九江の下水道
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五章
「毒の息や」
「それにも気をつけてやな」
「戦ってくで」
「わかったわ」
二人で話してだ、そしてだった。
蒲と白は邪神の吐く毒の息に気をつけつつまずは六本の腕を一本一本潰していった、そうして戦闘力を奪ってだった。
後はその身体に術を浴びせそうして確実にダメージを与えていってだった。長い時間をかけたが邪神を倒した。
その後で二人で九江の役所に身分を明かしたうえで下水道に警察と軍隊を送りそうして倒れている邪教の者達を皆連行させた、彼等は生き返させられたうえで裁判と取り調べの後であらためて魂まで消す処刑や死ぬまでの強制労働の刑となったこうしてことの次第は終わった。
全てが終わると蒲は白を九江のある店に連れて行った、そこで炒飯や豚の脂がよく出てチャーシューも分厚い麺に豚腹煮込みに豚コマとターサイの中華炒め、チンゲンサイのスープを紹興酒と共に楽しんだ。デザートに杏仁豆腐もある。
そうして飲み食いを楽しんでいるその時に蒲の手にあるものが宿った、それは何かというと。
「雲笈七籤や」
「書やな」
「そや、これにはな」
その書を見つつだ、蒲は白に自分の心の中に言ってくることを話した。
「僕の知力を上げてくれてな」
「さらにやな」
「そや、モンスターや獣のことも教えてくれて」
「それでやな」
「これまで以上にや」
「獣使いとしてやな」
「モンスターや獣を使える」
そうなるというのだ。
「僕にとっては有り難い神具や」
「ええもん手に入ったな」
「それでな」
蒲は豚腹煮込み、柔らかいそれを食べつつさらに話した。
「神託を適えてな」
「それでやな」
「僕自身も強うなった」
心の中で言ってくるその言葉のことをさらに話した。
「全体的に一回りな」
「それは何よりやな」
「ほか新しく手に入った神具とな」
「強うなった力でやな」
「僕はこれからもな」
まさにと言うのだった。
「政も戦もやってくで」
「そうするな」
「そや、この世界を救うわ」
こう言ってだ、そしてだった。
蒲は酒も飲んだ。そうしてその単眼でこれからのことを見ていた。この世界を救う為に。
九江の下水道 完
2019・4・23
ページ上へ戻る