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妖精のサイヤ人

作者:貝殻
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第三話:クロッカスの武道会!強くなるチャンス!!

 
前書き
大変お待たせいたしました…え?待ってない?そう…まぁそう言わずに。
あ、下書きに入れきれなかった文を前書きに入れますね。

※ネロの戦闘力について
初期悟空と同じと言ったな?あれ、ボツです。
いや…できれば少年漫画みたいに少しずつ戦闘力を上げていくアレみたいにしたかったんですけど、この妖精のサイヤ人で構成されている設定や戦闘力設定で見直したら…なんというか、あの世まっしぐらでして。
ですので、育て親の人に鍛えられて初期悟空以上にしました。賢者の孫かよとか言わないで。
初期のベジータくらいじゃないとこの作品でクロスオーバーしたFAIRY TAILでネロ死んじゃうんです…いや本当後々に設定変えていてすみません。
ちなみにこの世界のFAIRY TAIL、もしくは”星”の作り構図は話を進めたある程度のときにまた公開、情報を出しますのでそれまで納得しきれない方はお待ちを…まぁ、拙い設定だし、納得はできる人いない気がするけど(ボソッ)(説明よりもはや言い訳

まだ製作中の話を投稿してしまったという事故がありましたが、あれは悪い夢でしょう。

ハバネロ「やっぱこいつ、殴ったほうがいいんじゃねえの?」

女王幼女(幼)「いつやるの?今やる?」

ハバネロ「エルザよスティ、オレがやる」


 

 

修行していなければ今頃自分は魔獣の餌にでもなっていただろうよ。

オレを9年間も育ててくれた現世の育ての親の”姉”に稽古で組手をしてオレは手と足を使って攻撃仕掛けた。
殴る、殴る、蹴る、殴るに見せかけての回し蹴り。
それらの攻撃を姉さんはその場から身動きせず、只々オレの攻撃を涼し気な顔で捌いてく。
オレの攻撃に無駄があれば「手本」としてカウンターに殴られ、蹴られた。
しかもオレから見て、受けても無駄のないその動きは武道として綺麗で、技として見習いたいという欲が生まれて、より一層オレの修行は捗った。
次の場面は魔力、オレからしたら”気”の制御の訓練だが。
最初は瞑想し、己を見つめ直す。
余計な思考はせず、ただ瞑想した。
気がつけばオレの手から光が浮かんでいた。
まるで前から使えたような変な感覚を覚えたが、それはきっと気のせいだと決めて姉さんに報告した。
姉さんの提案により森の岩に向けて一番やってみたかった技を真似し、放ってみれば――一切傷のない岩。
うわぁ…オレの”気”弱すぎぃ…?
それでも、オレが放った技を見て姉さんは嬉しそうに笑ってくれた。
また修行をつけてくれて、少しずつだけど強くなっていく感覚を覚える。
戦闘力といえばまだまだ千にも届かない気がするけど、それでもめげずに修行を続けることにした。
漫画やアニメで見た技を習得しようと踏ん張ったり、今までダメージを与えたことのない姉さんに一矢報いるように攻撃して、そして全然効かなかったり、またアトバイスされるようなことがあった。
えぇ…ちょっと姉さん…アンタ強すぎない…?なに、戦闘力千超えなの?それとも万超えなの?
思えば、家族としてあの人のことについて知らないことが多い。てかあまり教えてくれない。
赤ん坊だったオレを拾ってくれて、育ててくれたり、修行を付けてくれたり、魔法や文化について、そしてサイヤ人が普通に存在していることを教えてくれたり、色々世話になった。
本当、どこに転生したんだオレはと頭痛くなる思いをしたけど、それでも今生きている。
修行して、少しずつ強くなって、良い親に恵まれている。
実の両親に捨てられたなんていう過去があったけど、それのおかげで今の家族に巡り会えたから特に気にすることはない。
ただ―――――どんなに強くなっても魔獣に手足出せない状態が1年以上かけたことに対しては別だ。

本当、なに?オレに闘いの才能がないの?非戦闘員質なのオレ?
…姉さんや、ちょっとオレを瀕死にしてくんない?そうそう、サイヤ人のあれ、瀕死によるパワーアップ…てか知ってんのねそれ。
え?いいの?…躊躇なくない?え?可愛いオレのため?躊躇わない?…少し躊躇ってくれてもいいのよ?
あっあっ…待って、何その手?なんか光って…ア…アアアアアアアアアアアアアアッッ!?!?!?

サイヤ人のチート性の一つでもある瀕死によるパワーアップのでやっとギリギリに魔獣を倒せた。
それによる犠牲があったり、姉さんのことがトラウマになりかけたりしてけど、オレは確実に強くなっていった。
歳が過ぎ、今回のオレが9歳になったとき、覚悟を決めた。
―――――旅に出て、この目で今の世界を知ろう、と。

★★★★★★★

ローズマリー村から出て翌日、特になにか問題が起きたり、ワクワクするような出来事が起きないままクロッカスについた。
受付時間は夕暮れ前までやっているということであり、遅れないように申し込んだ後に花咲く都として名高い、王都であるこのクロッカスを見て回ることにした。
まだ見ぬ土地、そして前世とは何もかもが違う文明を目にしてオレの冒険心がまた火がついた。
クロッカスの商店街で賑やかな喧騒、そんで王城らしきでけえ城。
てかあの王城でかすぎやしないか?王城ってこれぐらいの大きさが普通なのか?
なんて疑問に思ったり、妙にテンションが高かったりした。
いろいろな場所を見て回ったが、中央広場のリ・イン・クリスタル…だったか?あの広場にこの王国にある村たちの名前と同じ名前の花があったりした。
ローズマリーの花を見つけて、エルザたちのことを思い出して少し切ない気持ちになったが永遠の別れではない。
また時間ができたらあの村に向かって、ただいまを言うのが目的の一つでもあるから。
そういえば、オレを育ててくれた姉さんは今頃なにをしているんだろうか。
買い物で王都の近くまで来たり…はないだろ。あの森とこのクロッカスからじゃ距離があるし。
で、この街を見て回って分かったことが色々ある。
てか今まで来て回った村もあって確信したが…。

―――――オレ、ちょっと弱くね?

たまに魔道士らしい人を見かけて気を感知してみたらあら不思議、相手が自分よりも5割、いや10割以上強い。
試しに気の感知を広げてみれば、オレより全然強い魔道士が多い。

いや、分かるよ?子供のオレが大人の魔道士に勝てないって。
でもね?あれだよ?オレってサイヤ人だよ?戦闘民族だよ?一応姉さんから「ネロ様の将来が楽しみで仕方ありません」なんて言われるぐらいだよ?
確かに魔獣を倒すのに1年以上かけたけど、それでもちょっとは大人と互角で戦えるんじゃないか、って思うよ?
本当、どうなっていやがるんですか。

…とまぁ、泣きたくなる思いでございまして。
…あれ、オレって誰と話してんだろう。ちょっと疲れてんかな…いやまだ大会始まってねえのに疲れちゃいけねえだろ。
自分の頬を叩き、クロッカス武道会の会場内に戻ってきた。
受付したときに事前に説明を聞いて大会が始まるまでこの部屋に居てもいいという許可をもらったんで、その部屋に着く。
部屋の扉の前に着き、試しにまた気の感知を試みた。
…へへっ、部屋の中から強え気を感じてきたぜ、ワクワクしてきたなぁ。
…みんな、オレより強えなぁ…。
別に強がりじゃない、純粋に嬉しいという気持ちが大きい。
姉さんに鍛えられて、そして今までの旅であまり強くなることは多くなかったけど。
これだけ確信ができる。―――――この大会が終わった後、オレは絶対に強くなれる。
自然と口の端が上るのを感じて、そのまま扉を開けた。


★★★★★★★



このクロッカス武道会は、序の口にすぎない。
将来開かれるだろうフィオーレ一の魔道士を決める大会へ注目を集めるために開かれた前座の大会だ。
だからあまり会場も作り込めているわけじゃなく、会場もただのクロッカスの西山にある小さな施設で開催されることになっている。
そんな小さな大会でも国中に噂を広げ、できるだけ選手を集めようとしたのだが…。
そんな大会にわざわざ出る強者はやってくるわけもなく、精々まだ発達途中の求道者か、試しとして出る者しか出ないだろう。
それを知ってか、ギャラリーも多いわけではなく、たまたま目に入ったからという理由で観客になった野次馬と、大会出場選手として出る関係者による応援しかいない。
だから小さな大会としてあまり期待されていないのだが、観客に居た者たちも、実況や関係者たちにとっては記憶に刻まれることになる。
将来、フィオーレ一の魔道士ギルドの一つの顔としてある魔道士と、戦士のデビュー戦となる対決を目にするだろうから。

雷の申し子と茜色の戦士。

それを目にしたある客の一人がこう語った。

”彼らの始まりは、きっとここからだった”、と。

★★★★★★★

『さぁ始まりました、己の武をかけた闘い、クロッカス武道会!ルールは殺しは禁止目潰し金的攻撃禁止!剣や槍などの道具を使う武道は殺生性のある道具じゃなく―――――』

続けられる大会の説明とルール。
待機場から外を眺めるが待機場の暗さのせいか、外が眩しくよく見えない。
部屋にはオレ以外の人もいて、武器、といっても流石に人を殺せるような武器じゃないが己の武器を持った人や、緊張したような面をしたオレと同年代の子供、そして大人がいる。
思ったより選手の数は少ないが、それでもこの中にいるほとんどの選手たちはオレより高い”気”を感じられる。
それに対してまたニヤついてしまいそうにあるのを堪え、部屋の隅で座って待つ。
ただ座るわけじゃなく、胡座かいてそのまま瞑想を始める。
己の高ぶる気持ちを抑えるため、そしてこれから試合に出たときへの集中のために。
なんか視線を感じるが、それは無視だ。今の自分は緊張や興奮で気分が抑えるのに精一杯なんじゃ。

『―――――では、これから自分の武と魔法をかける選手たちの闘いを御覧ください!では第一回戦―――』

第一回戦の始めを聞き、瞑想を中断して空いている窓から試合を眺める。
いやだって、観察とかしないと、ね?オレ一応この中で一番魔力…じゃねえ気の量が下だしぃ…?

そして第一回戦の選手の二人が自分が大好きな作品であるあれのすごく見覚えるのある舞台上に上がる。
一人は木刀を両手で構え、対の人は空手に似た構えをする。
感じている人がいるかどうかわからないが、オレから感じられる限り二人の闘気が上昇しているのを感じる。ますます勝てる気がしないのだが…でも闘ってみたいと思うのは今のサイヤ人としての性か。

『選手たち、よろしいですね?―――――では第一回戦!はじめ!!」

今までルール説明をしていたアナウンサーの開始の声が出て、ついに試合が始まった。
アナウンサーの人の開始の声が聞こえた途端に、両者が素早い動きでアタックするのを目にした。
そして木刀の人はその人も剣術を、素手の人は己の拳と足による技を。
互いの責め合いで両者は責め合い、木刀の人が優勢に運んでいる。
まあ、素手の人の範囲は木刀の人より短い。だから攻めより今は受けに回っているのだろう。

二人の選手の試合を見てオレは、自分をここまで育ててくれた姉と呼ぶ人物に対して愚痴を零したくなった。

「姉さん…あんた本当ナニモンなんだよ…」

そう小さく口にしてしまうオレは悪くないはずだ。
だって、格上であろう二人の動きは弱いだろうオレが目で追えているし、何よりも動きからして驚異が感じられない(・・・・・・・・・)のだ。
むしろオレを瀕死にしてくれたり、稽古つけてくれたりして手加減していた姉さんの方が動きの方がよっぽど見えなかった時が多いし、驚異的だったんだ。

「………。」

いや、もしかしたらやっぱりオレも旅で強くなって、姉と同じ位置まで強くなって、んで姉と同位の人の動きを捉えられるようになったのかもしれない
あれだ、悟空初期と同じくらいかなーって思ってたら悟空初期じゃなくてベジータ初期になってたー、みたいな?
まぁ、そうだよな!オレも強くなってたもんな!少しずつ魔獣を倒せるようになったし、うん!姉さんと同じくらい強くなってもおかしく――――

――――そういや、姉さんって森を荒野にするほどでけえ気功波出せたような……。

……姉さん、アンタ本当ナニモン?なにオレと同じ戦闘民族?そういや黒髪だったもんな!なら納得だ!うん!!

『第一回戦、初戦突破したのはラーラ選手の勝利です!』

「「「「「オオオオオオオオオオ!!」」」」」

気がつけば一回戦が終わり、木刀の人が勝ってた。
何ヵ所も怪我しているところから、素手の人に結構反撃されていた模様。見逃してたときになんか盛り上がっていたのか観客から歓声が出てきた。おい、観客少ないんじゃなかったのか。
互いに手を取り合い、笑って試合を終えるその様は試合の終わりの理想図のような場面。…ドラマ見逃した気分だ。次こそちゃんと試合を観なければ…。幸い、オレの出る試合は第三回戦なんで次の試合を見ることができるのだ。
次こそ、ちゃんと他の選手を観察せねば―――

★★★★★★★

「この程度かョ……」

『ら、ラクサス・ドレア―選手の勝利!圧倒的な実力の差で準決勝進出!』

二回戦目、オレと同年代くらいの一人の少年が()を宿した手を構えながら倒れ伏した対戦相手に不機嫌そうな顔を向けている。
その試合を観て、開いた口が塞げれなかった。

―――おいいいいいいいい!!!めちゃくちゃ強えぞアイツ!?何あの気の量!?何あの雷!?なんか変身しているみてえでかっけえ!?

自分よりも強いだろう選手と、その選手より年下の少年。
金髪の髪と雷の色が同色で、ある形態と似たような状態の少年に対してオレは驚愕の次に喜びの色を顔に出したんだろう。

「アイツと闘ってみたい」、そうオレが無意識に零した言葉の後に少年と目が合った気がした。
そういえば、オレが部屋に入ってきたときに目を見開いていた気がしたが、その後この少年――確か、ラクサスだったか。すぐに興味を無くしたようだったが…。
特に会話もしていない…まったくもって恥ずかしい話だが、緊張していてそんな余裕がなかった。
ラクサス少年もその後特に話しかけてくるわけじゃなかったし、ある意味話しかけて大会前に気分を害してしまうこともあったかもしれないからよかったのだろう。
なにせ、彼の目は失望の色が強く表れていたから。

舞台上で敗れて黒焦げ…生きているけれども、黒焦げになった選手をスタッフが担架で運んでいく尻目にラクサス少年は降りてこの待機室へ向かってくる。
こちらや他の選手を一瞥もしないままラクサス少年は壁際に背を預けて近くのカバンからヘッドホンみたいなものを頭につけて腕を組んだ。

…いや、なんでヘッドホン?もしかして魔法文化?嘘だろおい!?色々姉さんから教えてもらったけどんなもん初めて見るぞおい!?色々発達しすぎじゃないこの世界!?

ラクサス少年の化け物じみた力だけじゃなく現代の文明にも驚いてしまう、王都でもたまに前世で観たことのあるものを目にしたけど、どうせただの紛い物だろと解釈していた。
しかしあのラクサス少年のヘッドホンみたいなやつから溢れるロックのような音楽が流れていることを気で強化した耳で聴けばアレは迷うことなく”魔法で造られたヘッドホン”だということに理解してしまう。

現れる強敵だけじゃなく、娯楽にもなれるものに出くわしてしまうなんて…本当に旅に出てよかった。
様々なことを目にして、出会って本当に良かった。
まだまだこれから起きるだろう出会いと発見、成長を心待ちしてしまう。本当に楽しみで仕方なくなる。
今、自分に抑えきれない程の衝動を胸に手を当て、自然と出てくる笑みで次に出る自分の番を待つ――そして、きた。

『―――第三回戦は蛇鬼の鰭(オロチノフィン)に最近入った一人の魔道士、己の限界を確かめに来たぞ!ロール・アップキー!そして、次の選手はなんと!先程のラクサス選手と同じ10歳の子供!しかし侮ることなかれ、その少年こそかの英雄と同じ戦闘種族、サイヤ人!ネロ・ハバード選手です!両者、舞台上へどうぞ!』

「「「「「オオオオオオオオオオ!!!」」」」」

待機室から出ようとするバンダナを着けた青年を見かけたんでその後を追って共に舞台上へ上がる。
そして溢れてくる歓声、いやなんで観客が結構いんだ?どこの応援団?

「ロール!てめえサイヤ人のガキに負けたら祝杯無しだからな!!」

「ばっかやろうおめえ、サイヤ人といってもまだ10歳。あんなガキよりさっきのガキのほうがすげえだろうが」

間違ってねえから派手になんも言えねえ…そういやこの兄チャン(アンチャン)…魔道士か。だから一回戦の奴らより魔力多いんだな。はは…君が私のレベルアップに付き合ってくれるのかな?(若本の震えヴォイス)

「ヘッ、サイヤ人のガキがなんだ?大人で戦闘慣れているサイヤ人ならともかく、まだガキのサイヤ人に負ける程弱くね―よ俺。ボクも痛い目に遭う前に帰ったほうがいいぜ?」

あまり強い言葉で言うなよ弱く見えるぞ(ヨン様)
…あ、はい。オレが弱いですねわかります。でもよ…だからといって下がるわけには行かねえんだよな。
上から目線、舐めたような口ぶりで結構。最初がそんな相手なら運がついてるというもんだ。
ドッカンバトルとして例えるならただのSSRを引いたのと同じくらい引くのと同じくらい運がついている…いや全然違うわ。そもそも当たらなかったなぁ…クソックソッ…まぁそれは置いといて。

「まぁ…せっかくの試合なんで、楽しみましょうや。よろしくおねがいしますね。」


オレはレベルアップに、兄チャンは今の状況にという意味を含めて言うが、相手は気づいた様子もない。
互いに舞台上に上がったところでアナウンサーの人も魔法で出来ただろうマイクを持って合図を告ぐ。

「おふたりとも、よろしいですね?―――では第三回戦!」

構える兄チャンに合わせて、オレは腰を低くして狙いを相手に向ける。
足に力を、両手には気を。

「―――開始!」

「ハハッ!降参しなかったことに後悔しろ!アクア・プリ―――」

片手をこちらに向けている相手に込めていた足の力を開放して目前に飛び上がる。
向こうも反応して魔法を中断しようとして次の行動に出ようとするが、遅い。
両手に貯めていた気を解放。しかしこれは攻撃ではなく、次の攻撃の一手を決めるためのロスを作らせる技。
一応この技も、ドラゴンボールで代名詞だろうな。初期で使われいていたし、何より()を頼りに動いている相手によく効く技だから。

「―――太陽拳!!」

放たれる攻撃はその名の通り、しかし物理的な力ではない。
この技は、太陽のように眩しいていうだけの技だ。もし本当に太陽のような効果を持つのなら今よりすごい強力な技になるだろうが…いやそれもう技じゃなくて業だなそりゃ。
それに、目が開いてるやつの近くでやればムスカのように「バ○ス!」効果にもなれる。
まぁ…本番の太陽拳より効果はないだろう、この技にはそこまで力を込めて習得したわけじゃなく、軽い気持ちで習得した技なのだから。

「うおおっ!?目が…目がァ!」
「なんだよおい!?目が眩しくて見れねぇ…どうなってやがる!?」
「お、おう…なんと珍妙な」

『な、なんと…ネロ選手!眩しい光を発射してロール選手の目を晦ましたァ!私はサングラスでしたので無事ですが…しかも近くでやったことでダメージが絶大!ロール選手の目は無事かァ!?』

「が…ガキがァ!よくも俺の目を!!今ぶっ潰して…」

だろうな、けどそうなる前に倒させてもらう。
オレの力はアンタに及ばないし、もし本格的にぶつかるのなら終わりだろう。
だが、この大会は幸いにもかの天下一武道会に似たルールだ。それも場外にしちまえば話は違ってくるだろ?

「だから、さっさとこの舞台から出てもらう!…だぁぁあ!!だだだだだぁ!!」

「ぐぁ…!?ぅ…はらァッ…!?」

怒声を出している相手の腹へ飛びかかって殴り飛ばす!それでもダメなら何度も殴り続けるのみ。
後ずさっていく相手選手、だが相手も黙ったままってことはないだろう。
両手から魔法で水が作られ、その水をこっちへ放たれようとするのを目じゃなく耳で音を認識した。
だが、太陽拳を食らった後にそれを十分にオレに当てれるのか?

「くらえガキがァ!アクア・プリースト!!」

放たれる水の大砲みたいな魔法。どうやら目は回復しつつあるのか、オレが居た場所に直撃した。
オレが居た場所には、既に自分だったものしかない。超スピードで己の残像を残すあのお決まりのあの技。

「な、なにぃ!?」

『ま、魔法が…ロール選手の水魔法がネロ選手に当たったかと思えばすり抜けたァ!?これは、一体…!』

「――残像拳!そして!」

太陽拳からの残像拳コンボ。これぞ目を頼りにする奴らにとって相性の悪いコンボよ。
今出したスピードで眼の前の選手に残像を写し、次の攻撃の準備を始める。
今どこにいるかって?そりゃ、さっきの場所から後ろへ飛んで下がっているんだ。
そして、今から使う技はなかなかリングから落ちないやつを無理矢理に落とせる技。
倒したいところだが、多分あまり効かないだろう。今の実力を上げなくては、だが。
両手を腰へ持っていき、最大限の気を高め、高めた蒼い気を圧縮させる。

「これが…か…め…」

『あ、あの構えは…もしやかの英雄が使っていた…!』

「は…めェ…!!」

どこの英雄かは理解しているが、オレにとってはこの世界の英雄は知らないサイヤ人だ。気になりはするが、それは今どうでもいい。
この技こそ、一番の代名詞。誰だって真似して、それでもできなくて悔しくなった技。
前世で考えられないほどの摩訶不思議ができる今の世界でだからこそできる技。
そして、一番最初に練習し、何よりも努力した技。
両手を相手の方へ向き、フルパワーで解放!これで落ちやがれよ!

「―――波ァァァァアアッ!!

『蒼い閃光の―――かめはめ波だああああ!?』

「ば…ばか…ばかなああああ!?」

アニメで見るような大きいエネルギーじゃないが、それでも勢いは強く、そして相手選手を呑み込んだ。
手から発射する気功波がなくなったとき、目の前にもうあの選手はいない。
正確に言えば――この舞台の下か。

『ロール選手場外…!勝者は…ネロ・ハバード選手です…!!』

「よしッ!!」

「「「「「オ…オオオオオオオオオオ!!」」」」」

身体から疲労が出てくるが、それでもお構いなしに両手を上へ持っていった。
全身から出ているのは喜びしかなかった。だって格上に対して有利に勧めたから。
これぞ、姉さんとの修行の成果よ!!ただ姉さんにかめはめ波を当てたときに「なにかしましたか?」をされてめっちゃ泣いたけど…ついにこの技で勝利を掴めたぞこの野郎!!
てかいつになくすげえ威力が出たと思う。今のかめはめ波。もしや倒せたのでは…?

『ネロ選手!今の魔法はもしやかめはめ波…だと思いますが…もしや誰かに教えてもらいました?』

「めっちゃ頑張って習得しました」

何気なくドヤ顔をかまして「疲れたんで休憩してきます」と言って舞台から降りる。
担架でさっきの選手と同じようにボロボロになった兄チャンが担架で運ばれていくのを見て自分の成長を再認識した。

「これは…もしかしたらいけるか…?」

自分の両手を見つめてぐっと力を入れる。
なかなか強くなれないかと思っていたが、もしかしたら本当に強くなれるかもしれない。
強くなるチャンスは、本当にあったんだ。…この試合は小細工ばっかだったが。

待機室に戻れば周りからの視線、さっきのラクサス少年もどこか面白げにこちらを見ているのが解った。
不敵な笑みを浮かべて。…こちらも不敵な笑みで返す。
互いに睨み合う視線の中、こっちのメッセージを目で送る。届くかしらんけど。

―――決勝戦、楽しみにしてろ





ちなみにだが、さっきの残像拳でオレのスピードを捉えていた人が何人か居たという。デスヨネ―…。

 
 

 
後書き
  

超急ぎ足で書き殴った結果、また汚い感じできた文章です。
くそう…投稿が…最初の頃よりもすげえ落ちる…ぱ、パワーが…!!

※姉さん
主人公の育ての親であり姉。その正体は不明だが、心から主人公を想っている。
主人公を鍛えているからして実力あり。てか強者(ネタバレ)

※クロッカス武道会について
大魔闘演武の前座として開催された大会。ぶっちゃけドラゴンボールの天下一武道会をパクった試合。 (後のネロ談)
武道といいながら魔法も有りな大会。特に禁止されてないし使用OK。
舞台もあり、その舞台から出たら負け。
この大会のアナウンサーは天下一武道会のアナウンサーの人みたいな人だと思ってください。
会場も天下一武道会に似たような作りだと思ってください…。
ちなみに場所はいつか作られるだろう大魔闘演武の会場”ドムス・フラウ”の下山です。
こちらの作ではまだドムス・フラウは作られてないとして扱っております。
クロッカス武道会の出場選手は8人です。ネロとある選手以外の出場人たちはモブです。
ちなみに観客はただの野次馬だったり、選手関係の応援団みたいな人たちです。
あと…あの少年もいるから当然あの人も居ます。

※ローラ選手について
水を扱う蛇鬼の鰭(FAIRY TAIL 49巻に登場の魔道士ギルド)の魔道士。ハバネロの引き立て役のモブ。あれだけフラグ建てたからこうなります。ならない?あ、はい。

★☆次回予告☆★

ハバネロ「よっす、オレハバネロ。やっと戦闘できて嬉しい」
???「頑張って修行した結果が出ましたわね。戦闘力は後付けですけども」
ハバネロ「まぁ…戦闘力が10で、クソ貝殻の設定通りにこの世界に居たら死ぬからねオレ…」
???「物語に修正は付きますけれども…ちゃんと最後まで守るべきだったと思いますわ。最弱からのはじまりだったのではなくて?」
ハバネロ「貝殻に言ってくれよ。…てかなんで姉さんが?そこはラクサスじゃなくて?」
???「まだ本作に出てないとはいえ、今回は貴方様の頭の中から結構出たからでしょう。嬉しいですわ、貴方様にそんなに想われるなんて」
ハバネロ「ヤメロぉ!シスコンのような言い草はヤメロォ!大好きだけど!一応前世持ちだからねオレ!?そう簡単にシスコンに―――」
???「さて、次回予告を進めましょうか」
ハバネロ「畜生!?……無事になんとか進み、ラクサスとの勝負に向けて準決勝に集中していたオレ」
???「しかし先程の小細工は見られた。通じるかどうかもわからない」
ハバネロ「次は無事じゃ済まないかもしれないが、それは承知の上」
???「そしてまた別の準決勝、あの雷を操る少年の力をまた再認識する」

「「次回、妖精のサイヤ人」」

「第四話:圧倒的!雷を操る魔道士の桁違いのパワー!」

???「私の出番をお待ち下さいね」
ハバネロ「いやそっちかよ…また観てくださいな」

 ちょ、おま、やめ…アッ―!(ドカッ)
 
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