レーヴァティン
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第九十二話 堺からその三
「そこはな」
「そういうことやな」
「それでだが」
英雄は耕平にさらに話した。
「大坂の要地に砦を築くかな」
「元々ある場所は修繕してやな」
「仕える様にしてだ」
「兵を入れてくな」
「そうして賊や魔物に対してだ」
彼等を退治し睨みを利かせて、というのだ。
「他の勢力が攻めてきてもな」
「退けるな」
「そして攻める時は拠点にする」
こうしたことも考えてというのだ。
「その為にもな」
「どんどんやな」
「政をしていくぞ」
「わかったわ、ほな砦もな」
「築き修繕していく」
こう言ってだった、英雄は大坂周辺の村々を次々に勢力圏に収めそのうえで砦を築き修繕もしていき雇った兵達を入れた。
そしてその兵達についてもだった。
然るべき、英雄達が選んだ資質があり軍規を守り守らせる将や旗本達を置いて監督させた。そうして風紀も徹底させていた。
英雄達の勢力は順調に拡大しているだけでなく治安もよく農業も商業も栄えていた、だが英雄はその状況に満足です。
仲間達にだ、大坂城で言った。
「次は堺だ」
「あの街でござるか」
「そうだ、あの街をだ」
まさにというのだ。
「勢力圏に収めたい」
「勢力も接してきたでござるしな」
「そのこともあるしな」
「堺を手に入れて、でござるな」
「あの街の富を手に入れてだ」
そうしてというのだ。
「周りの村々もな」
「手中に収めるでござるな」
「大坂に堺、その周りの村々までとなるとな」
「島の統一のかなりの足掛かりとなるでござるな」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「今度はだ」
「堺でござるか」
「あの街を手に入れる」
そうするとだ、英雄は語った。
「必ずな」
「あの街はこの大坂と同じだ」
幸正が英雄に言ってきた。
「我々が掌握するまでのな」
「大店の商人達の寄り合いだな」
「それで政が行われている」
「それがあの街だな」
「寺社はあるが大坂より遥かに弱い」
「僧兵達はいないな」
「大坂の街は僧兵達と傭兵達が護っていた」
彼等は今は英雄達が自分達の兵にしている、彼等にとってははじめて手に入れた軍勢であり勢力圏全体に置いている。
「あの街は傭兵達が護っている」
「商人達に雇われてだな」
「そうだ」
その通りだと言うのだ。
「あの街を護っているが」
「そのことは俺も知っている、最初にこの島に入った街だからな」
「だからだな」
「そうだ、そのことも知っている」
堺の街が傭兵達に護られていることをだ。
「堺の状況のこともな」
「そうだな」
「そのうえで今言っている」
「次は堺か」
「あの街を手に入れて貿易も行ってだ」
そうしてと言うのだった。
「利を手に入れる」
「富、銭にだな」
「西の国の優れたものもだ」
それもというのだ。
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