に即座に返した。
「最後まで続けていく」
「そうなる様に進めていくってことだな」
「そうだ、諸都市に兵を置いてだ」
「徐々にな」
「あの国を動けなくしてだ」
「そこで降伏の使者を送るか」
「それで降らないならな」
その時はというのだ。
「いいな」
「ああ、だから戦の用意もだよな」
「しておく」
このことも忘れないというのだ。
「絶対にな」
「頃合いを見てか」
「そして王国に攻め込んでいく」
「囲んで動けなくしたうえでか」
「そうしていく、今あの国は南部の中で孤立している」
「領内の貴族や都市も離反していくか」
「していく、違うな」
正は久志の今の言葉は否定して述べた。
「させるんだ」
「そういう風にか」
「王国の中もな」
「そうして勢力を弱めさせるか」
「そうしていけばな」
「戦になってもな」
「弱い」
内部から崩れた分だけというのだ。
「そして戦えなくすることもだ」
「戦だよな」
「もっと言えば政だ」
「戦は政の問題解決の手段ってことだな」
「俺達が何度も話している通りな」
「それで最善は戦わずに勝つか」
「そういうことだ、では王国に対してもな」
この国にもというのだ。
「そうしていくぞ」
「わかったぜ、謀略は汚いっていってもな」
「それで犠牲が減るならいいな」
「ああ、一人でも傷付く人が少なく済むならな」
それならだと、久志は正に答えた。
「俺にしてもな」
「それでいいな」
「戦わないで勝てたら手間も金も少なくて済むぜ」
久志は笑ってだ、正にこうも述べた。
「実際に刃交えたらな」
「手間も金もな」
「洒落にならないからな、北部でもな」
「結構使ったな」
「ああ、魔物退治とか貿易とか税収で国庫は潤っていたのにな」
その国庫がというのだ。
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