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馬鹿息子を探して

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第一章

               馬鹿息子を探して
 北原当麻と又吉一雄は又吉が受けた神託によって今は又吉の本拠地と言っていい琉球の沖縄島に来ていた。
 その島に入ってだ、又吉は北原に話した。
「帰ってきたとです」
「思っているでごわすか」
「はい、僕は起きた時はこの島で生まれ育って」
 そしてというのだ。
「この世界でもです」
「この島で、でごわすな」
「長い間いたので」
 それでというのだ。
「この島に入るとです」
「帰ってきたとでごわすな」
「実感出来ます」  
 首里城の中で言うのだった、実は彼は琉球を治めていた時はこの城に入ってそのうえで治めていたのだ。
「まことに」
「そうでごわすか」
「それでこの島で、ですね」
「神託でごわすな」
「それを果たしましょう」
 是非にと言うのだった。
「ここは」
「そうでごわすな」
「さて、その神託ですが」
 又吉は首里城の正門のところから周りを見つつ共にいる北原にさらに話した。
「具体的にはです」
「どういったものかでごわす」
「はい、それが問題ですね」
「神託はあちらから来ると言うでごわすが」
「では冒険者ということで」
「一旦ギルドに行ってみるでごわすか」
「そうしてみましょう」
 実は星の者達は偽名でそれぞれ冒険者登録もしている、それで今回はだ。
 冒険者のギルドに入ってそこで神託ではという仕事の依頼を探した、するとまさにそれだというものがあった。
「これは」
「そうでごわすな」
 二人でその依頼を見て話した。
「まさにでごわすな」
「そうですね」
「行方不明になった息子の捜索でごわすな」
「与那嶺さんですか」
 依頼主の名を確認してだ、又吉は述べた。
「琉球で大きな工場を経営している方ですね」
「お金持ちでごわすか」
「はい、パイナップル工場でして」
「それを経営していてでごわすか」
「他にはホテルやプールも経営していて」
 それでというのだ。
「琉球で屈指の資産家です」
「その資産家さんからの依頼でごわすか」
「ああ、こういうことですか」
 又吉はその依頼の文章を読みつつ述べた。
「あそこの三男さんまたですか」
「またとは」
「いえ、この家の長男さん次男さんは出来た人でもう長男さんは御父上の跡を継いで立派に経営されていますが」
「三男どんは違うでごわすな」
「まだ高校性ですが飲む、遊ぶでして」
「遊び人でごわすか」
「幸い人の道は外れていないですが」 
 それでもというのだ。
「とかく遊び人でして」
「おいどんが思った通りでごわすな」
「よく風俗店や酒場にいます」
「ある意味見所のあるにせどんでごわすな」
「はい、趣味は執筆でして」
「作家さんでごわすか」
「作品自体は売れていますが」
 作家として成功しているがというのだ。
「軽くていい加減な性格で」
「それで、でごわすか」
「この島のリゾート地に行ったきり親に顔を見せないので」
「連れ戻しに来い、でごわすな」
「そう書いています」
 実際にというのだ。
「その様に」
「うむ、確かにそう書いているでごわすな」
 北原は又吉が持っている依頼を横から見つつ述べた。 
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