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レーヴァティン

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第九十四話 モンスター退治からその十一

「土地も肥えてるしな」
「しかも商業も盛んで交通の便もいい」
「いい条件が揃っている」
「ならば」
「ああ、この半島だ」
 まさにというのだ。
「ここを完全に掌握する」
「まずは」
「そしてそれからだ」
「他の地域ですね」
「幸いこの半島は小さな都市国家ばかりだ」 
 久志はこのことについても言及した。
「勢力を拡げようと思ったらな」
「最適の場所だと」
「そうだろ」
「その通りでござる」
 進太がここで久志に答えた。
「兵が一万いる国はでござる」
「ないよな」
「今半島で軍事力はローマが圧倒しているでござる」
 即ち自分達がというのだ。
「そしてでござる」
「人口も国力もな」
「やはり圧倒しているでござる」
 まさにというのだ。
「だからでござる」
「積極的に勢力を拡大していくか」
「それがいいかと。まずは」
「まずはか」
「この半島でござる、半島全体を掌握すれば」
 その時のこともだ、進太は久志に話した。
「優に四十万を超える軍勢を揃えているでござるよ」
「四十万、大きいな」
「人口は三千万でござるか」
「もうこの島で大勢力だな」
「さらに島々まで手に入れれば」
 そこまですればというと。
「文句なしの大勢力でござる」
「よし、じゃあな」
「答えは出たでござるな」
「ああ、まずはな」 
 久志は進太に即決した声で答えた。
「この半島だ」
「どんどん統一していくでござるな」
「そうするな、しかもこの半島豊かだしな」
「商業、手工業も発達していて」
「金融業まで発達してるしな」
 農業や漁業だけではないのだ、この島の中でローマがある半島はとりわけ豊かで所謂先進地域であるのだ。
 そしてその先進地域をとだ、久志は話した。
「それならな」
「一気に統一に向かうでござるな」
「半島のな、じゃあ後はな」
「北か南か」
 今度は清音が言ってきた。
「どっちに進むか」
「それだな」
「半島のどちらか」
「それも大事だな」
「どっちも小さな都市国家が乱立しているわ」
「だから各個撃破になるな」
「ええ、ここで駄目なのは」
「北も南も一度に攻めていくのはな」
「それは駄目よ」
 二つの方向に同時に進むことはというのだ。
「それはね」
「そうね、じゃあね」
「ええ、ここはね」
「どっちかだな」
「そこも考えていきましょう」
「そうだな、じゃあな」
 それならとだ、久志は清音に応えて述べた。
「まずは中央部をな」
「ローマの周りをね」
「完全に掌握してな」
 そしてというのだ。
「そこからだよ」
「北か南か」
「どっちかを決めるか」
「そうするのね」
「ああ、そうしような」
「北に進むにも南に進むにも」
 どちらにしてもというのだ。 
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