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殺し合う者達

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第四章

「その頃の術だが」
「そんな術を使う人って滅多におらんやろ」
「非常に限られる」
 まさにとだ、テレサはまた言った。
「それこそな」
「そやね、どう考えても」
「ではだ」
「一体何処の誰が使ってるか」
「それが問題だ、だが」
「だが?」
「非常に古い暗殺の為の術だと言ったな」
 テレサはマーガレットに今から話した。
「そうだな」
「それやね」
「そんな術を使う者が表にいるか」
「それで裏の世界でも」
「非常に稀だ、そしてアサシンはな」
 この職業についてだ、テレサはさらに話した。
「その裏にいる者だ」
「それやったらやね」
「一度裏に入る」
 そちらに世界にとだ、テレサは淡々として述べた。
「そうしてだ」
「誰が使ったか調べるんやね」
「この街にも表と裏がある」
「あらゆるものに表と裏があるし」
「そうしてみる」
「ほなうちもな」
 マーガレットもコーヒーを飲んでいる、そうしつつテレサに話した。そうしてさらに言うのだった。
「これからな」
「私と共にか」
「一緒に裏の世界に入るか」
「そうするか」
「だってパートナーやし」
 そえれでとだ、テレサに笑って話した。
「そうさせてもらうわ」
「そうか、ではな」
「これからやね」
「裏の世界に入る」
 テレサは珈琲を飲み終えるとすぐに立ち上がりマーガレットも続いた、そうして二人で街の裏の世界に入った。
 裏と言ってもイロイロにいることは変わらない、街のならず者や裏家業の者達と会ってそうしてだった。
 色々と聞いていった、時には挑みかかってくる者もいてだ、その彼等とも戦って倒してからだった。
 情報も聞き出しもした、それでだった。
 一つの手掛かりを得た、それはというと。
 二人はあえていかがわしい宿屋に入った、そこは女達が集まっているが客は男ではなく女達という店だ。
 二人はその店の宿屋の一階の酒場でその店の常連の裏の情報屋に古い術を知っている人間がいるかどうかという話を聞いた、すると梟の鳥人のその情報屋は言った。
「それはあの婆さんか」
「婆さんだと」
「ああ、ここの通りの占い師のな」
「婆さんが詳しいか」
「リザードマンの婆さんでな」
 情報屋は老婆の種族の話もした。
「何かともの知りでな」
「それでか」
「その婆さんに聞けばわかるかもな」
「わかった、リザードマンの占い師の老婆だな」
「ああ、まあ別にな」
 情報屋は自分に金を払ったテレサにさらに話した、当然場にはマーガレットもいる。
「あの婆さん悪い人じゃないぜ」
「只の占い師か」
「何でも変な縁でこっちに来たらしいがな」
 裏の世界にというのだ。
「それでもな」
「悪人ではないか」
「只のもの知りだよ」
「古い術を知っているだけか」
「ああ、むしろこの店に出入りしてるな」
 情報屋は笑ってだ、女達をいやらしく抱きながら香水と煙草の香りを漂わせて店に入っていく女達を見つつ話した。 
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