魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第百八十二話
「にゃぉーん?」
目が覚めるとラウラに抱っこされていた。
訳がわからない。
時計を見ると19時過ぎ。
「にゃー」
「起きたか。一夏」
炬燵の向かい側にいたのは姉さんだ。
「にゃー?」
「私とお前の出自を、話した」
そっか。
「うなー?」
「ん? ラウラもお前を気に入ったんだろうさ」
だろうね、めちゃくちゃモフってるし。
「にゃ?」
「めいぷるなら奥の部屋で寝ているぞ」
「にゃー?」
「いや、人化は解かせてから小型犬サイズにさせた。でかいからな」
身長3メートルだもんな…。
俺も猫としては大きいけど…。
というか俺を抱いているラウラはおもくないのかな…?
上を見上げる。
ラウラと目があった。
「?」
コテン、と首を傾げている。
「にゃー」
「重くはないぞ、兄様(にいさま)」
兄様?
姉さんの方を向く。
「おかしくはあるまい。ラウラは妹のような者なのだから」
そりゃぁそうだけども。
暫くラウラにモフられた後。
「ラウラ、そろそろ一夏を離してやれ。夕食を作って貰わないといけないからな」
「みゃー」
「私よりお前の方が上手いだろう」
はぁ…しかたないな…。
「みゃぉー」
「むぅ……」
ラウラが渋々放してくれた。
人に戻り、キッチンに立つ(っていうか浮く)。
「何かリクエストは?」
「お前の作る物ならなんでもいいぞ」
「兄様の得意料理」
はいはい…。
「ラウラってオムライス食った事無いの?」
「無いぞ、兄様」
夕食はオムライスを作った。
食べ終え、片付け、今は姉さんの晩酌につきあっている(っていうか俺も飲んでる)。
途中で来たクラリスがオムライスを食べたそうにしてたので追加で作ったりもした。
「意外だな…。オムライスといえば洋風日本食の代表例みたいな物なんだが…」
「洋風日本食はあんまり浸透してませんよ。スシやソバが強いですからね」
なるほど。
カシュ! とクラリスがビールの缶を開けた。
「ん? どうしましたラウラちゃん?」
「私も飲んでみたい」
「はい、どうぞ」
クラリスに渡されたビールを飲んで、ラウラが顔をしかめた。
「ラウラちゃんにはまだ早かったですかね」
ラウラから返された缶を煽るクラリス。
「つかいいのかよ。明日も訓練とかあるんだろ?」
「私ザルですから」
なんでそういう言い回しを知ってるんだドイツ人。
「安心しろ私がワクなのはお前もしってるだろ」
なるほどアンタが教えたのか。
「まぁ流石にスピリタスのイッキ飲みなんてすればつぶれるがな」
「当たり前でしょ。姉さんは人間なんだから。怪異に首までドップリの俺と比べるのは間違いさ」
「そうだな。吸血鬼のお前とでは次元が違うか」
ウォトカを開けて、コップに注ぐ。
「一夏君吸血鬼なんですか?」
あれ? クラリスにいってなかったっけ?
「この間鏡にうつらないのも、影が無いのも見せたじゃん」
「あの時は魔法かと…」
ああ、そういえばそうだったな。
「一夏、そういえば奏は何をしているんだ?」
「さぁ? 俺の影でアニメでも見てるんじゃね? コア渡しといたし、アクセスできない場所なんて無いでしょ」
「おい、一夏」
姉さんがクラリスとラウラに視線を向けた。
ああ、そっか。
「まぁ、でも。毎日マグカップ一杯分の血はあげてるし暴走はしないでしょ」
「されてたまるか」
その後もクピクピ飲んでいた。
で、姉さんがある酒を取り出した。
「一夏、呑むか?」
「なにそれ?」
「私の秘蔵だ」
怪しい……。
断る暇もなく、コップに酒を注がれた。
試しに飲んでみる。
「あ、美味しい」
「そうか。なら好きなだけ呑むといい」
「にゃぁー…」
side out
千冬が注いだ酒のラベルには、キウイの絵が書いてあった。
キウイ。
マタタビ科マタタビ目の果実の総称だ。
マタタビ。
それは猫を狂わせる果実。
つまりどうなるかと言えば……。
「みゃふふふふ……にゃふふふ…」
手足を折り曲げ仰向けになった一夏が、千冬に擽られる度に真底面白そうに笑う。
「……教官。弟のグラスにクスリを盛るのはどうかと思いますよ」
「そんなものは盛っていない。ただのキウイ酒だ。まぁ、マタタビ酒とも言い換えられるがな」
「マタタビ……あ」
日本好きのクラリッサは直ぐに合点が行ったようだった。
「そういうことだ」
クラリッサが炬燵の中から足を伸ばして一夏をつつく。
「みゃふっ…みゃふふふぅ……」
「………なんでしょうこの背徳感」
「癖になるだろ?」
クラリッサがやや蔑みを込めて千冬を見る。
千冬はそんなのは気にせずに一夏をいじり続ける。
「ラウラ、お前もどうだ?」
千冬が悪い顔でラウラを手招きした。
寝転ぶ一夏の隣に腰をおろしたラウラが一夏をつつく。
「んみゃぁぁん……」
「教官。我が隊のオアシスに毒を投げ込まないでください」
「案ずるな」
千冬の隣では一夏とラウラがじゃれあっていた。
「これはこれで良いものだろう?」
「ですねぇ」
千冬とクラリッサが見ていると、一夏が獣化した。
「みゃー…」
「ラウラ」
「なんでしょうか姉様」
「部屋に連れていっていいぞ」
「本当ですか!?」
「ああ」
ラウラは一夏を抱き抱え、嬉しそうに出ていった。
「いいんですか?」
「かまわんよ」
「じゃぁ私もそろそろ戻ります」
「わかった」
クラリッサも出ていき、部屋には千冬だけが残された。
「これでラウラも丸くなるといいんだがなぁ…」
後書き
引っ越しにつき本を自宅に置き去りにしたので幾つかの作品を事実上凍結します。
まぁ、ほとんど凍結してるような物ですが。
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