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ドリトル先生と日本の鉄道

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第七幕その四

「煙突から煙が出ないと」
「SLとしてはですね」
「どうしてもです」
「完全ではないですか」
「ですからリアリティを求めていると」
「そこがですね」
「問題だったのです」
 そうだったというのです。
「実は」
「そうですか、しかし」
 宮田さんはここまで聞いて先生に困ったお顔で言いました。
「煙を出すとなると」
「それはですね」
「煙草の煙もそうですが」
「お部屋の中の空気が汚れるので」
「それは問題があります」
 こう先生にお話しました。
「どうしても」
「それではです」
「それでは?」
「実は僕は以前チョロQを観たのですが」
「チョロQ、おもちゃの」
「はい、小さな中にゼンマイがあるミニカーですね」
「三十年以上昔大流行したんでしたね」
 宮田さんもこのことは知っています。
「そうでしたね」
「僕もそのお話を聞いて興味がありまして」
「そうだったのですか」
「面白いおもちゃだと」
「では」
「はい、そして」
 そのうえでというのです。
「その中で怪獣チョロQがありまして」
「怪獣ですか」
「特撮の怪獣達をチョロQにしたものです」
 普通のものみたいに車をチョロQにしたものとは違ってというのです。
「それは口から火花を出して走っていましたが」
「火花ですか」
「中に火打石を入れていて。ただ小さな火花で」 
 そうしたものだったからというのです。
「触っても熱くなく危険ではないので」
「子供のおもちゃにもなっていましたか」
「中で火花が散って目が光る様になっているものもありました」
「そうでしたか」
「この要領でそれでというのです。
「煙ではないですが」
「煙突から火花が出ればですか」
 宮田さんも考えるお顔になって先生に応えました。
「リアリティが出ると」
「そう思いますが」
「成程、では火打石を入れて」
「走る時に煙突から出る様にすれば」
「確かにいいですね、火打ち石は使っていれば減りますが」
 このことは宮田さんから言いました。
「一旦中を開いて交換すればいいですし」
「そうですね」
「これはいけますね」
「そうですね」
「はい、それでは」
「あとです」
 先生は宮田さんにこうも言いました。
「暗くして宙を走る線路や街がイルミネーションになりますね」
「それはですね」
「凄くいいですね」
 こう宮田さんに言うのでした。
「奇麗で」
「はい、これはです」
「博物館の皆さんのアイディアですね」
「そうです」
 まさにというのです。
「そうなのです」
「それでは」
「はい、これはです」
「このままで、ですね」
「いいと思います」
 こう宮田さんにお話しました。
「まことに」
「それではこれは」
「このままでいいかと」
「わかりました」
 宮田さんも先生には笑顔で応えました、そうしてでした。 
 宮田さんは先生のアドバイス通りにすることにしました、すぐに模型の中や街や駅に小さな人達の模型が置かれて。 
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