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レーヴァティン

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第九十三話 ローマからその八

「数日は動けなくなるでござる」
「そうなんだよね、おいらなったことはないけれど」
 こう前置きしてだ、淳二は話した。
「足の親指の付け根が物凄く痛くなるんだよね」
「そうらしいでござるな」
「そこから色々とね」
「動けなくなるでござる」
「ちょっとした風が当たっただけで身体が痛くなって」
「恐ろしい病気でござる」
「だから最初から注意しないとね」
「まずならないことでござる」
 痛風、この病気にだ。
「それが先決でござる」
「そう思うとビールも怖いね」
 彼は今はワインを飲みつつ述べた。
「おいらそっちも好きだけれど」72
「酒はどれも過ぎるとでござる」
「毒になるから」
「怖いでござるよ」
 そのビールに限らずというのだ。
「どうしても」
「それでビールもだね」
「怖いでござる」
 痛風になってしまうというのだ。
「だからビールもでござる」
「飲み過ぎないことだね」
「あの地域はそれが問題でござる」
「ビールの飲み過ぎだね」
「深刻な問題でござるよ」
「それな、民の健康も考えないとな」
 それでと言う久志だった。
「駄目だよな」
「色々な病や栄養状況についてそうでござるが」
「痛風もな」
「あの病気は本当にでござる」
「動けなくなるからな」
 その痛さの為にだ。
「怖いな」
「民に多いと」
「その分怖いな」
「贅沢病でもあるでござるが」
 メディチ家の代々の持病でもあった、これが美食の結果であることは言うまでもないことであろう。
「しかしでござる」
「ビールの飲み過ぎにな」
「そして食生活のせいで、でござる」
「あの辺りは痛風が多いか」
「そしてそれはでござる」
「何とかした方がいいな」
 久志はステーキを食いつつ言った。
「というかビールが一番やばいっていうな」
「痛風に対しては」
「俺達の世界のドイツでもそうだしな」 
 昔からこの国では国民病であり続けている。
「ルターさんだってそうだったっていうしな」
「ビールの飲み過ぎでござる」
 ビールの害毒について何時間も講義した後で何杯も美味しく飲んでいたと歴史書には書き残されている。
「そのせいでござるよ」
「やっぱりビールか」
「美味いでござるが」
 進太も好きだ、実は。それが言葉に出た。
「しかしでござる」
「痛風には注意か」
「それもどうかした方がいいかと」
「あの辺りを領土にしたらな、だったらな」
 それならとだ、久志は今度はワインを飲みつつ考えて言った。
「野菜をもっと食う様に言ってな」
「コレステロールの分解にでござるな」
「勿論沢山作らせてな」
 そうした野菜をというのだ。
「キャベツなりな」
「そして食べてもらってでござるな」
「あの辺りはビールは水代わりだろ」
「だったらでござるな」
「水を飲む様にする、灌漑も進めてな」
 そうもしてというのだ。 
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