邪教の時計塔
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第五章
「街の銀行家の方のお屋敷の」
「銀行家か」
「このダーウィンを拠点に近郊に十店舗の銀行を持っている」
「地域銀行やな」
「はい、その頭取の方が」
「まさに地元の名士やな」
「慈善事業にも熱心で有名な方ですが」
こうダーガー達に話した。
「その方のお屋敷の」
「わかった、裏の顔や」
「表向きは慈善事業を好む資産家で」
「それでや」
「実は、ですか」
「カルト教団に縁があるやろ、そして下水道がな」
二人が先程入ったそこがというのだ。
「実はな」
「時計塔のあるお屋敷にですか」
「つながってるわ」
「そうですか」
「ほな今度はな」
「下水道からですか」
「時計塔のある屋敷に入って」
そしてと言うのだった、そしてだった。
ダーガーとティンはまた下水道に入った、今度は市長から下水道の地図を手渡されていた。そうしてだった。
屋敷の真下に来た、するとそこには多くの怪しい者達がいてだった。
二人に襲い掛かってきたが二人は彼等も瞬時に倒して。
そして上に行く梯子を登って屋敷の中に入るとだった。
十九世紀イギリス風の見事な屋敷の中に多くの怪しい者達がいて彼等と遭遇する度に戦い続けた、その中には聖堂もあった。
それはキリスト教の聖堂だった、だが十字架があるだけでキリスト像はない。偶像崇拝の類は全くなかった。
ダーガーはその聖堂を見てだ、ティンに言った。
「やっぱりな」
「キリスト教の聖堂でもやな」
「偶像崇拝をせんとな」
こう言うのだった。
「十字架があってもや」
「そこにキリストはおらんか」
「そういうことや」
「そうか、何かカトリックでもプロテスタントでもない」
「正教でもないな」
「独自やろ、そして」
ダーガーは聖堂に入って来た者達を見た、その先頭には。
金髪の赤目の老人が出て来た、ダーガーは老人を見て言った。
「銀行の頭取、しかしな」
「そうです、我が教団の総大司教であります」
「そやな」
「むしろ頭取が表の顔」
「教団の総大司教の顔がか」
「私の真の顔です、そしてこの度は」
カトリックの教皇の服だ、だがその色は灰色だ。そこが違っていた。
「忌まわしい偶像を壊すつもりですが」
「それはさせん」
ダーガーは老人に槍を構えて答えた。
「何があってもな」
「そう言われますか、それでは」
「戦うつもりやな」
「貴方達は知ってしまいましたので」
自分達のことをとだ、老人はにこやかに笑って述べた。だがその目は一切笑っていない。そうしてだった。
老人が両手を挙げると彼の後ろにいた者達が一斉に動きそうして多くのアンデット達が出てきた、ダーガーはそれを見て言った。
「ネクロマンサーか」
「それも結構やるな」
ティンも術を放つか前に入っている、そのうえでダーガーに応えた。
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