星のカービィ〜少女との大冒険〜
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
リリーの秘密
前書き
前回のあらすじ
ペンダントは願いを叶えるチカラがある。以上。
「そうだ、聞きたいことがまだあるのだ」
「どうしたんですか……?」
「魔導師の道は自力でやるとして、願いは平和になること、それでいいのか?」
2つの願いのうちの1つは自力で成し遂げることを決意したリリーだが、その残った願いを使って使えなくなるのでいいのか、それともまた新たに使おうかと悩み始める。
「どうしよう……」
「いや、直ぐに決めなくてもいいだろう。ゆっくりと考えろ」
「はい……」
願いを叶えたいのだが、少し困ったことがあった。平和になってほしい気持ちはあるのだが、何かの記憶が邪魔をしていた。
「うっ……」
父、母に反抗をするリリー、反抗をしてくるが無理やり何かをしようとする母、苦しい思いをするリリー、そして、父母が死んで行ったという記憶が頭に流れていた。
「リリー大丈夫か?」
メタナイトが声をかけるが声は届いていない。そして、意識を失った。
「リリーっ!」
*
疲れたのような顔をしていたリリーを寝かせておいて数時間、彼女は目を覚ました。
「……ここは?」
「目覚めたみたいだねよかった」
目の前にはワドルディがいた。でも、城にいたワドルディとは違く、水兵帽をかぶっていた。
「か、可愛い!な、名前は!?」
「ボ、ボクは……水兵ワドルディ」
「水兵ワドちゃん可愛いよ!私はリリー!よろしくね!!」
水兵ワドをぐわんぐわんと揺らすリリー。水兵ワドは「あ〜あぁ〜あぁぁぁ〜」と揺らされて目が回ったような顔をしていた。
「あっ!ごめんね!」
「あ、起きたダスか」
「大丈夫ですか?」
「無理はしないでおけよ?」
「いや、もう大丈夫そうじゃね?」
リリーが大声を挙げたからなのか、起きたのだと思い、駆けつけてきた4人。ダスが口癖のメイスナイト。心配症のアックスナイト。ちょっと勇ましいジャベリンナイト。そして、なんか一瞬ギャルっぽく見えたトライデント。以下の4人はメタナイトの部下のメタナイツである。
「あ、メタナイツの皆さんでしたか…なんかすみません……」
「大丈夫ダスよ〜。メタナイト様凄く心配されてましたからね」
リリーはゆっくりと立ち上がる。すると、ワシなのかタカなのか微妙な鳥の顔をした艦長が現れた。
「どうやら起きたようだな?ワッハッハ!ワシのおかげで起きたようだな!」
「そうなんですか?」
「そんなわけないダス」
「バル艦長まったく働いてなかったよ〜」
バレて欲しくなかったからなのか「シイイィィィィッ!黙ってろ!」と水兵ワドに小声で伝える。
「なるほど、つまり……お前はサボリ鷹か」
「「「「「「サボリ鷹!?」」」」」」
突然のリリーの毒舌発動に全員が驚く。騒ぎ声で「リリー起きたのか?」とメタナイトが近くに来るが……。
「お前艦長のくせに、なんもやらねえのかよ。それは艦長としてどうなんだよ。お前は金だけが欲しくて働いてんのか?ただのクズだろ」
「」チーン
「あれ?こんなメンタル弱いんですか?」
「うん」
即答レベルだったのでもう木の棒レベルなのだと把握してしまったリリーである。
「あ、メタナイトさん。いつの間に」
「今来たばかりだ。それより、具合は大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます。おかげで楽になりました。」
「そうか」
メタナイトはさっき何が起きたのか気になり、メタナイツとバル艦長に「少し2人きりで話したいことがあるがいいか?」と言い一同は「どうぞ」という感じだった。大事な話をする為に外の方に出た。
*
「リリー、聞きたいことがある」
「さっき倒れたことですよね……?」
「それもそうだが、そなたが毒舌である理由を教えてくれ。」
「………………」
言いたくないという気持ちは何となく伝わる。でも、少しでも支えてやりたい。そんな気持ちなのか「お願いだ。教えてくれ」と頼む。
「……せに」
「リリー?」
「分かんないくせに!誰も私の気持ちなんて分かってくれない!私がどんなに辛いのか分かるわけがない!ほっといてよ!」
リリーが苦しい気持ちで目がうるうるとしていて、涙が零れ落ちそうだった。そんな涙を目にしたメタナイトは軽く頭を摩った。
「……!メタナイトさん…?」
「私はそなただから、分からない。だが、そなたのことをもっと知りたい……支えてやりたいんだ」
「っ!うっ!うぅ……!」
メタナイトが手を差し伸べたことに涙が溢れ、そして一気に零れ落ち、声を漏らして泣き始める。
「うわああああぁぁぁんっ!!!!」
「何があったんだ」
泣いてるリリーの頭を摩りながら問いかける。
「私、昔……殺されそうになって助けてくれた魔導師がいて、私もあんな風になりたかったの!でも!私の家族は貴族みたいなものだったの!『あなたは姫になるのそんなことはやめなさい』って反抗してきたの!嫌だったの!だから私も反抗したよ!でも……分かってくれなかったの!」
「……そうだったんだな」
「それに……それに…………!」
今まで以上に涙が零れ落ちていた。それが、衝撃的すぎる言葉だった。
「私が……私が!お父さんとお母さんを殺しちゃったの……!」
後書き
(何故リリーがそんなことをしたのだ……。明らかに自分からやったわけではなさそうだな…………)
ページ上へ戻る