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レーヴァティン

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第百一話 島への侵攻その八

「出来ないものです」
「ヤクザ屋さんもか」
「ですか可能な限りです」
「減らせるからか」
「まさに可能な限りです」
 源三は久志に話した。
「減らしていきましょう」
「それじゃあな」
「淳二君のやり方で徹底的に弱めたうえで」
「当地の段階に入るとか」
「はい、今度は警察の力を使い」
「奴等を摂り締まるか、後な」
 久志は今度は自分から述べた。
「奴等の利権になりそうなことはな」
「ものの売買も仕事の斡旋も治安維持もです」
「政府がやったりしてか」
「彼等に利権を与えない様にすれば」
 その様にすればというのだ。
「いいです」
「それが政ってことだな」
「犯罪組織を取り締まるのは基礎の基礎であり」
 それでというのだ。
「しなくてはです」
「政権として失格だしな」
「犯罪組織の放置をすれば」 
「どれだけ民が迷惑するかな」
「火を見るより明らかですから」
「取り締まっていってな」
「利権も奪い」
「なくしていくか」
「そうしていきましょう、権力を集中させる為にも」
 この意味もあってというのだ。
「そうした政もしていきましょう」
「それじゃあな」
「はい、ではこのままです」
「シチリアをな」
「占領していきましょう」
 犯罪組織も潰しながらとだ、久志達は彼等を争わせる策略も使いつつシチリアを占領していった。そしてだった。
 二月もすればだった、久志達はシチリアも占領出来た。久志はこの歳月について言った。
「長くかかったか?」
「短いと思うが」
 正はこう述べた。
「島自体の占領は一月もかからなかった」
「コルシカ、サルディニア、シチリアでな」
「だが、だ」
「犯罪組織の掃討も入れるとか」
「二月はな」
「短いか」
「そうだ、だがだ」
 正は久志にさらに話した。
「ここからは楽な筈だ」
「半島の南の併合はか」
「中央部から攻められてだ」
 ローマの方からというのだ。
「そしてシチリアからも湖からも攻められる」
「だからだな」
「楽に攻められる、今王国は焦っている」
「俺達の勢力に南北から挟み撃ちにされるからな」
 ローマとシチリア、それぞれからだ。
「実際に俺達もそのつもりだしな」
「そして湖から上陸も出来る」
「それも出来るしな」
「ヴェネツィアの湖軍を出してだ」
 久志達の確かな戦力の一つとなった彼等もというのだ。
「南部の東側に軍を上陸させる」
「そうしても攻められるな」
「俺達は敵を圧倒している勢力で何処からも攻められる」
「戦略的に圧倒的に有利だよな」
「その有利さを手に入れたからだ」
 だからだというのだ。
「敵としてはな」
「焦るよな」
「それで余計に諸都市への統制を強めようとしている」
「ああ、じゃあな」
 ここまで聞いてだ、久志は笑った。それで言うのだった。 
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