インフィニット・ロックマン~黒の弟と青の姉~
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疑問
前書き
ロックマン7のグラフィックがパワーファイターのみにしか使われていないのが少し残念。
Dr.ライト研究所
「うぅ・・・・・・はっ!」
気がつけばチフユは、自宅のベッドで寝かされていた。
「あっ、姉さん。気がついた?」
看病してくれていたのかロールが汗だらけの彼女の顔を冷やしたタオルで拭く。
「わ、私は・・・・・・・」
「ロックが心配してたわ。チフユ姉さんが急に気を失っちゃったって。でも、目が覚めてよかった。」
「・・・・・・ロール、私は一体どれくらいうなされていたんだ?」
「5時間ぐらいよ。なんかイチカ、イチカって言っていたけど?」
「・・・・・・・」
チフユの深刻な表情を見てロールは心配する。
「大丈夫?姉さん、最近新しいロボットの研究で徹夜していたから疲れているんじゃ・・・・・・」
「・・・・・・いや、大丈夫だ。ロックは?」
チフユは、淹れてもらってハーブティーを飲み終えるとベッドから起き上がる。
「ロックなら姉さんが寝ている間にワイリーのロボットたちと戦いに行って来て帰ってきたばかりよ。」
「そうか・・・・・寝ていてロックに負担を掛けてしまったな。謝りに行くとするか。」
チフユは、部屋から出るとライトの研究室へと向かう。
頭の中には未だに一夏とフォルテが別人には見えない自分がいた。
(・・・・・・まだ、私は一夏のことを引きずっているのか?確かにアイツは、あの時私のせいで・・・・・・・でも、もしかしたら・・・・・・いや、それなら私と同じ現象に遭わなければならない。だとしたら他人の空似だとでもいうのか?)
部屋の前に着き、チフユはドアノブに手をかける。
『ところでライト博士、フォルテは一体何をしようとしているのでしょうか?』
「!?」
部屋の中ではロックとライトが会話をしているようだった。チフユは耳を澄ませて会話を聞く。
『うむ、行動を見る限りは敵ではないと思うんじゃが・・・・・』
ライトはしばらく黙るとまた話し出す。
『ロックマン・・・・・・わしはどうもフォルテがチフユと何か関係があるのではないかと思うんじゃ。』
『フォルテとチフユ姉さんが?』
『お前やロールにも打ち明けたがチフユはそもそもこの世界とは別の世界で生きていた人間なんじゃ。その時チフユには、一人の弟がいたらしい。』
『でも、博士。フォルテはロボットですよ?』
『じゃが、どうしても無関係だとは思えないんじゃ。飽くまでも可能性だが弟のイチカ君をモデルに製作したかもしれん。だとすればフォルテの製作者はイチカ君と繋がりがある筈なんじゃ・・・・・』
『だとすれば・・・・・イチカ君は姉さん同様にこの世界に迷い込んでいるという事ですか?』
『まだ、はっきりとは言えんがわしはそうだと考えておる。』
『・・・・・・』
『この事は、まだチフユには黙っておいておくれ。あの子に二度も辛い思いをさせたくないのでな。』
『はい、わかりました博士。』
ドア越しで聞こえてくる二人の会話を聞いてチフユは、改めて二人の優しさを感じた。
(・・・・・・・・ありがとう、お父さん。ロック。)
2人に心配かけさせまいとチフユは、深呼吸をし、ノックをして部屋に入って行く。
「あっ、チフユ姉さん。」
「すまなかったロック。私が気を失っている間のことはロールから聞いた、お前一人にやらせてごめんな。」
「チフユ、もう大丈夫なのか?」
「はい、ご心配おかけしました。もう、大丈夫です。」
「そうか・・・・・ん!?」
その直後、モニターにサイレンと共に映像が映し出される。
「大変じゃ!ワイリーがロボット博物館を襲っている!チフユ、行けるか?」
「はい、いつでも。」
「二人とも、急いで博物館へ向かってくれ。」
「行くぞ、ロック。」
「うん!」
2人は急いでロボット博物館へと向かった。
ロボット博物館
2人がロボット博物館へと到着した頃には、ワイリーは既に引き上げようとしていたところだった。
「うん?ノコノコとやってきおったか。」
ワイリーは円盤から二人を見下ろす。円盤のアームには博物館で展示されていたガッツマンの試作機が握られている。ちなみにオリジナルは今でも建設現場でバリバリと働いている。
「ワイリー、ガッツマンの試作機をどうするつもりだ!」
「フン、小娘が。ワシがそんなことを言うと思っておるのか?」
ワイリーは、指を鳴らす。すると上から2人よりも巨大なロボット マッシュが落ちて来た。
「お前たちはコイツの相手でもしていろ。ワシは忙しいのでな、さらばじゃ!ガッハッハッハッハッハ!!」
ワイリーは円盤の中に戻り、飛び去って行く。マッシュは飛び跳ねながら二人に襲い掛かる。
「コイツ!」
チフユは、右腕をバスターに変形させてマッシュの頭部を狙い撃つ。するとマッシュの頭部は飛ばされてしまい、見境なく暴れ始める。
「なっ!?」
チフユは、マッシュの体当たりを避けながらバスターを連射する。しかし、ボディ自体にダメージが通った様子はない。
「バスターでダメージを受けないとは・・・・・・」
マッシュは、頭部を拾ってくっつけ直すと再び二人に向かって来る。
「姉さん、アイツはどうやら頭が脆いようだよ。あれをうまく利用すれば・・・・・・」
「よし、ならタイミングを合わせるぞ。」
2人はバスターを構えて迫り来るマッシュに備える。
「「ダブルチャージショット!!」」
2人のチャージショットでマッシュの頭部は勢いよく吹っ飛ぶ。
「今だ、ロック!!」
「デンジャーラップ !」
ロックマンは、マッシュの頭部をスーパーシャボン液で構成された爆弾入りシャボンに閉じ込める。シャボンは頭部を包み込んだままフワフワと飛んでいき、勢いよく爆発する。
同時に飛び跳ねて暴れていた胴体も機能を停止した。
「何とか倒せたな・・・・・」
「うん。でも、ワイリーはなんでガッツマンの試作機を盗んで行ったんだろう?」
「私にもわからない。取り敢えず、ここにはもう敵は来ないから一旦家に帰ろう。」
Dr.ライト研究所
2人が研究所に戻るとライトが慌ただしい様子で出迎えた。
「大変じゃ!また、ワイリーの戦闘ロボットたちが街で暴れておる!」
「なっ!?本当ですか、お父さん!?」
「すまないがすぐに向かってくれ!」
2人は帰ってきたばかりなのにもかかわらず再度出動する。
「あっ、チフユ姉さん。今回の特殊武器のデータ、まだ渡していなかったからロードするね。」
ロックマンはバスターからメモリーチップを取り外してチフユのバスターにデータをコピーする。
(フリーズクラッカー、インストール完了。)
(ジャンクシールド、インストール完了。)
(デンジャーラップ、インストール完了。)
(サンダーストライク、インストール完了。)
「これで姉さんも特殊武器が使えるようになったよ。」
「ありがとな、ロック。」
2人は二手に別れてワイリーのロボットたちの元へと向かった。
森林エリア
チフユは、ロックマンと別れて森林地帯に密かに建設されているという秘密基地へと向かっていた。やはり情報は事実のようで基地付近には恐竜型メカが大量に配置されており、チフユはそれらを撃破しながら奥へと進んで行った。
「ここがこの基地の中枢部か。」
チフユは扉をバスターで破壊して乗り込む。
中には人の気配はなく警戒しながら中に足を踏み入れるとすさまじい殺気が彼女を襲った。
「くっ!?」
チフユは急いでその場から離れる。
「シャアッ!!」
するとそこには鋭い爪を持ったロボットが降りて来た。
「よくここまで来れたな!ロックマンって奴が来るかと思ったがまさか女だとはな!!」
「・・・・・お前もワイリーのロボットか?」
「俺はスラッシュマン!さあ、楽しませてくれよぉ!!」
スラッシュマンは、回転しながら天井を昇ると木の実のような粘着弾を落としてくる。
「これは粘着弾・・・・!?」
「遅いぜ!!スラッシュクロー!!」
粘着弾に気を取られたチフユの目の前にスラッシュマンが迫る。
「まずい!」
バスターを展開する時間がないと判断し、チフユは刀剣型近接武器「雪片」を取り出し、スラッシュマンの爪を受け止める。
「なっ!?剣を持っていやがったのか!?」
「生憎、私はこっちの方が得意なんでな!」
チフユは、雪片で切り返しをすると、スラッシュマンの脇腹を斬りつける。
「ちぃ!やってくれたな!!」
スラッシュマンは、再び天井に駆け上がろうとするがチフユは見逃さない。
「フリーズクラッカー!!」
「何っ!?」
氷の塊が命中するとすさまじい温度の変化でスラッシュマンの体は凍り付いてしまう。
「うわあああぁぁああ!!?冷てえっ!?なんだこりゃぁ!?」
凍り付いてしまったスラッシュマンは身動きが取れなくなり、その場に倒れてしまう。
「これでもう動き回れんだろう。」
「くそ~!!このくら・・・・・グハッ!?」
身動きが取れなくなったスラッシュマンにとどめのバスターを浴びせる。
動かなくなったスラッシュマンの体からチフユは、特殊武器のデータを取り、バスターにインストールする。
「『スラッシュクロー』、小惑星破壊用カッターを小型化し・・・・・・・恐ろしいものを取り付けたものだな(汗)。」
チフユは、一旦戻るべく簡易転送装置で引き揚げた。
後書き
今年もロックマン新作いでよ!!
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