悲しい瞳
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第二章
「そこまで出来なくて」
「難しいな」
「そうなんだよね」
「悪くて賢い奴はほんま厄介やな」
「そうだね、まあその村長はこれから何とかするとして」
それはそれとして、と言うのだった。グレイカスは今はそれよりも自分達がやるべきことがあると言って言うのだった。
「まずは神託をね」
「そっちやね」
「何とかしようね」
「そやな、ほなな」
アユはグレイカスの言葉に頷いた、そしてだった。
二人で神託を探す為に村の冒険者のギルドに入った、するとそこにだった。
その評判の悪い村長からの依頼が来ていた、浮島にある標高二千はあるマケマケ山にいるモンスターを倒して欲しいというものだった。
その依頼を見てだ、グレイカスは冷めた目になって言った。
「多分これがね」
「神託やな」
「うん、僕はそう見たけれど」
「その村長からの神託かいな」
「これはね」
「神託でもな」
「嫌な依頼主だね」
こう言うのだった。
「ほんまに」
「そやな、けどな」
「これが神託だと思うから」
「これからな」
「この依頼受けようね」
「そうしよな」
アユはあからさまに嫌そうな目だった、だが神託ならとなってだった。
二人でギルドの事務所に身分を隠したうえで依頼を受けると言ってだ、そうして依頼主の村長の屋敷に言ったが。
グレイカスは依頼の山に行く時にアユに言った、二人で冒険の旅に入りつつその入り口で言うのだった。
「噂には聞いていたけれど」
「ああ、噂ってな」
「時として事実より下なんだね」
「あんな悪質そうなオークってな」
村長は種族としてはそちらなのだ。
「そうおらんな」
「そうだよね、偉そうでね」
「あからさまに底意地悪そうでな」
「あれは明らかなね」
「悪人やな」
「それも極悪人だね」
グレイカスは言い切った。
「トコマ=タカサっていう名前はね」
「覚えとかなあかんな」
「パプワニューギニア屈指の悪人として」
「何時か成敗せなあかんな」
二人で話してだ、そしてだった。
山に向かっていった、途中多くのモンスターが出たが二人はそれぞれの身体能力と術を活かして戦っていった。特にだった。
グレイカスは自身の神具である空も海の上も中も何処でも歩ける靴を使って存分に戦い前に進んだ、そうしてだった。
山の中に入って結構経ったところでアユに言った。
「今回の依頼のモンスターだけれど」
「ああ、ヒポグリフのな」
「その中でも特に強い」
「サンダーヒポグリフな」
これはと言うのだった。
「それやっていうけれど」
「ヒポグリフは空飛ぶよね」
「それで山の高いとこにおるな」
「そうだけれど」
「あんた空歩いて登ってそこも観てきたな」
「遠くからね、術使っても飛べるけれど」
それでもというのだ。
「僕の場合靴使った方が速いから」
「そやね、その靴歩くのも速くしてくれるし」
アユはグレイカスが今履いている靴、青いそれを見て言った。
「それでやね」
「音速の五倍で動くことも出来るから」
「確かに飛んだ方が速いわ」
「それで見たけれど」
山の上の方をというのだ。
「そこも密林になっていてね」
「ヒポグリフって岩山にいるわよね」
「そうだしヒポグリフみたいな目立つモンスターの姿が」
そこにはというのだ。
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