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レーヴァティン

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第九十八話 五都市連合その七

「あの街も西に重要な交易路を持っていますが」
「遮断したり出来るな」
「ですから」
 それでというのだ。
「ニースにも働いてもらいましょう」
「そうだな、じゃあな」
「ここはですね」
「ニースにも働いてもらうか」
「そしてです」
 順一はさらに話した。
「五つの都市以外の街や村にもどんどん使者を送り」
「こちらに誘いをかけていくか」
「そうしましょう、今は敵ですが」
 それでもというのだ。
「彼等にもそれぞれの思惑があるので」
「その思惑を見抜いてな」
「釣っていく様にして」
 順一は久志に釣りに例えて話した。
「街や村をです」
「一つ一つか」
「こちらに入れてきましょう」
「これまで話した通りにな」
「ではこれより」
「ああ、ボローニャだ」
 そこに行くとだ、久志は決定した。こうしてだった。
 久志達は源三を留守役に残して十万の兵を率いてローマを出発しボローニャに向かった。そうしてだった。
 すぐにボローニャに着いた、そのうえで情報を集めるとだった。
「何だ、どの街もまだか」
「軍勢を集めている最中だね」
 淳二が久志に応えた。
「本当に」
「思ったより遅いな」
「遅いというかこっちが速いね」
「情報聞いてすぐに動いたからか」
「あとうちは軍隊はいつもすぐに出せる様にしているから」 
「それでか」
「あと進軍も速いしね」
 このこともあってというのだ。
「だからだよ」
「相手が動くよりもか」
「ずっと速く動けているんだよ、じゃあね」
「ああ、先んずればだからな」
「人を制するっていうし」
「早速動くか」
 久志は確かな声で言った。
「そうするか」
「じゃあ何処を攻めようか」
「そうだな、まずは一番兵力の少ないな」
 地図を開いて観つつだ、久志は淳二に応えた。
「ミラノか」
「あの街だね」
「兵も少ないしな」
「それにミラノを手に入れたら」
「トリノ、ジェノヴァってな」
 この二つの街もというのだ。
「攻めていけるしな」
「丁度いいね」
「ああ、じゃあ敵が兵を集めていない今にだ」
 まさにというのだ。
「素早く動いてな」
「そしてだね」
「いきなり街を一つ攻略してな」
「敵を驚かせるんだね」
「敵を驚かせる」
 久志は笑ってこうも言った。
「もうその時点で戦ではかなり有利に立ってるしな」
「ここはだね」
「ミラノ攻めるか」
「じゃあね」
「ここに二万の兵を置いてな」
 拠点防御、そして予備戦力としてだ。
「八万の兵でミラノ攻めるか」
「そうしようね」
 淳二も頷いてだった、久志達は十万の軍勢と共にボローニャに到着してすぐにだった。ミラノに向けて進軍を開始した。 
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