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小さな腕輪

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第一章

                小さな腕輪
 ガバ=ティンとサミュエル=ダーガーはこの時ティンの神託でミャンマーのマンダレーに来ていた、その街に来てすぐにだった。
 二人は身分を隠したうえで冒険者のギルドに行ってそこで神託と思われる依頼を探した。するとだった。
 ティンはその中の依頼の一つを見てだった、ダーガーに話した。
「この腕輪をな」
「ああ、ヤンゴンにおる老賢者に送る仕事やな」
「これがな」
 まさにと言うのだった。
「神託やと思うわ」
「はっきり感じるか」
「それがしはな」
 実際にとだ、ティンはダーガーに答えた。
「はっきりわかる」
「自分の神託やさかいな」
「それでや」
 ダーガーにまた答えた。
「この依頼受けるか」
「そうするか」
「ああ、ここはな」
 こう言ってだ、ティンはダーガーと共にその依頼を受けた。冒険者への依頼としてはなにdめおない様なものだった。
 だが賢者に腕輪を届けて欲しいという依頼主である鳥人の中年の魔法使いはティン達に対して真剣な顔で話した。
「実はこの腕輪は高価じゃが」
「それでもですか」
「持っていればそれだけでトラブルを巻き起こす」
「そんな腕輪ですか」
「だから腕の立つ冒険者の人達にとな」
「ギルドに依頼を出したんですか」
「そうなのじゃ」
 こうティンに話した。
「実はのう」
「そうした事情がありましたか」
「それでじゃ」
 老人はティンそしてダーガーにさらに話した。
「ヤンゴンにいる届け先の賢者はわしのお師匠で」
「ああ、この腕輪の呪いを衝ける」
「虎フルを引き起こす」
「そうしてくれるがな」
 しかしとだ、魔法使いは二人に話した。
「それまで無事に運んでくれるか」
「絶対に」
 この世界を救うよりも楽だとだ、ティンは内心思いつつだった。そのうえで魔法使いに答えた。そうしてだった。
 ダーガーと共に腕輪を受け取りヤンゴンに向けて足を進めることにした、しかし魔法使いの家を出て三十分程してだった。
 ゴロツキ達が羊人の女の子に絡んでいた、見れば剣やら棒やらを出していてあからさまに危険だった。それでだった。
 二人は女の子の前に立ってゴロツキ達を止めた、だがゴロツキ達は聞く耳立たずそれでだった。
 二人に襲い掛かってきた、しかし街のゴロツキ達なぞ星の者達である二人の敵ではなかった。
 一瞬で全員叩きの目された、少女も二人にお礼を言ったが。
 騒動の際にだった、周りが散らかっていてだった。ティンはダーガーに言った。
「こうしたことは」
「しっかりしないと」
「あかんから」
「後片付けしよな」
「そうしよな」
「あの、そこまでは」
 少女も周りもだった、こう言うが。
 二人はにこりと笑ってだ、こう返した。
「それがし達が荒らしたので」
「そのことは気にしないで」
 こう言ってだ、二人で後片付けもした。無論少女も周りも二人と一緒にそうした。
 この日はこれで終わってだった、次の日に街を出たが。
 出て暫くしてだった、二人を呼び止める声がした。
「待てよ」
「何や?」
 二人が後ろを振り向くと昨日のならず者達がいた、そうして二人に言ってきた。 
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