| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九十七話 会戦と攻城戦その五

「三重とかあるしな」
「そうね」
「この島だとビザンチウムとかな」
「三重の城壁に囲まれているわね」
「とんでもない守りだよな」
「そう、だから二重もね」
 それもというのだ。
「普通よ」
「そうだよな、じゃあな」
「その二重の城壁をね」
「今から壊してやるか」
「砲撃でね」
「ああ、幾ら大軍や術に強くてもな」
 それでもとだ、久志は確かな笑みを浮かべて言った。
「それでもだよ」
「難攻不落のお城はあってもね」
「それは言われているだけでな」
「絶対に攻め落とせないお城はないわ」
「そうだよ、絶対に得点を入れられないキーパーだっていないんだからな」
 久志は自分達が起きた世界のスポーツの話もした。
「だからボローニャもな」
「今からね」
「攻め落とせる様にしてやるさ」
「では今から」
「全砲門射撃用意」
 久志はこの命令を下した、すぐにローマ軍の全砲門に砲弾が入れられて射撃用意に入る。暫くして砲兵士官の一人が久志に言って来た。
「護民官、全砲門射撃用意完了です」
「よし、撃て」
 久志は一言で言った、するとだった。
 ローマ軍の全砲門が轟音と共に火を噴いた、その辺り一帯を覆う様な激しい音がボローニャの周りを包み込み。
 砲弾が唸り声をあげて城壁を打った、すると一撃でだった。
 城壁や門に大穴が空いた、この状況に城壁を守るボローニャの将兵達は唖然となった。だがこれに終わらず。
 久志は砲撃命令を次々と出した、こうしてボローニャの城壁や城門は瞬く間に破壊され三時間後には。
 多くの場所は崩れ落ちていた、久志はその状況を見て言った。
「さて、これでな」
「ボローニャは丸裸同然ね」
「ああ、もうこうなったらな」
 多くの場所が破壊されている、そうなってはだった。
「もう町の中に突入してな」
「攻め落とせるわね」
「ああ、けれどこれで勝負ありだよ」
 双葉に確かな声で答えた。
「だからな」
「ここはね」
「降伏勧告をするか」
「それで降すのね」
「ああ、もう敵も唖然となってるしな」
 まだ城壁に敵兵達がいるが誰もがそうした顔になっている。
「まさか攻め落とされるとは思っていなかったんだろ」
「こっちが大砲をここまで用意してね」
「何十門とな」
「それで総攻撃してくるとはね」
「思ってなかったな、こっちの島じゃな」
「あまり大砲は重要視されてないみたいだから」
「そうだな、重いし撃つのに手間がかかるしな」
 それでとだ、久志は双葉に応えて話した。
「術の方がいいからな」
「強力な術もあるし」
「だから大砲はな」
「あまり重要視されていないわね」
「ああ、けれどな」
 それでもと言うのだった。
「敵兵や術に備えていてな」
「あと攻城兵器もね」
「それへの備えはあってもな」
「具体的には見えなかったけれど」
 攻城兵器への備え、それはというのだ。
「けれどあったのでしょうね」
「何かしらな、だからな」
 それでというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧