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十三妹

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第二章

「日々そちらに励んでいてな」
「そうだな、気が違う」
 李も玉鳳を見て微笑んで述べた。
「まだ子供だが相当な武芸者だ、だが」
「だが?」
「私は人相見も出来るが」
 玉鳳のその顔を見ての言葉だ。
「良縁に恵まれそうだな」
「そうなのか」
「うむ、ただそれまでにだ」
 その良縁を得るまでにというのだ。
「波乱万丈のことになりそうだな」
「波乱万丈か」
「そうだ、そして君もだ」
 李は今度は玉鳳の父にも言った。
「気をつけることだ」
「どうしたのだ」
「剣難の相が出ている」
 彼のその顔を見ての言葉だ。
「何か揉めているか」
「揉めていないが私を憎むな」
「そうした者がいるか」
「随分剣呑な人物だ」
「そうか、ではな」
「その者にか」
「気をつけてだ」 
 そうしてというのだ。
「生きていくことだ」
「わかった、剣難だな」
「それをな」
 まさにと言ってだ、それでだった。
 李は屋敷に数日留まってから旅に戻った、その時にまた玉鳳に言った。
「君は相当な武芸の持ち主だからな」
「父上に何かあるのなら」
「君が護るといい」
「はい、それでは」
 玉鳳は李に確かな顔で答えた、左手を拳にしそれを右手で包み己の胸の前に置いて。
「私がです」
「そうすることだ、しかし」
「私の人生は」
「色々ありそうだ、だが」
「最後はですね」
「良縁に恵まれる」 
 このことは絶対だというのだ。
「安心することだ、君は運気自体はいい」
「波乱万丈でも」
「そして心も確かな様だ」
 玉鳳の目を見ての言葉だ、その実によく澄んだ目を。
「だからだ」
「それで、ですか」
「何があっても挫けないことだ」 
 こうも言うのだった。
「いいな、そしてだ」
「生きていくことですね」
「そうすることだ」
 玉鳳にこう言ってだった、李は旅に戻った。そして彼の言葉は当たり。 
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