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レーヴァティン

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第九十七話 会戦と攻城戦その十

「どうやら」
「そうか、それじゃあな」
「ここはですね」
「ああ、ジェノヴァとミラノをな」 
 この二つの街をというのだ。
「攻略するか、それじゃあニースにはな」
 この街にはというと。
「使者を送るか、それと北西の他の街や村にもな」
「使者を送っていきますね」
「そうしていくな、本当に戦わずして済むのなら最善だよ」
 久志はこころから言った。
「だからな」
「そうね、ただ北西に気を取られていると」
 留奈がここで久志に話した。
「北東が動くわよ」
「ヴェネツィアとかトリエステか」
「特にヴェネツィアね、あの街はむしろジェノヴァやミラノ以上に勢力が大きくて」
「しかもだよな」
「軍隊も大きいわ」
「特に湖軍がな」
「あの国は水運国家だからね」
「景色はいい街で繁栄してるけれどな」
「その繁栄がよ」
 かえってというのだ。
「敵としては厄介なのよ」
「強い敵は問題だってことだな」
「そうよ、若しかしたらもうミラノやジェノヴァと話をしていて」
 そうしてとだ、留奈はさらに話した。
「三都市で手を組んでね」
「こっちに対するか」
「そうしてくるかも知れないわよ」
「それは厄介だな、じゃあな」
「考えがあるかしら」
「ああ」
 その場合はとだ、久志は留奈に答えた。
「まずは会戦でな」
「それでっていうのね」
「相手が出てきたらだけれどな」
「各個撃破していくのね」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「ヴェネツィアは後回しにして」
「ミラノとジェノヴァを倒す」
「そうするな、今こっちの兵は十五万だ」
 ボローニャ等の兵も組み入れ新たに雇いもした、そうして十万から十五万まで兵を増やしたのである。
「その十五万から十万を率いてな」
「三つの都市の軍勢を倒すのね」
「それも各個にな、三つの都市の軍隊が合流するなら」
 その前にとだ、久志は腕を組んで言った。
「合流前にだ」
「それぞれの都市の軍隊に向かって」
「各個にな」
 文字通りにというのだ。
「叩いていくな」
「そうして敵を退けて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「ヴェネツィアの動きを封じてな」
「その間にミラノとジェノヴァね」
「そうしていくな」
 久志は留奈に自分の戦略を話した。
「じゃあいいな」
「ええ、まずは北西ね」
「そちらに軍勢を進めるな、それとな」
 久志はさらに言った。
「敵の情勢も欠かさず調べるけれどな」
「北もいいけれどね」
 淳二は久志に腕を組んで彼に応えた。
「南の方もね」
「今は何もしていないけれどな」
「そっちも見ていないとね」
「諜報を行っていくか」
「あっちもね、まあ南はね」
 半島のこの地域はとだ、淳二は久志に話した。
「北のミラノやヴェネツィアみたいな国家レベルの勢力の街は少ないから」
「ナポリ位か」
「うん、けれど緩やかな連合を組んでるからね」
「南を攻めるとか」
「その連合との戦いになるよ」
 そうなるとだ、淳二は久志に話した。 
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