ロックマンX~Vermilion Warrior~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第26話:ZERO
スタッガーを倒したエックスはアイカメラの機能が完全に復活するまで待つと、燃えているスタッガーの周囲に転がるDNAデータを回収し、そしてシグマの所在を知るためにスタッガーの残骸を回収をエイリアに頼もうとした時だった。
「っ!?」
背後から殺気を感じて飛び退くと、衝撃波が飛んできてスタッガーの残骸だけでなく壁と火山のコントロールシステムを両断し、少し離れた山に衝撃波が直撃した。
「な…?」
あまりの破壊力に言葉を失うエックスに背後から声が掛かる。
「今のはほんの挨拶代わりです」
「っ!!」
声をかけた青年がビームサーベルの光刃を消しながら柄を腰に装着する。
「遅れましたが、取り敢えず自己紹介を……私はアジール」
「わしがサーゲス」
「もう1人、バイオレンと言うこう言うのがいますが、今日のとこは別件で……挨拶はまた後程と言うことで……」
両手でバイオレンの特徴を教えるアジールだが、エックスは警戒を緩めずにアジールとサーゲスに身構える。
「(何者なんだ?こいつらは…?)」
「その様に胡散臭い顔をしないで下さい。我々はシグマ様直属の親衛隊、カウンターハンターなんですよ」
「(シグマ直属!?カウンターハンターだと!?)な…ならばこの場で…」
親衛隊である彼らを倒せばシグマ側の戦力を大きく削ぎ落とすことが出来るため、スタッガーとの戦闘直後であるとは言え、エックスは出来れば彼らを倒しておきたかった。
「いえいえ、今日のところは顔見せ。勝負は次の機会に取っておきましょう」
サーゲスの隣から背後に移動したアジールの言葉にエックスはチャージを終えたバスターを向ける。
「ふざけるなっ!!」
チャージショットを放つが、2人は転送によって攻撃を回避するのと同時にこの場を脱出した。
「もう1人の我々の仲間と言うのは気になりませんか?」
「っ!?」
アジールの言葉にエックスが疑問符を浮かべるが、エイリアからの通信によってその意味を知ることに。
『エックス!聞こえる!?Dr.ケインの研究所にイレギュラーが現れて、Dr.ケインが研究所に…』
「何だって!?」
『急いで急行して下さい!!』
「了解!!」
エイリアによってケインの研究所付近に転送され、急いで破壊された扉から中に入る。
「奴の言っていたバイオレンとか言う奴の仕業か…!!ケイン博士は無事なのか!?」
そして研究所内を捜し回り、ゼロとルインのカプセルが安置されている部屋に辿り着く。
そこに生命反応があったためにエックスは急いで部屋に入る。
「ケイン博士!!ご無事ですか!?こ…これは!?」
部屋の中を見たエックスは愕然となるが、倒れているケインの姿を発見し、急いで駆け寄る。
「ケイン博士、大丈夫ですか?」
「おお…エックスか…わしは大丈夫じゃが……すまん!!ゼロが…」
「え!?まさか!?」
ゼロのカプセルのあった場所を見るとゼロのカプセルが破壊され、ゼロのボディが失われていた。
「ルインは何とか別の場所に隠せたが、ゼロは間に合わずにイレギュラーに奪われてしもうた…すまんエックス…」
「ゼロ…」
ゼロが敵の手に落ちてしまったことにエックスは思わず拳を握り締めるのであった。
そして一方で、シグマの基地ではシグマが新たなボディを使っての実戦訓練をしていた。
現れたメカニロイドを爪で両断し、次に迫ってきたメカニロイドも引き裂こうとするが、その動きはどこか以前のボディと比べて鈍い。
右腕に異常が発生し、動きが悪くなって攻撃を外してしまう。
「チッ!外した!!んぐぁっ!!」
攻撃を外してメカニロイドの反撃が掠るものの、今度は攻撃を当てて破壊した。
『お見事でございますシグマ様』
訓練を終えたシグマだが、その言葉に苛立つ。
「お見事……だとぉ…?」
その直後、異常が起きている右腕を引き千切り、それを投げ捨てた。
「不良品の体で何が出来る!!私の体がバグに侵される前に水晶を集めるのだ!!レプリロイドのエネルギー源であり、能力を高めるエネルゲン水晶をなーーーっ!!」
シグマのボディはバグに侵されており、それを克服するためのエネルゲン水晶の収集を急がせる。
エックスとシグマ軍との3戦目は間近である。
ページ上へ戻る