| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十九話 合格してからその七

「それでもそのままいさんでいくとね」
「どうなりますか?」
「いいようぼくになるわね」
 ここまでいさんでいると、と思って言いました。
「本当にね」
「そうですか、じゃあいさんでいきますね」
「そうしてね」
「それがいい運動にもなってますし」
「回廊拭かせてもらうのもね」
 もうこれだけで、です。
「運動だからね」
「はい、いい運動ですよね」
「だからなのね」
「運動になっていてです」
「そんなにすらってしてるのね」
 女の子ならどれだけスタイルいいでしょうか、背も高いですし。
「成程ね」
「スポーツはまあしてないですね」
 阿波野君自身このことを認めました。
「これといって」
「それでもあちこち歩いて」
「はい、おぢばの中を」
「回廊ひのきしんもさせてもらって」
「そうしてるせいかこの通りです」
「痩せてるのね」
 何か羨ましい位です、すらっとしたそのスタイルが。
「食べてるわよね」
「はい、かなり」
「それでそのスタイルはね」
 見れば見る程羨ましいと思いました、私は太っていないとは自分で思いますけれど何しろ小柄なので。
「いいわね、特に背が」
「そこいきます?」
「高校三年間で一センチも伸びなかったのよ」
 もっと言えば一ミリもです。
「だからね」
「一五〇センチでしたよね、先輩」
「そうよ、そこからね」
 高校入学の時からでした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧