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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百六十九話

十月三十日 土曜日 夜

「ねぇ轟雷、ここからどうするの?」

「簡単です。くり貫けばいいんですよ」

「くりぬくー? どうやって?」

「フレズちゃん。バーゼちゃん、武装を使えばいいのよ」

「くり貫くだけよ? 切っちゃだめよ?」

「召喚! ベリル・ナイフ!」

円香とFA:Gに一つづつカボチャを渡すと、なかなかに面白い光景になっていた。

「ジャック・オー・ランタン。悪魔を騙した愚か者の末路を哀れみ生まれた習慣。
本来はカボチャではなくカブで」

「アーキテクト、そういう話はどうでもいいのだ。今は楽しもうではないか」

「迅雷、迅雷。僕のビームサーベルってOK?」

「イノセンティア。それでは焼けてしまうぞ」

「じゃぁ僕は刀にするよ」

基本的に迅雷とマテリア姉妹がツッコミ役だ。

「いくわよー!」

太刀を抜いたスティレットがカボチャの上に飛び乗り、太刀をカボチャにぶっ刺した。

リビングの上でわちゃわちゃしているFA:Gを眺めるのは、とても癒される。

一方円香はといえば、ダイニングで束さんに教わっている。

「まーちゃん、ソコは斜めに刃を入れて…うん、そう」

「できたぁ!」

どうやらくり貫くための穴を上に開けているらしい。

「一夏、一夏。一夏は作らないのですか?」

ん? 轟雷?

「俺は別にいいよ」

「えー…一夏つくらないのー? つまんなーい」

「そう言わないの、バーゼ。一夏は子守りとお菓子作りで疲れてるんだから」

「あら、珍しくスティレットちゃんがまともな事を言ってるわ」

「ええ、珍しいわね」

「どーいう意味よっ!」

轟雷はナイフ、バーゼはユナイトソード、スティレットは太刀、マテリア姉妹はナイトバスターソードとビーストマスターソード、迅雷とイノセンティアは忍刀、アーキテクトはインパクトエッジ、フレズはベリル・ナイフ…各々の獲物のカボチャをくりぬき始めた。

「お前ら後で風呂入れよ」

「わかっています」

「えー…”浄化”じゃだめー?」

カボチャの中から顔を出したバーゼの服は黄ばんでいる。

「お前ら絶対浄化しくるだろうが」

「ぶー」

その後、FA:G達がジャック・オー・ランタンを作り終えた。

一番上手く出来てたのはアーキテクトだ。

で、案の定一番おかしなのを作ったのはバーゼだ。

「ナニコレ」

「サイクロプスー!」

「ああ…そう…」

まぁ、面白いし、いっか。

「お兄ちゃん! 私もできたよー!」

円香が持ってきたランタンは、ベーシックなタイプだ。

よく出来ている。

「圧切使ったから綺麗にできたよ!」

「おー。よくやった。偉いぞ」

円香の頭を撫でてやると、ふにゃっと笑った。

「いっ君。お風呂どうするの?」

「ん? 皆で入ろっか」










脱衣場

「待て待て待て待て」

「あらぁ? どうしたのご主人様?」

「何かあったのかしらぁ?」

「おいFA:G共。一つ聞くぞ」

「何でしょうか一夏」

「あー、うん…。なんでお前ら服脱いでんの!? なんで『具』があんの!?
俺が作ったとき着脱機能なかったよな!?」

「あー、橙に頼んだらカンファレンスと接続してやってくれたよー!」

とバーゼ。

「はぁ!?」

ウィンドウを呼び出してカンファレンスのログを探すと確かにあった。

それも『有機素体構築実験』という名目で通常タスクの中に紛れ込ませてあった。

「しょうもない知恵つけやがって…」

ん? じゃぁ前のボディって…。

FA:G各コアのの量子格納庫にアクセスすると、各小型ガイノイドボディが収納されている。

小型有機素体の動力は変わらずイレギュラーコアだ。

パワーは変わってないようだし、大丈夫か…。

「まぁ…いいや。有機素体使ってもいいけど、ちゃんと毎日風呂入れよ」

唐突に、トンと肩を叩かれた。

「どうしたの束さん?」

「あの子達に欲情しちゃだめだからね?
オナホ妖精とかNGだからね?」

しねぇよ…。つかはいらねぇし。

「円香の前でそんな事するはずないでしょ」

「それもそっか」

風呂場の戸を開ける。

「ここがお風呂ですか。初めてです」

「だろうな。轟雷、あとでお前達の部屋をつくってやろう」

「いいんですか? 私達はVR空間で満足してますよ?」

「お前らは式神とは違う。体に見あった行動をしろ」

FA:Gを見渡す。

「その体は、お前達が現実で暮らしたいって願望だろう?」

「「「「「「……」」」」」」

「まぁ…いいや…。そら、はやく来い」

風呂桶にお湯を張り、湯船の縁に置く。

湯船に浸かっている円香が手招きする。

「「ひゃっほー!」」

バーゼとフレズがジャンプで桶に飛び込んだ。

「あ、バカ!」

止める間もなく着水して……

ばっしゃぁん! と風呂桶ごとひっくり返り、湯船に落ちた。

魔法で二人を持ち上げる。

「「ぷはっ!」」

湯船を覗き混む。

「お前ら有機素体に換装していきなり水没する気か?」

「お、泳げるし!」

「コア使えば浮けるし!」

はぁ…このやんちゃ娘どもめ。

FA:Gを浮かせてお湯を張った桶に突っ込む。

それを湯船に浮かべる。

「ふぅ…なんか入る前から疲れた…」

「じゃぁ私が洗ってあげるよ」

「そう? じゃぁお願いね束さん」

束さんがシャンプーを手にとって、泡立てる。

「束さんにあらってもらうのも久し振りだね」

束さん洗うの上手いんだよなー。

「みゃぉぉぉぉぉん…………」

おっと…油断してたら猫がでてきてしまう…

「お兄ちゃんお兄ちゃん」

「ゅ?」

ニュッと円香の手が伸びてきて顎に触れた。

垂れたシャンプーでぬるぬるしてるところをさわさわ撫でられる。

「にゃー…ごろごろ……」

みゃぅ…あ…まって…ごろにゃーん……

「みゃどかー…まってぇー……にゃふぅ…」

みゃおーん……。

side out







「ごろにゃーん…」

湯船の中で一夏は束に抱かれ、顔を首筋に擦り付けていた。

その頭には猫耳があった。

「お兄ちゃんって猫なのにお風呂嫌がらないんだね」

円香が手を伸ばし、耳をふにふにする。

「いっ君はもともとお風呂大好きだからね」

「一夏可愛いです」

ピョイと轟雷が一夏の肩に飛び乗り、ぷにぷにと頬をつつく。

「みゃぁぅ…みゃぅー…」

一夏が鬱陶しそうに顔を背ける。

「あとでご主人様を苛めてみましょう」

「ええ、そうしましょう」

マテリア姉妹が妖しく微笑むのだった。









風呂からあがったマテリア姉妹はイキイキしていた。

「ご主人様ー。猫じゃらしですよー」

「みゃぅ…みゃっ!」

「はーい、ざんねーん❤」

ノワールとブランが猫じゃらしをさっと引く。

「あんまりいっ君を苛めすぎたらダメだよー?」

「わかってるわタバネ」

「引き際は弁えてるわ」

とノワールとブランが注意をそらした瞬間。

「みゃぅっ!」

「あ、とられた」

「あー…」

「ごろごろ……」

「あー…すごい顔ねご主人様」

「襲いたくなるわ。今度等身大の有機素体作って貰おうかしら」

マテリア姉妹はヤバい相談を始めた。

「一夏の耳ふさふさしてるー!」

「ふにふにー!」

一夏の頭に乗ったバーゼラルドとフレズヴェルグが猫耳を弄る。

「にゃぅ………みゃぅ?」

一夏が首を傾げる。

一夏が尻尾の先端を思い切り上に振り上げた。

「おわぁっ!?」

「きゃっ!?」

尻尾の先で遊んでいたスティレットと迅雷が空に放り出される。

スティレットは空中に浮遊し、迅雷は綺麗に着地した。

「な”ーご!」

一夏は背を弓なりに曲げ、尻尾を立てて威嚇する。

「はいはい、いっ君そんなに怒らないの」

唸り声をあげる一夏を束が抱き上げた。

束が頭を撫でると、スッと眼を閉じる。

「みゃーぅ………」

ボトリと義肢が落ちる。

眼を閉じた一夏は直ぐに寝息をたて始めた。

「あれ? お兄ちゃん寝ちゃったの?」

「そうみたいだね。まぁ、猫モードになったら何時もの事さ」

「ふーん…」

円香が束に抱かれた一夏の尻尾を撫でる。

「にゃぅ………みゃふ……」

「…………」

少しずつ少しずつ、円香の手が尻尾の付け根へ近づく。

やがて……

「ぁ…」

「にゃぅ……」

さわさわ…と円香が尻尾の付け根を触ると、一夏が身をよじる。

「んにゃぁぁぁぁぁ………」

「あ、まーちゃんそこはあんまりさわっちゃダメだよ」

パッと円香が手を引いた。

「んー…そろそろ寝ちゃおっか?」

束は一夏を抱いたまま、立ち上がった。

「君たちも一緒に寝る?」

FA:Gが元気よく返事をした。

「じゃぁ、おいで」

束と円香の肩と頭の上にFA:Gが飛び乗る。

バーゼラルド達飛行ユニット持ちはユニットでついていく。

束が部屋の前に立つと、独りでにドアが開いた。

「さ、寝よっか」

束と円香が一夏を間に挟んでベッドに入る。

FA:G達は掛け布団の上だ。

「おやすみなさい、皆」

束がそう言えば、皆がおやすみと返した。











同時刻 篠ノ之神社

「うーむ…………」

「まだなやんでるの?」

「ああ。お前を憑けて巫女服もいいが、新鮮さがなぁ…」

「いっそ巫女服じゃなくて狩衣でも着たら? ほら、昔一夏様が着てたやつ」

「ふむ……悪くないな」

結局その日、箒は衣装の調整に手間取り、眠りについたのは夜中の三時だった。









少し遡って、シルヴヴァインオフィス兼住居。

の子供部屋。

「エレン、やっぱりやめませんか?」

「?」

「この格好です」

「えー。せっかく箒ちゃんがくれたのにー」

「いえ…だから不安なのですが…」

「大丈夫大丈夫!」

「はぁ…」

「それにこれしか着るものないじゃん。ハロウィンなのに普通の格好はダメでしょ?」

「仕方ありませんね…」

「大丈夫だよ。一夏お姉ちゃんの所に行くまでは上にコートきるんだし」

エレンとリムは、箒に渡された衣装を来ていた。

それはもちろん普通の服等ではなく………。 
 

 
後書き
センター初日! 
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