魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第百七十二話
カボチャ尽くしの昼食の後、そういえばお前らってアニメキャラとかの仮装じゃなくていいの? と直木を示しながらロリsに聞いてみた。
帰って来た返答はといえば。
「え? プリキュアよりお兄ちゃんの方が可愛いじゃん」
「お兄さんウルトラマン殺せますよね?」
「お姉ちゃんなら3日でショッカー壊滅させられるよね?」
すごく微妙な気分になった。
箒と直木が爆笑していた。
殴りてぇ……
「ウルトラマンは………どうだろう……アイツ等平気で次元超えるからな…俺の目で捕らえきれるか…」
サイコシャードと同じように、上位次元由来のものは知覚できない可能性がある。
「ぷくく……なら正面から撃ち抜けばいい。グドシーリを連発されれば流石に持たんだろう。最悪の場合フォーマルハウト…いやだめか…圧切で…」
なんか箒がウルトラマン討伐計画を考え始めた。
「閑話休題!」
煩いぞエロ奴隷。
「さて! 腹も膨れたことだし何をしようか!」
「ツイスターゲームがやりたいわ」
「お前らの意見は全部却下だ」
と一夏が即刻却下した。
「お兄さん、アップルボビングしたいです」
「アップルボビング…?」
一夏がホロウィンドウを開いて調べ始めた。
「リンゴ取り?」
「はい」
「まぁ…いいけど…」
一夏が早速準備を始める。
コアの機能でプラスチックの桶を作り、水を集める。
「ねぇご主人様。私達の前でさっきからいろいろやってるけどいいのかしら?」
「もう隠すのも面倒になってきた」
その水に林檎を浮かべる。
「で? だれからやる?」
と一夏が聞くと、全員の視線が一夏に集まった。
「ちょうど水着を着ていますし、お兄さんからでいいのでは?」
「リム! 謀ったなリム!」
「はて? 私はハロウィンのお約束のイベントと全うな意見を出しただけですよ?」
「エレーン? アップルボビングって知ってた?」
「んーん。聞いたことない」
「リム?」
一夏がリムに再び目を向けると、あらぬ方向を向いていた。
「くそ…六歳児の癖に余計な知恵つけやがって…」
周りがニヤニヤしながら一夏を見ている。
「くそー…」
一夏が嫌そうな顔をしながら、桶の中の林檎を”くわえた”。
いとも容易く。
「おい一夏。牙に引っかけるのは狡いぞ」
カリッ! と一夏がかじる。
落ちる林檎を片手で取ると…。
「ほれ、お前らの番だぞ」
と先程と逆転したように一夏がニヤニヤし始める。
「私やるー!」
「私もー!」
エレンと円香が桶に集まる。
「ま、濡れても乾かしてやんよ。好きなだけやれや」
そう言って一夏が桶に林檎を浮かべた。
エレンと円香がきゃいきゃい言いながら苦戦しているのを、一夏は林檎をかじりながら見ていた。
「うーん…? なんか頭痛が…」
唐突に一夏が頭をおさえた。
「あ、いっ君。アップルボビングってハロウィンでの【魔除け】のゲームなんだって。
神聖な水に浮かべた神聖な果実を取るのが趣旨みたいだよ」
「なんでアップルボビング程度でダメージ入るんだよ…俺今までさんざん神社行ったし神楽まで舞ったぞ…?」
「たぶん西洋系だからじゃない? それに神社の神様はいっ君が悪い子じゃないって知ってる筈だし」
「そんなもん?」
「さぁ? とりあえずその林檎は食べない方がいいんじゃないかな?」
一夏が手に持った林檎を見る。
「……………駿河」
一夏が林檎を駿河に投げる。
駿河が咄嗟に左手で取ると、パシィンッ! という大きな音がした。
「ご主人様。これ間違いなく私もダメージ入るやつではないか!
私なんてもろ悪魔だぞ!?」
「ならリムにでも渡しとけ」
神原がリムに下投げで林檎を投げる。
受け取ったリムが林檎をかじる。
「そういえば昔は林檎を噛んで歯茎から血が出たら中高年って言われてたらしいぞ。
今度ヴィッサリオンに林檎渡してみ」
「お母さんにも渡しておきます」
「あれはまだ二十代だから平気だろ」
「え? お母さんってまだ二十代なんですか?」
「なんでお前らが知らねぇんだよ…。フィグネリアは27、ヴィッサリオンは38」
「やっぱり雇用主だからなんですか?」
「いや、前にエイドス覗いた時にな」
「お母さんって35くらいだと…」
「まー。変な色気はあるよなーアイツ」
「一夏?」
「いっ君?」
箒と束が咎める。
「いやそういうつもりはないんだって…」
「まぁ、フィーネの色気や落ち着き様は、人生経験だろうな」
そこで林檎をくわえた二人が戻ってきた。
「おー、よく出来たな。そのまま食うなり箒に搾ってもらうなりすきにしろ」
「なぜ私なんだ…」
「パーティーの余興代わり?」
二人が箒に林檎を渡す。
二人のコップの上に両手を持っていき、ゆっくりと力を加える。
徐々に徐々に林檎がきしみ、果汁が滴る。
15秒ほどかけて、箒が林檎を搾り終えた。
「一夏」
箒が林檎の果汁で濡れた手で一夏を手招きする。
「?」
何の疑いももたずに隣に座った一夏に、己の指をくわえさせた。
残ったもう片方の手を魔法できれいにすると、一夏の首筋や頭を撫で回す。
「にゃぁーん……」
我慢の限界だったのか、一夏が箒の膝の上で丸くなった。
そして寝息を発て始める。
「ふむ…では女子会と行くか」
と箒が切り出した。
数時間後
「お前が寝てる間だがな、お前の欠席裁判だったぞ」
「ふぁ!?」
後書き
日常の些細な事でダメージを受けてしまう吸血鬼の弱さを書きたかった。
ニンニクラーメン食って一夏が吐血する展開も考えてはいたけど、絵面がグロいからやめた。
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