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道士達の決闘

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第四章

「別にです」
「気にせんで、ですか」
「ええですよ、ほなこれからも」
「先にですね」
「行きましょう」
 道士に笑顔で話してだ、花華は蓮美と共に出没して来るモンスター達を自分達の力で倒しながらだった。
 遂に勝負の場所である荒野に来た、するとだった。
 その場に赤い道服を着た鳥人の年老いた道士がいた、彼はその場に二人の若いエルフのモンクと犀人の戦士を連れていた。二人共中国の服だ。
 その彼がだ、一行を見て言った。
「わしは今来たところだ」
「そうか、それは何よりじゃ」
 道士は彼の言葉を聞いて笑顔で応えた。
「わしは今回身を守ってくれている人達と一緒じゃったがな」
「それはわしもじゃ」
 赤い服の道士は道士にこう返した。
「実は痛風になってのう」
「何じゃ、お主もか」
「うむ、前からお布施の時の豚肉や卵を好んでおったが」
 そうして食べていたがというのだ。
「それが祟ったのかのう」
「では格闘はか」
「出来んでな、この人達に護衛を頼んでな」
「冒険者じゃな」
「それでここまで来た、術は使えて歩けるが」
 この辺りの状況はライバルと同じだった。
「格闘は出来ん」
「お互い様じゃな」
「それでじゃ」
 どうにもと言うのだった。
「これからの勝負はな」
「術を使ってのな」
「勝負になるな」
「そうなるのう」
 二人で話す、そしてだった。
 ここでだ、道士は花華と蓮美、そしてライバルが連れて来た冒険者達に顔を向けてそのうえで申し出た。
「立会人もお願い出来ますかのう」
「勝負のですね」
「それのですね」
「はい、わし等の勝負の」
「正々堂々と戦うだけに」
 ライバルの方も花華達に言う。
「見て欲しいのです」
「それならな」
「そうさせてもらいます」
 花華と蓮美はすぐに答えた、そしてもう一方にいる二人の冒険者達も快諾した。
「では我々も」
「そうさせてもらいます」
「それではのう」
 道士は合わせて四人の返事を聞いて満足した顔で応えた、そしてだった。
 道士達は術を使っての激しい応酬に入った、動きこそ少ないが術と術の応酬はかなりのもので見応えもあった。そして。
 数刻続いてだった、二人共動けなくなってだ。道士はライバルに笑って言った。
「今回は引き分けかのう」
「そうじゃな」
 二人共片膝をついている、そのうえでのやり取りだ。
「激しくやり合ったが」
「それでもじゃな」
「もう動けんわ」
「こうなっては仕方ないわ」
「術も尽きた」
「引き分けじゃ」
 そうなったことを話してだ、そしてだった。 
 二人は来年の勝負の話をしてだ、今は別れた。道士は自分を出迎えてくれは花華と蓮美に対して笑って話した。
「こうして毎年一度です」
「勝負してるんですね」
「そうなんですね」
「それが楽しみで、ただ」
 道士はここで苦笑いになった、そうして二人に話すのだった。 
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