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凄く効く惚れ薬

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第一章

            凄く効く惚れ薬
 ウティット=コープチッティとクニオ=モレイは今はコープチッティの神託でタイのアユタヤに来ていた、そこでだ。
 コープチッティはモレイを連れて仏教の寺をお参りしこの世界では神となっているタイ国王の廟にもお参りしてからモレイに言った。
「やっぱりあれや」
「仏様と国王陛下はでありますな」
「敬愛して大事にせなあかんな」
 このことを真剣な顔で言うのだった。
「ほんまにな」
「いや、コープ君はいつも思いますが」
 モレイはそんなコープチッティに真剣な顔で述べた。
「仏教とタイ国王を大事にしてますな」
「当たり前や、わしはこの世界でもタイ人や」
「タイ人ならですか」
「両方共大事にする」
 このことがというのだ。
「絶対やからな」
「だからでありますか」
「それでや」
「このアユタヤに来て」
「自分も連れて来たけれどな、好き嫌いは別にして」
「いや、それがしも中々」
 日本風の着物と袴姿のスケルトンだ、モレイはその姿で述べた。
「学ばせてもらいました」
「お参りしてか」
「タイ仏教とタイ王室のことを」
「それやったらええがな」
「それではでありますな」
「この二つをお参りしたし」
 それでと言うのだった。
「これからな」
「神託をでありますな」
「果たしに行くか」
「まずはそれを探して」
 そしてと話してだ、二人でアユタヤの街を歩きつつそのうえで神託を探した、すると街中でだった。
 タイの戦士の格好をしたドワーフの男と魔術師の女が派手に喧嘩をしていた、コープチッティは街中で剣も術も使って大喧嘩を繰り広げる二人を見てやれやれと言った顔で言った。
「あの二人今アユタヤにおったか」
「コープ君のお知り合いですか」
「知り合いも何も友達や」
 今喧嘩をしている二人はというのだ。
「チャマラン夫婦や」
「あっ、ラーン=チャマランとシンドゥー=チャマラン」
「その二人や」
「かつて二人で多くの依頼を達成したタイ出身の冒険者の夫婦でしたね」
「そや、タイ出身でな」
 タイ出身の星の者としてだ、コープチッティはさらに話した。
「タイでは英雄やが」
「その英雄がですか」
「見ての通りや」
「夫婦喧嘩をしていますな」
「そや、これはあかん」
 こう言ってだ、コープチッティは早速だった。
 二人に睡眠の術をかけた、歴戦の冒険者である二人も星の者が使った術には敵わなかった。それでだった。
 二人を一旦大人しくさせて酒に酔ってはいないがそれでも警察署のトラ箱に入れてそのうえでだった。
 喧嘩をしていた場所にいた者達から身分を隠して冒険者ということにして喧嘩が起こった理由を尋ねた。その理由は実に下らないがよくあるものだった。
 それでだ、コープチッティはモレイに宿屋でやれやれという顔で言った。
「あの夫婦旦那は浮気性でな」
「よくある話ですね」
「それで奥さんは嫉妬深い」
「これまたよくある話ですなあ」
 モレイの声は呆れたものだった。
「ほんまに」
「そやな」
「いや、何といいますか」
「馬鹿馬鹿しい話や」
「ああ、しかしな」
「それでもでありますな」
「放っておいたらな」
 どうなるかもだ、コープチッティは話した。 
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