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レーヴァティン

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第九十七話 会戦と攻城戦その二

「城壁が垂直ね」
「ああ、それもあるよな」
「大砲に備えたものではないわ」
「まだこっちの世界じゃ大砲は主な兵器じゃないかなら」
「魔法障壁はあるけれど」
「大砲への備えは甘いな」
「だからね」
「ああ、ボローニャ攻めもな」
「大砲を使って」
 まさにそれをというのだ。
「やっていけるわ」
「そうだよな」
「大砲で城壁を攻撃すれば」
 それでというのだ。
「一気にね」
「城壁も壊せるな」
「そうなれば怖くないわ」
 城塞都市の守りはまさに城壁が軸だ、これを壊してしまえば防御力がこれ以上はないまでに弱ってしまうのだ。
 それでだ、双葉も言うのだ。
「ではね」
「攻城戦の時は大砲を使って今はな」
「銃と魔法とね」
「俺達の武器を使うか」
「そうするわ、それではね」
「今から戦だな」
「それに入りましょう」
 こう話してだ、そしてだった。
 久志は自身の軍を鶴翼に布陣させた、左右に騎兵隊を置き中央には歩兵と銃兵をそれぞれ方陣を組んで配置した。
 その方陣達に対してだった、ボローニャ側の布陣は。
「騎兵が少ないでござるな」
「ああ、しかも傭兵らしくてな」
「軽い装備でござるな」
「剣を持っただけのな」
「そして歩兵は」
 彼等はというと。
「銃兵は少なく」
「槍を持ってる奴だけか」
「しかもその兵もでござる」
 槍を持っている彼等もだ。
「短い槍でござる」
「うちの槍の半分位だな」
「我々の槍はパイクでござる」
 このことをだ、進太は指摘した。
「七メートルあるでござる」
「長い槍だよ」
「この差は大きいでござる」
「そうだよな、しかもまともに陣すら組んでないな」
 方陣は方陣だ、しかしその布陣は雑なものだった。
「あれじゃあな」
「こちらの敵ではないでござる」
「だよな、それじゃあな」
 久志はさらに言った。
「これからな」
「戦うでござるな」
「これは最初見て思ったよりもな」
「楽でござるか」
「そうかもな、魔術師とかも殆どいない」
 勿論弓兵もだ、とかく数も装備も久志達から見れば貧弱なものだ。
「じゃあな」
「全力で攻めて」
「ああ、戦おうぜ」
 こう言ってだ、久志は軍を前に進ませた。その陣形は鶴翼でまずは左右の騎兵隊が敵の騎兵隊と接触した。 
 進太は彼等に銃撃をさせた、それも一度ではなく。 
 騎兵隊を五十人で一列にしその列を幾重にも組んでだった。
 一列一列に銃撃させて撃った列を最後尾に回して次の列に次に銃撃させる。そうして敵の騎兵隊を攻撃していた。
 その攻撃を見てだ、正は言った。
「車懸かり、カラコールだな」
「ああ、騎兵隊を突撃させずにな」
「まずはあの攻め方でだ」
「敵の数を減らしていくんだな」
「そしてだ」
 正は久志にさらに話した。 
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