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レーヴァティン

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第九十八話 五都市連合その二

「皆笑顔になってだろ」
「それが嬉しいことですか」
「俺にしたらな、だからな」
「今の様な政を行われていますか」
「そうさ、内政を充実させてな」
 そのうえでというのだ。
「領土を豊かにしていっているんだよ」
「街も村も道も整えていますね」
「港もな、そうしていってな」
「領土を豊かにし」
「領地の民も幸せになってもらってるんだよ」
「治安も徹底させて」
「裁判も公平にな」
 そして法律の施行もというのだ。
「しっかりとしてるんだよ」
「そうですか、我々が考えていた通りですね」
 使者は久志の話をここまで聞いて述べた。
「ではです」
「それならか」
「我がニースは是非です」
「俺達の勢力に入ってくれるか」
「その判断に間違いはなかった様です」
 使者は久志に微笑んで答えた。
「まさに、それでは」
「ああ、ただな」
「ただとは」
「俺達の勢力とニースの間にはジャノヴァとミラノがあるよな」
 この二つの都市がとだ、久志は使者に頭の中に半島北部それも北西部を描きながらそのうえで話した。
「この二つの街にそっちが睨まれるからな」
「今は、ですか」
「俺達の勢力に入ることはな」
「隠しておけというのですね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「そっちの安全の為にな」
「我々がミラノやジェノヴァに睨まれ攻められない様に」
「攻められないまでも嫌がらせとか受けるだろ」
「そうしたことがない様に」
「今はな」
 久志は使者にあらためて話した。
「内緒にしておけよ」
「我が街のことを気遣ってくれるとは」
「いやいや、自分の勢力を気遣うのは当然だろ」
 久志は使者に平然とした口調で答えた。
「それはな」
「だからですか」
「本当にな」
「このことはですか」
「いいからな」
 久志はまた使者に平然とした口調で答えた。
「それは」
「当然だからですか」
「別にな、それでな」
「はい、まずはですね」
「ああ、俺達の勢力に降ったことは言わないで」
 そしてというのだ。
「平和に暮らしていけよ」
「わかりました、では」
「それとな」
 久志は使者にさらに話した。
「情報は教えてくれ」
「各地のそれはですか」
「ニースは保養地で島の色々な権力者が休養に来るだろ」
「その人達からですね」
「色々と情報をな」
 それこそというのだ。
「教えてくれよ」
「そうですか、では」
「あとそっちの人事はそのままでな」
「変更なしですか」
「税率もな」
 そちらもというのだ。
「少なくとも今以上に重くしない、あと内政はな」
「さらにですね」
「充実させるな、それと商売は自由だ」
 このことも保証するというのだ。 
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