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呪われたドレス

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第二章

「この街の上流階級は華やかだな」
「そうそう、栄えているだけにね」
「かなりな」 
 まさにというのだ。
「華やかだな」
「そうね、それで奥様やお嬢様達の間の社交界でね」
 武者小路はワインを飲みつつ話した、その赤ワインはかなり甘くしかも発泡性のある独特のものだった。
「赤いドレスが流行しているそうね」
「ドレスか」
 そう聞いてだ、遠藤は複雑な顔になった。
「どうもな」
「あんたにはなのね」
「ゴシップと同じだけな」
「興味がないわね」
「自分が着る服は空手着とだ」
 それにというのだ。
「起きた世界では制服とジャージとな」
「こちらでの礼装ね」
「日本のな、女性の服はな」
 どうかというのだった。
「興味がない、デリカシーがないと言われるかも知れないが」
「そこはあたいとは違うわね」
「そうだな」
「あたいは女の子の服でも着るしね」
「今もな」
「袴も女もので」
 赤ワインの味を楽しみつつだ、武者小路は遠藤に話した。
「上は振袖でね」
「女ものだな」
「だからね」
 今も着ているだけあってというのだ。
「興味があるから」
「それでか」
「そうよ、調べてみるわね」
「その赤いドレスのこともだな」
「そこから何かあるかも知れないし」
「神託にも関係あるか」
「そうかも知れないから」
 だからだというのだ。
「調べてみましょう」
「わかった、ではな」
「あんたは興味ないのなら」
 それならともだ、武者小路は今度はピザを食べてから話した。熱いピザはチーズが溶けていてしかもチョリソーとも調和が取れていて実に美味い。
 そのピザの味を楽しみつつだ、武者小路はさらに話した。
「あたいがメインでね」
「やっていくか」
「あたいの神託だし」
 このこともあってというのだ。
「調べていきましょう」
「赤いドレスのこともな」
「あたいの直観だとね」
 チョリソーのピザを食べ終えて今度はベーコンのピザを食べはじめた、見れば遠藤も次のピザである貝のものを食べはじめている。
「赤いドレスがね」
「神託か」
「あたいの右の眉が動いたのよ」
 そこがというのだ。
「こうした時はね」
「何かあるか」
「そう、あたいの直観が感じ取る時はね」
「右眉が動くのか」
「それでよ」
 だからだというのだ。
「今回はね」
「赤いドレスが神託か」
「そうだと思うから」
 それだけにというのだ。
「今からね」
「赤いドレスについて調べるか」
「何かとね、あとね」
「あと。何だ」
「ピザとワインの後だけれど」
「デザートか」
「それは何がいいかしらね」
「ティラミスだな」
 即座にだ、遠藤は武者小路に答えた。 
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