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徒然草

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173部分:百七十三.小野小町が事


百七十三.小野小町が事

               百七十三.小野小町が事
 小野小町の生涯ですがこれが実に謎のものであります。その没落した姿は玉造小野小町壮衰書という文献に見受けられますがこの文献は三善清行の手によるという説がありますが弘法大師の著作の目録の中にも記されています。ですが大師は小野小町よりも前の承和のはじめの頃に亡くなっております。平安京に都が移ってから早い時期と言っていいでしょう。ですが小野小町がその美貌を讃えられ男達の羨望の的となったのはそれよりも後の平安京も華やかである頃のことであります。謎は深まるばかりです。
 何故大師の文献の中に小野小町の文献があったのでしょう。六歌仙の頃ではないというのにです。考えれば考える程奇妙なことであります。大師の頃に六歌仙はいない筈です。当然その一人である小野小町もです。しかし知っていたようなのです。大師が幾ら偉大だったとはいえ時を超えるということができたとはとても思えません。何か同じ名前の書を持っていたのではとも思いますが小野小町という同姓同名の人がその時代にいて同じ様に栄華を誇っていたというのでしょうか。これまた有り得ないことであります。全くもって小野小町という人には謎が多いです。それがまた魅力なのですが奇怪にすら思えます。果たして何者だったのでしょうか。


小野小町が事   完


                 2009・11・3
 
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