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徒然草

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160部分:百六十.門に額懸くるを


百六十.門に額懸くるを

                百六十.門に額懸くるを
 門のところに額縁をかけることを打つと言うのはいい言い方ではないのでしょうか。勘解由小路二品禅門殿はそれを額を懸けるとそのまま言っていました。また祭りの見物の桟敷を打つといいますのも討つや、撃つの様なのでこれもまたよくない言い方なのでしょうか。平長を打つといいますのも普通に使われている言い方であります。しかしこれもまた桟敷を構えると言った方がいいのかも知れません。護摩の火を焚くといいますのもこれまた護摩という言葉に炊くという意味が含まれていますのであまりよくはありません。修行するとか護摩をすると言った方がいいものであります。行法もこれも清音でそのままぎょうほうと言うのはいいことではありません。ぎょうぼうと濁音で言うべきなのだと清閉寺の僧正殿が言っていました。普段使う言葉にもこうした言い方が色々とあります。
 何かを言うにもこうした複雑なものがあります。どう言うべきなのか、それでいいのか悪いのか。言葉一つ取ってもこんな様子であります。ですからそれをどうするべきかです。いい言い方もあれば悪い言い方もあります。当然出来るだけいい言い方をすることを心掛けるべきであります。そうしなければ何かと恥ずかしい思いをしてしまいます。それをわかっているのかいないのかも大きなことであります。


門に額懸くるを   完


               2009・10・21
 
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