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九江の下水道

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第三章

「僕等もな」
「ちゃんとやな」
「動いて調べる」
「そうしていこな」
「ほなな」
 白も頷いて、であった。そうして」
 二人は蒲が出したモンスターや獣達と共に街の噂の真偽から調べていくことにした、それが神託だと察しつつ。
 二日かけて調べてだ、それから。
 蒲は白にだ、店で茶と菓子を口にしつつ話した。菓子は月餅やごま団子である。
「ほんまやったな」
「そやったな」 
 白は茶を飲みつつ蒲に答えた。
「独り身の人ばかりでも」
「ほんまにいなくなってる」
「一人暮らしやとな」
 どうしてもとだ、蒲は月餅を食べながら白に話した。
「いなくなってもな」
「すぐにはわからん」
「たまたま家族が家を訪問した」
「朝にな」
「それでおらんでな」
「今回の噂が出て来た」
「これはや」
 どうにもとだ、蒲は言った。
「ほんまにや」
「調べていかなあかんな」
「この街に人攫いがおる」
「しかもな」
「そや、友達連中が見た」
 モンスターや獣達がいうのだ、自分がこの九江に放った。
「夜の街を夜明け前までうろうろする一団をな」
「しかもその一団は、やな」
「マンホールを開けてや」
 そしてというのだ。
「そこから出入りしてる」
「そうなるとな」
「ほんまに下水道が怪しいな」
「そやな、下水道の中にな」
 まさにそこにというのだ。
「怪し気な一団がおる」
「それで人を攫ってよからぬことをしてる」
「そやったらな」
「ここはな」
 まさにと言うのだった。
「ここはや」
「調べていこな」
「下水道の方に入ってな」
 二人で茶と菓子を楽しんでからだった、二人は。
 実際にマンホールを開けてその中に入った、そうしてそのうえで中の通路を歩いて調べつつだった。
 そこでもだ、蒲はモンスターや獣達を獣使いの能力で下水道の中に放って調べさせてだ。彼等から話を聞いた。
 そしてだ、共にいる白に下水道の陰で話した。
「洒落にならんわ」
「ほなあれやな」
「そや、ここにや」
 この下水道の中にというのだ。
「モンスターを操るな」
「ならず者の一団がおるか」
「邪教のな」
 それのというのだ。
「それがおるわ」
「そしてその連中がか」
「この下水道の片隅を改造して」
 そしてというのだ。
「根城を築いてな」
「そこからやな」
「人も攫って」
「連中が今回の事件の黒幕か」
「そうやった」
「謎は解けたな」
「謎だけやない」
 まさにというのだった。
「もっとやばいことがわかった」
「何や」
「邪教や」
 このことからだ、蒲は白に話した。 
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