ロックマンX~Vermilion Warrior~
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第105話:Hope
エニグマ作戦から30分後、仮眠を取って精神的な疲労を取ったエックス達は司令室に戻ったのだが、何故か疲弊しているエイリアに疑問符を浮かべた。
「ねえ、アイリス?エイリアはどうしたの?調べ物にしては疲れてるようだけど?」
「え?あ、まあ…色々あったってことで…」
アイリスはルインの問いに答えるべきかと少し悩んだが、取り敢えずゲイトとエイリアの出来事は黙っておくことにした。
「へ?」
「気にしなくてもいいわ、ルイン…とにかく、スペースシャトルの補強に必要なパーツの在りかを見つけたわ…」
疲れ果てたような声を出すエイリアだが、エニグマの時と同様、シャトルの補強に必要なパーツとそれを所有する人物をモニターに出す。
「この4人がシャトル補強のパーツを持っている。」
スパイク・ローズレッド:詳細不明
レプリフォースにて開発された最新型のオービターエンジンを隠し持つ。
「レプリフォースの極秘施設にて開発された最新型のオービターエンジン…これを隠し持つのがシグマウィルスが地上に蔓延した際に突如現れた謎のレプリロイドであるローズレッドだ。この周辺はシグマウィルスの濃度が極めて高く、どのようなイレギュラーが潜んでいるかは分からないので施設に向かう者は気を付けて欲しい。」
バーン・ディノレックス:武器倉庫の番人
高出力ブースターロケットを所有。
「次は元レプリフォース隊員のディノレックス。彼はマグマエリアの豊富な地熱エネルギーを利用して製造した数多くの武器を隠匿していると聞くが、その彼が保有する高出力ブースターロケットを手に入れてきて欲しい」
スパイラル・ペガシオン:レプリエアフォース
レプリエアフォース本部にオービターウイングがある。
「次にレプリフォースの空軍長官のペガシオンが司令官を務めるレプリエアフォース本部。シャトルの推進力を高めるのに必要なオービターウイングを所持しているので、彼らと交渉し何とか譲渡してもらいたい。」
ダーク・ネクロバット:謎のイレギュラー
大容量エネルギータンクを持つ。
「最後に謎のイレギュラーであるネクロバットが潜んでいる大型プラネタリウムを持つスペースラボラトリーだが、長距離でのシャトルの稼動と移動に欠かせない高純度のエネルゲン水晶液の大容量エネルギータンクが数多く保有されているが、こちらも大量のシグマウィルスに汚染されているため、かなりの危険区域だ。」
「おいおい、まともな場所がレプリエアフォース本部しかねえじゃねえかよ…」
エアフォース以外はシグマウィルスが蔓延している危険地帯か元から危険地帯なので、これにはルナでさえ表情を歪める。
「他はシグマウィルスに汚染されていたり火山地帯と…明らかに危険地帯だね」
アルティメットアーマーのデータファイルの解析を中断してきたゲイトがルナの呟きに同意する。
「シャトルの補強に必要なパーツを集めてきてもらいたいが、タイムロスを避けるためお前達4人にはそれぞれ同時に別の目標地点に向かってもらおうと思っている」
「へ?私達一斉にですか?」
ダイナモによるエニグマ襲撃の後であるにも関わらずに言い放たれたシグナスの言葉にルイン達は目を見開く。
「ん?ちょっと待て、4人って…もしかしてそれには俺も数に入ってたりすんの?」
自分を指差しながらルナがシグナスに尋ねると、彼は頷くことでルナの疑問に答えた。
「その通りだ。君は確か不思議な能力の関係上、シグマウィルスの影響を全く受けないのだろう?それはシグマウィルスの温床と化していたホタルニクス博士の研究所からイレギュラー化することなく無事に帰還してきたことで良く理解出来た。出来れば君にはエネルギータンクのあるスペースラボラトリーに向かってもらいたい。」
それを聞いたルナは心得たと言わんばかりに頷いた。
「なるほどな、スペースシャトルの強化に必要なパーツの中で最も重要度が高いのは言うまでもなく燃料だしな。確かに確実に手に入れられるよう、完全な対ウィルス性能を持つ俺がスペースラボラトリーに行くべきだな」
「君の能力は本当に興味深いよ。出来ることなら解析したいが、君は拒否するだろう?」
「当たり前、他人に身体を弄られるなんてごめんだね。それよりもダイナモはどうすんだ?正直、俺達が留守の時に襲撃かけられたらやべえんじゃねえの?」
ルナの言う通り、ダイナモが自分達が留守中の間に襲撃して来たら食い止める手段は何もない。
何せダイナモはエニグマ整備に宛てがっていたハンター達を全員あっさりと叩き伏せてしまったのだから。
「だが、コロニーの落下予測時間を考えれば、君達全員が目的地に同時に向かわなければ間に合わない可能性もある。」
エックス達の誰かがパーツを素早く回収し、ハンターベースに戻ってきてくれれば安心出来るがそれはかなり分の悪い賭けだ。
しかし多少なりとも成功の可能性が残されている以上、多少のリスクを冒してでもやらねばならない。
「残り時間はもう後僅かしかない。しかし、エニグマのパーツを提供してくれた者達が我々に与えてくれた時間を活かして出来うる限りの補強のパーツを集め、絶望を希望に変えるのだ。エニグマ作戦が失敗した今、我々にはもう失敗は許されないのだから。」
作戦成功の可能性は極めて低いと言う厳しい状況の中、それでも彼らは僅かな希望を見失わない…見失うわけにはいかない。
どのような絶望が迫ってきても抗い続ける…それがイレギュラーハンターなのだから。
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