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レーヴァティン

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第九十六話 都市国家達その十

「それからだよ」
「では」
「ああ、そこでも降らないとだよ」
 その時にというのだ。
「攻めるな」
「それでは」
「ああ、じゃあな」
 それでというのだ。
「戦の用意だ」
「それでは」
 こうしてだった、久志達はボローニャ攻めの準備に入った。すぐに五万の軍勢と将帥達が選ばれてだった。
 攻城兵器も出された、そしてだった。
 久志は五万の大軍を連れてローマを出た、共に行くのは正と源三、進太、剛、夕子、それに双葉であった。
 残る六人が留守役となった、順一はその留守役を代表して出陣する久志に言った。
「くれぐれもです」
「ああ、攻めてもな」
「冷静にです」
「頭に血が上って攻めないでな」
「そして略奪や暴行も」
 そうしたこともというのだ。
「軍勢にです」
「許さないな」
「はい」
 絶対にというのだ。
「そのことは」
「そうだよな、そこはな」
「絶対に許してはなりません」
「軍規軍律は厳正にな」
「そしてです」
 くれぐれもというのだ。
「皆さんの神具もです」
「ああ、それも使ってな」
「攻められると」
「ボローニャは確実に攻め落とせるな」
「しかもです」
 順一はさらに言った。
「そこに術と攻城兵器があれば」
「余計に楽だな」
「特に貴方のレーヴァティンは」
 この炎の剣はというと。
「まさにです」
「こうした時にこそだよな」
「その真価を発揮します」
「よし、じゃあな」
「城壁です」
「それを徹底的に壊すか」
「そうされて下さい。そして何よりも」
 順一はこれまでよりも強い声で語った。
「軍の統率はです」
「ちゃんとしないとな」
「軍規軍律は厳正にして」
「略奪、暴行は許さない」
「若し何かする輩がいれば」 
 軍の中にだ。
「その輩はです」
「即刻極刑だな」
「出来れば織田信長の様に」
「織田の一銭斬りか」
「女人の顔を覗いただけで首を斬っています」
 信長自身が通りがかった女の被っている傘を上げて顔を見ようとした、当時では痴漢行為と言っていい行為で信長はそれを赦さなかったのだ。
「信長自身が」
「あの人らしいか?」
「そうしたことは決して許さない人だったので」
「だからか」
「はい、我が軍もです」
「とにかく軍規軍律は徹底的か」
「そしてです」
「規律を維持するんだな、確かにな」
 久志もここでこう順一に言葉を返した。 
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