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レーヴァティン

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第百話 北部統一その七

「南もそうしてくな」
「ほなお金はあるし」
「戦よりもそうしていこうな、それと併合した北はな」
 この地域のこともだ、久志は話した。
「道も港も整えてな」
「そうしてですね」
 紅葉が久志の今の話に応えた。
「人やものの往来がしやすい様にしますね」
「ああ、そうしてな」
 それでというのだ。
「内政も整えていこうな」
「街も田畑も」
「今以上に豊かにするぜ」
「そうですね、豊かな街や村が多くあることは」
「それでだけで力だろ」
「お金と食べものがないと」
 それぞれの街や村から手に入るそうしたものがだ。
「どうにもならないので」
「だからな」
「街や村が生み出すお金や食べものの為にも」
「是非共だよ」
「北も整えていきますね」
「そうするな、今で充分豊かでもな」
「今以上にですね」
「豊かにしてな」
 そうしてというのだ。
「簡単に言うと金の卵を生む鶏になってもらうぜ」
「豊かな街や村こそがです」
 源三も言ってきた。
「その金の卵を生む鶏です」
「本当にそうだよな」
「そうした鶏を幾ら持っているか」
「それが国力でな」
「戦もです」
 それもというのだ。
「行て勝てます」
「だよな、正直北部統一でな」
「かなりのお金を使いましたね」
「ああ、そう思うとな」
「戦はかなりのお金を使います」
「あれでもましだったんだよな」
 源三に対してこう尋ねた。
「かなりの金使ったにしても」
「北部全てを武力で併合していません」
「降った、降らせた街や村も多いしな」
「街を破壊もしていませんし」
「略奪もしてないからな」
「だからです」
 かなりの金が使った、だがそれでもというのだ。
「まだです」
「ましでな」
「はい、ですから」
 それ故にというのだ。
「あれでもです」
「いいんだな」
「そうです、しかし」
「ましでもあれだけ使ったからな」
 それを思うと、というのだ。
「本当に戦ってのは金かかるな」
「そうしたものですね」
「だからおいそれとはしたくねえな」
「はい、そもそも武という言葉はです」
「矛を止める、収めるだからな」
「みだりに使うよりもです」
「最低限だな」
「最低限のものであり」
 そしてと言うのだった、源三も。
「みだりに使ってはです」
「自分の力も弱めるな」
「お金も国力も消耗して」
 そうなってというのだ。
「結局はです」
「弱くなるな」
「傷付いていけばそうなってもいきます」
 源三は今度は身体に例えて話した。 
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