戦国異伝供書
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第三十一話 九州攻め前その十一
「そしてじゃ」
「そのうえで、ですね」
「過ごしていこう、そしてな」
「そのうえで」
「わしはあの娘達に接していこう」
「それでは」
こうしたことを話してだ、そのうえでだった。
明智は出陣の用意が整い信長からの出陣を命ずる文が来るとだった。彼の軍勢を率いて出陣した。そしてだった。
織田家の主だった諸将は九州に入り信長と共に大宰府にいて岩屋城で奮闘していた救い出せたことを聞いた。それでだった。
信長は諸将にだ、確かな笑みで言った。
「よいことじゃ」
「左様ですな」
「あの方は助かりました」
「危ういところでしたが」
「何とかお救い出来ました」
「島津家の軍勢も退けることが出来ました」
諸将も口々に述べた。
「これで一つの勝ちですな」
「高橋殿をお救いし島津家の足も止められた」
「ならばですな」
「この後は」
「そうじゃ」
信長はさらに話した。
「九州を東西から南に進んでいく、日向と肥後に向かうぞ」
「一歩一歩確実に」
「そうしていってですな」
「島津家を追い詰めていきまするな」
「そうしていきますな」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「ではよいな」
「我等もですな」
「軍勢を率いて南に下り」
「そうしてですな」
「遂に」
「うむ、進むぞ」
こう言ってだ、そしてだった。
信長もまた軍勢を率いて大宰府を出た、そして大宰府を背中から見ながらこんなことを言ったのだった。
「福岡にもじゃ」
「城をですか」
「築くとしよう」
こう言うのだった。
「やがてな、そして今はな」
「島津家を降し」
「九州も完全に手中に収め」
「天下統一を実現されますな」
「そうする、ではよいな」
信長は今は戦に向かった、そうして九州も平定し天下統一を果たした。これが織田家の天下布武の動きだった。
第三十一話 完
2018・12・23
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