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ある晴れた日に

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164部分:共に生きその十四


共に生きその十四

「ちゃんとまとめ役もてくれているしな」
「まとめ役って?」
「だから竹林だよ」
 未晴の名前を出してきた。
「中森なんかは特にあいつの言葉に弱いだろ?」
「そういえばそうだね」
 何故かクラスの話題には完全には通じていないところもある竹山だった。
「やっぱりあのグループだからね」
「あの六人は竹林あっての六人だからな」
「そういえばそうだね」
 やはりクラスのことにはまだ完全に通じてはいない感じである。
「それはね」
「何か頼りない言葉だな、おい」
「そうかな」
「そうだよ。とにかく竹林がいるからな」
「うん」
 頼りない感じではあってもしっかりと正道の話は聞いている竹山だった。
「まず中森は大丈夫だ」
「ちゃんとしてくれるんだね」
「あいつがしっかりしていれば北乃も余計に気が張るしね」
「最近あの二人凄く仲いいしね」
「かえって怖い位にな」
 ここで正道の目が少し歪んだ。
「まさかと思うがレズじゃないよな」
「それはないんじゃないの?」
「何か怪しいんだよ」
 これは彼だけが感じていることではなかった。この二人の仲があまりにもいいので咲や茜達も怪しいものを感じだしているのである。
「あいつ等彼氏なしだよな」
「そうなの?」
「そうなのて。知らないのか」
「そういう話題はちょっと」
 右手を自分の頭の後ろに手をやって言った言葉だった。
「悪いけれどね」
「そういう話もあるんだよ」
 あらためてこのことを竹山に話すのだった。
「だから余計にな」
「怪しいんだね」
「そういうことさ。まあそれならそれでいいか?」
「いいんだ」
「誰が誰を好きになろうが別にいいんだよ」
 そういうことにはかなりリベラルな正道だった。
「略奪とか浮気とかそういうのじゃなければな」
「まあそういうのはよくないよね」
「そうじゃないんならな」
 いいとするのだった。
「例えガチレズだったにしてもな」
「同性愛にもそういうのあるからね」
「そういうのは知ってるんだな」
 少し驚いた顔になって竹山に言った。これには少し驚きだったのは。
「どうなってるんだよ」
「まあこういうのも歴史に残ってるしね」
「残ってるのかよ」
「ほら、武田信玄だって」
「あの人あっちの人だったのかよ」
 今度はその顔を思いきり顰めさせた正道だった。
「嘘だろ!?」
「いや、本当だよ」
 しかし竹山は事実だと言うのだ。
「あの家臣の高坂昌信」
「信長の野望に出て来るあの人か」
「あの人ってそれこそ絶世の美男子でね」
「で、その美男子を愛人にしていたっていうのか」
「そういうこと」
 なおこれは歴史的事実である。武田信玄はこの高坂昌信という才色兼備の男を家臣としてだけでなく恋人としても愛していたのである。
「それで浮気をしていないっていう潔白を証明する手紙も残ってるしね」
「信玄が書いたやつがか?」
「そうだよ」
 そのこともはっきりと言う竹山だった。
「ちゃんと残ってるから」
「凄いな」
 正道は絶句してしまっていた。
「それはまたな」
「けれど本当のことだよ」
「それでも凄いだろ」
 こう言うのだった。
 
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