変わり果てた湖
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第三章
「湖の最も奥に」
「そこにやな」
「モンスターがいるか」
「何かあってな」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「湖に湧き出ているであろう強酸を塞ぐ為に」
「おいら達が何かせなあかんな」
「おそらく」
「そやろね」
郭も魯に言ってきた。
「やっぱり」
「そうやろうな」
「さもないと」
それこそというのだ。
「神託にもならんし」
「さて、具体的に何がどうか」
「そこが問題だね」
「ほんまに相柳がおっても」
魯はここでもこのモンスターの名前を出した。
「おかしないな」
「そこでもそのモンスターの名前出すんだ」
「あいつは毒も出すけどな」
「強酸も出すからね」
「そうしやタチの悪い奴やからな」
そうしたモンスターだからだというのだ。
「湖についてもな」
「確かに相柳の力だとね」
「簡単にああいう風に出来る」
強酸のそれに変えられるというのだ。
「そやからな」
「それでだね」
「そや、ほんまにな」
「相柳がいても」
「おかしないし」
「本当にいたら」
「やっつけたる、ただな」
若し相柳がいる場合についてだ、魯は述べた。
「相柳はな」
「うん、神話によるとね」
中国のそれからだ、郭は堪えた。
「相柳は倒されてもね」
「残った毒の沼地はどうにもならんかった」
「埋め立てるしかね」
「そうやったからな」
「本当に相柳がいたら」
その時はというのだ。
「湖はね」
「埋めるしかないな」
「そうなるね」
「残念やけどな」
二人でこんなことを話した、そしてだった。
二人で黒麒麟も交えてだった、そうして。
洞窟の最深部まで来た、そこに行く度に徐々に洞窟の中の強酸が増えてだった。奥に着くとだった。
強酸が果てに滔々と流れ込んでいた、魯はその強酸の流れを見て郭に言った。
「あそこからな」
「間違いないね」
郭もこう返した。
「湖につながっていて」
「強酸が流れ込んでる」
「そうなるね」
「幸いモンスターはおらん様やが」
「相柳もね」
「これはこれで厄介やな」
「さて、どうしたものかな」
郭の言葉は軽いが口調は深刻なものだった。
「これは」
「どうして栓をするか」
「一体どうするか」
「栓をするにしても」
「そして栓をしても」
そうしてもというのだ。
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